メタバースの語源とは? 由来と活用例を簡単に解説
更新日:2024.07.04
近年、拡大を見せるメタバース。
さまざまな分野でメタバースを活用する動きが活発になっており、将来はメタバースでの活動が生活の一部を担うとも言われています。
「メタバースの語源ってそもそも何だろう?」「メタバースはなんとなく知っているけど、由来は知らない」
そのような疑問をお持ちの方にメタバースの語源や由来を、わかりやすく解説していきます。
目次
メタバースの語源
メタバースという言葉は、1992年に発表されたニール・スティーヴンスンのSF小説『スノウ・クラッシュ』で登場した仮想世界「メタヴァース」が名前の由来となっています。
メタバースとは、超越を意味するメタ(meta)と宇宙を意味するユニバース(universe)を組み合わせた造語です。
仮想空間でより高い没入感を味わえるバーチャルリアリティデバイスや、アバター(分身)などのメタバース概念のベースとなるようなシステムが、『スノウ・クラッシュ』で描かれました。
SF小説『スノウ・クラッシュ』とは
本作は経済力が低水準まで落ち込んだ、近未来のアメリカが舞台です。
この世界ではオンライン上に「メタヴァース」と呼ばれる仮想空間が存在しており、ストリートと呼ばれる道路(全長65536km)が伸び、建物や公園、モノレールなどが建設されています。
人々はゴーグル型デバイスを装着して「メタヴァース」空間に入り、それぞれ自由な時間を過ごします。
また仮想空間内では、土地の売買やバーチャル店舗といったバーチャルビジネスの概念もありました。
主人公であるヒロ・プロタゴニストは、ウィルス「スノウ・クラッシュ」を悪用して世界を支配しようとする巨悪を、仲間たちと協力して阻止しようと奔走します。
サイバーパンクの要素と文明の謎を織り交ぜた独特の世界観が特徴で、テクノロジーと人間の絡み合いを描いた、壮大な物語です。
『スノウ・クラッシュ』が発刊された1992年当時は、インターネットもほとんど普及していない時代でありながら、仮想世界やインターネットを題材としており、作者の鋭い先見性が感じられます。
アメリカの大手テック企業の創業者などが、影響を受けた書籍として『スノウ・クラッシュ』を紹介するなど、後世にも影響を与えている書籍です。
メタバースの概念
現在の定義としてメタバースを簡潔に述べると、インターネット上に構築された3次元の仮想空間となります。
アバターを介してメタバースへアクセスすることで、サービスの利用や他のユーザーとのコミュニケーションが行えます。
メタバース空間では、オンライン上で多彩な体験や経済活動が可能です。
たとえばゲームやSNS、ライブやイベントへの参加、ショッピング、観光などです。
近年では、アバターを用いてバーチャルオフィス上でリモートワークできる企業も誕生しています。
要するにメタバースとは、実社会のように生活ができるネット上の仮想空間といえるでしょう。
2021年にSNS大手のMeta社(旧Facebook社)が誕生してメタバースが話題になった頃、よく比較対象として取り上げられるサービスがあります。
それは『スノウ・クラッシュ』誕生から11年後の2003年にリリースされた、メタバースの先駆けといわれる「Second Life」です。
セカンドライフは『スノウ・クラッシュ』で登場した「メタヴァース」の特徴であるユーザー同士のコミュニケーションや土地の売買などのシステムを踏襲していました。
セカンドライフではユーザーがアバターを操作して、ゲーム内で世界中を観光したり、他ユーザーとコミュニケーションを取ったりと自由度の高さが特徴です。
独自の経済圏も誕生して「仮想的通貨」であるリンデンドルも存在したことが、メタバースの先駆けの所以となっています。
日本でもセカンドライフ流行のニュースはメディアでも取り上げられ、ユーザー数が爆発的に増加しました。
セカンドライフについては下記の記事でも詳しく解説していますので、ご興味のある方はご覧ください。
メタバースの魅力
新たなビジネスモデルが形成される
メタバースでは、アバターの存在が必要不可欠です。アバターが身に付けるファッションやアイテムなどの、バーチャル商品を販売するビジネスが興隆する可能性があります。
