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日本語Webフォント導入のデメリット、 導入の障壁は何なのか?

日本語Webフォントのデメリット、導入の障害は何か?
前ページ(日本語Webフォントとは、何がすごいのか? メリットを徹底解説!)では、SEO面での効果や修正が簡単、スマホ対応しやすいなど、日本語Webフォントの数多くのメリットをご紹介しました。
 
しかし、ここで疑問を持つ方も多いはずです。
「日本語Webフォントにはこんなにメリットがあるなら、なぜ今まで普及しなかったのか?」との疑問です。
 
これはまさに鋭い疑問です。日本語Webフォントには大きなメリットがあるのと同時に、デメリットや導入の障壁も併せもっていたのでこれまで導入が遅れてきたという事情があります。
 
ですが、近年技術の進歩によって最大のデメリットは解決されて、日本にもWebフォント導入の機運が高まってきました。
 
ただし、いくつかのデメリット・導入の障壁は依然残されたままです。

目次

日本語Webフォントが今まで普及しなかった理由

英語等と比べて導入が遅れていた日本語Webフォント

海外のサイトを見ると、Webフォントはかなり広く使用されており企業・個人を問わずに多くのホームページで採用されています。
 
それに対して、日本ではよほど大手の企業のサイトや、デザイン性に力を入れているサイトでなければ、Webフォントを利用している例はまだまだ少数です。
 
Webフォントでのサイト構築が一般的になりつつある欧米と比較して、日本でのWebフォントの普及はかなり遅れています。その原因は何だったのでしょうか?

日本語は文字の種類が多いので、フォント容量がネックになっていた

日本語は文字の種類が多いので、フォント容量がネックになっていた
日本語Webフォント導入の障壁となっていたのが、日本語の文字の種類の多さです。
 
たとえば、英語ならアルファベットの種類は26個しかないためフォントデータはかなり少なくなります。ですが、日本語はそうはいきません。ひらがな、カタカナ、漢字・・・と文字の種類が多岐にわたるため、用意しなければならないフォントデータも膨大です。
 
そのため、フォントデータの容量がかなり大きなものになっていました。Webフォントはホームページのデータと同時にフォントデータもダウンロードしてもらう必要があるので、ページの読み込み速度が重くなってしまう懸念があったのです。

技術の向上で、Webフォントの容量の問題が解決!

日本全体でWebフォント導入の流れが一気に高まってきている

技術の向上で日本語Webフォントも実用化レベルへ到達!
このように容量の問題で普及が進まなかった日本語Webフォントですが、近年になって状況が変わりはじめました。
 
技術の向上によって、日本語Webフォントの容量の問題が軽減されたのです。具体的には「サブセット化」という技術です。これは、Webフォントのダウンロード時に日本語のあらゆる文字(膨大な数の漢字など)データを一気にダウンロードするのではなく、ホームページで一般的に利用される一部の文字データのみダウンロードする手法です。
 
これにより、日本語Webフォント導入の障壁がかなり緩和され、Webフォントを自社のホームページにも導入したいという企業が多数現れています。
 
ただ、容量の問題をクリアしても日本語Webフォント導入の障壁はいくつか残っています。残りのWebフォント導入のデメリットを次の項目で解説します。
残された日本語Webフォントのデメリット、
導入の障壁とは?
 

Webフォントのデメリット1

有料フォントの場合、使用料が発生する


一社あたり月額1,000円~2,000円程度のランニングコストが発生する

有料Webフォントには月額1,000円~2,000円程度のランニングコストが発生する
綺麗な日本語Webフォントは有料の場合が多く、ランニングコストが発生します。
サービスの種類にもよりますが、月額1,000円~2,000円程度のところが多いようです。ホームページは長期間使用するものですから、積み上げていくと結構大きい費用がかかることになります。
 
もちろん、この月額コストは一社あたりの金額ですから、使えるWebフォントのバリエーションを増やすために、複数のWebフォント提供各社と契約する場合は、その数だけコストが倍になっていきます。

社内でWebフォント使用料の決裁を通すのも手間がかかる

また、たとえ費用の額は問題なくても、社内での決裁権を持っている方や上司がWebやデザイン関係にあまり明るくない方だと「何でただ文字を使うだけで、毎月お金がかかるの!?」と納得してもらえないケースも多いでしょう。
 
そうなると、Webフォントの利便性やメリットをパソコン・Web初心者の方にいちから説明するところから始めなければならず、社内決裁を下ろしてもらうだけでも一苦労です。
 
一社ですら決裁をもらうのが大変な場合は、これが複数社ともなるとホームページ担当者が経理部から白い目で見られかねません。

Webフォントのデメリット2

利用規約のチェックや契約手続きに手間がかかる


利用規約をしっかりチェックしないと、著作権侵害のリスクを負う

Webフォントは利用規約をしっかりチェックしないと著作権侵害のリスクを負う
前項目ではWebフォントの導入には費用がかかる、というお話をしました。しかし、中には無料の日本語Webフォントもあるので、こちらを利用すれば費用をかけずにホームページにWebフォントを導入できます。
 
しかし、ここで注意しなければならないのはそのフォントの利用範囲です。無料のWebフォントと一口には言っても、事前に利用登録が必要なもの、商用利用が禁止されているものなど、利用規約は提供者によってまちまちです。
 
各フォントごとにしっかりと利用規約を読みこまなければ、著作権の侵害を意図せず起こしてしまい、訴訟リスクにもなりかねません。特に複数のWebフォントを使い分ける場合は、この作業に意外と手を取られてしまいます。
 
さらに、これは有料フォントでも当てはまることですが、契約・利用手続きをひとつひとつ完了させていくのも、初心者にはハードルが高い部分があります。

Webフォントのデメリット3
CSSの知識・技術がないと導入が難しい

Webフォントの導入には、Webデザインの基礎知識が必要になる

Webフォントの導入には、Webデザインの基礎知識が必要になる
月に数千円の使用料の支払いに社内的なコンセンサスが得られ、利用規約も綿密に読みこんで手続きも無事に済ませた。
 
さあ、あとは肝心のWebフォントをホームページに導入するだけ――。しかし、ここまで段取りを整えても最後につまづく可能性があります。
 
WebフォントはCSS(Cascading Style Sheets、カスケーディング・スタイル・シート)というWebページの装飾面を司る言語を利用した技術ですので、CSSの知識がなければ導入が困難だからです。パソコン・Web関係の初心者が気軽に使用するのは難しい現状があります。