またメタバース上の土地を売買して、仮想空間の一等地で広告を展開するなどのビジネスモデルも注目されています。
メタバースは現実世界とは異なる独自の経済圏を持つため、これまでにないビジネスチャンスが存在します。
将来的には、よりアイディアベースなビジネスモデルが生まれ、メタバース上の経済が発展していくでしょう。
現実世界で一つの場所に集まる必要がない
メタバースでは現実世界のように、わざわざ一つの場所に集まる必要はなく、地理的な制約を受けません。
インターネット上の仮想空間という特徴を活かして、会議や授業にも向いています。そのため決められた会場や施設に行かなくても、自宅から参加が可能です。
イベントに関してもメタバースを活用することで、世界中の人が集まれます。距離的な問題で参加できないという課題が解消されるため、世界的なイベントを開催したい場合でも容易に実現できます。
身体にハンディを抱えた人でも制限なく活動できる
仮想空間では現実の身体的な制約を超えて、不自由なく誰もがフラットな状態で活動可能です。
またバーチャルリアリティなどの技術を活用することで、身体的なハンディを抱えた人でも操作しやすいインターフェースを提供できます。
さらにコミュニケーション手段も多様であり、音声やテキスト、ジェスチャーなどを用いて自由に交流できるでしょう。これらの要素が組み合わさることで、身体的な制限を感じずに活動できる環境がメタバースには存在します。
将来的には障害者福祉の観点から、メタバース内での就労支援といった活用も期待されています。
メタバースのメリット
より効果的な採用活動・求人を実施できる
メタバース上での採用イベントや会社説明会を行うと、参加者の興味・関心度が高まるため採用活動に効果的です。リアルなイベントでは、遠隔地の求職者が参加しにくいというデメリットは解消できません。
しかしメタバース上なら遠隔地の求職者も気兼ねなく参加できるようになり、より広範な求職者を集めやすくなります。
またWeb会議を利用した会社説明会やリアルイベントでは、受け身のイベントになりがちですが、メタバース上なら求職者も主催者もアバターとして参加し、気後れせずに積極的にコミュニケーションできます。
コスト削減と効率化に貢献する
リアルイベントや販促活動・展示会を開催する場合、会場を用意するための費用が発生します。
レンタル会議室や出展場を借りる場合はコストが発生し、自社内の場所を使用する場合でも維持・運営コストは必要です。
しかし、メタバース上でイベントを開催すれば会場費用は不要で、設営や掃除の手間も削減できます。
さらにバーチャルオフィスを活用してリモートワークを導入すれば、オフィスの縮小による賃料や光熱費の削減できるでしょう。
現実と同じような偶発的なコミュニケーションが取れる
2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降、リモートワークが日本においても定着し「通常の業務はフルリモートで問題なくこなせる」という職場が圧倒的に増えました。
しかしリモートワークだと、偶然の会話が起きる余地がほとんどないため雑談が少なくなり、それが新しいアイディアの創出や生産性向上、イノベーションを阻害している可能性があります。
いっぽう、アバターを用いたメタバースオフィスの場合では、実際のオフィスと近い環境で勤務できるため偶発的なコミュニケーションもでき、アイディアやイノベーションが生まれることにつながります。
自社ブランディングと他社との差別化につながる
メタバースのような先進的な取り組みを実施している企業・団体は、まだごく少数なのが現状です。
そのため早期の段階で積極的にメタバースを活用することで、企業・団体のブランドイメージを高め、他社との差別化を実現できます。
なお、弊社ディーエスブランドでは大企業だけでなく、中小企業・団体でも手軽に使えるメタバースソリューション・おりこうブログCXを提供しております。ご興味のある方はぜひ以下より資料をご覧ください。
メタバースの活用例
「Fortnite(フォートナイト)」 米Epic Games
バトルロイヤルゲームで空間内のユーザー同士が戦い、勝敗を競うゲームです。
ユーザー数は世界で4億人を超えるとされるキラーコンテンツです。
近年ではミュージシャンとのコラボなどで、空間内でのバーチャルライブを開催しています。
「Horizon Worlds(ホライゾンワールド)」 米Meta
Meta社が提供しているHorizonシリーズの1つで、VR機器を装着してバーチャルな世界にアバターとして入り、他ユーザーとゲームやライブ観戦を楽しむメタバース空間です。
「Horizon Workrooms」では、バーチャル会議やイベント開催などビジネスに活用できる要素も盛り込まれています。
「バーチャル渋谷」 KDDI
現実の空間を再現するものでは「バーチャル渋谷」が登場しました。
KDDIらが取り組む渋谷スクランブル交差点エリアを再現したメタバースでは、イベントが数回にわたり開催され、のべ55万人が参加したと発表されています。
「REV WORLDS(レヴワールズ)」 三越伊勢丹
小売産業では、伊勢丹新宿本店とその周辺をバーチャル都市とした「REV WORLDS」のリリースがありました。
CG化された化粧品などが並んでおり、商品にはECサイトのリンクが掲載されているため、すぐに購入ができるシステムです。
メタバースの展望
メタバースではこれまでのオンライン空間では実現できなかった、よりリアルな体験や交流が可能となり、ビジネスやエンターテインメント分野での活用が期待されています。
またNFTなどの新技術との組み合わせにより、新たなビジネスモデルが生まれる可能性も高いです。
メタバースはまだまだ未成熟な市場ですが、日本からもメタバース市場を牽引するようなグローバルな存在が誕生する可能性をも秘めています。
メタバース時代では「バーチャル空間に新しいインターネットがもう一回生まれる」と言われており、世界中の人々がアバターを持ち、メタバース空間で交流する未来が訪れるかもしれません。
今後メタバースは大企業のみではなく、中小企業にも広くビジネス展開が期待されています。
弊社ディーエスブランドでは、中小企業・団体でも利用しやすいメタバースソリューション「おりこうブログCX」を提供しています。
この機会にぜひ、メタバースサービス「おりこうブログCX」の導入をご検討ください。
企業ホームページに新たな付加価値をもたらすメタバースソリューション「おりこうブログCX」の紹介
最後に、採用活動や商材のプロモーションなどにお困りの中小企業様に向けた、オススメのメタバースサービス「おりこうブログCX」を紹介いたします。
現在ではおよそ9割の求職者が、就職活動中に企業のホームページを閲覧しています。
つまり、求職者と企業のファーストコンタクトが、ホームページであると言えるでしょう。そのため情報が充実した企業ホームページは、採用活動を大きく左右する重要なツールです。
また2社以上に応募をする求職者の割合も8割を超えており、平均の応募社数は22.2社となっています。
この観点から、いかに自社ホームページで競合他社との差別化を図って、求職者に関心を持ってもらえるかが、採用活動のポイントとなります。
弊社の「おりこうブログCX」のメタバース空間は企業ホームページに簡単に設置でき、とくに若い世代の求職者に興味・関心を抱いてもらいやすくなる効果を期待できます。
求職者とオンライン上で現実と同等のコミュニケーションができることは、双方にとって時間や労力の削減につながり、参加する立場の心理的ハードルも下がるでしょう。
またメタバース空間を複数あるテンプレートから選択することで、他社に比べて安価に導入も可能です。
さらに顧客を集めるイベントや交流会・ショールーム・住宅展示場などの販促を目的とした活用にも有効です。
こうしたWeb技術をいち早く取り入れることによって、より先進的な企業イメージを与えるなどの相乗効果も期待できます。現在、メタバースを導入している中小企業はごく一部にすぎません。
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ご興味のある方は、ぜひ以下から「おりこうブログCX」の詳細をご覧ください。
この記事を書いた人
高島 耕
株式会社ディーエスブランド Webマーケター
ディーエスブランド入社後、メールマーケティングやセミナー運営、社内業務のDX化に携わる。現在はメタバースや生成AIなどの、先端技術分野のライティングを担当。