キュレーションサイト(まとめサイト)問題とは? 炎上の背景とSEOの教訓を解説
更新日:2024.05.29
現在、インターネット上には多数のキュレーションサイト(キュレーションメディア・まとめサイト)が存在しています。
キュレーションサイトは情報収集に便利な存在でもありますが、過去には悪質なキュレーションサイトが大きな問題(炎上)を引き起こしたことがあります。
今回は悪質なキュレーションサイトによる問題と、そこから学べるSEO(検索エンジン最適化)についての教訓をわかりやすく解説します。
目次
キュレーションサイトとは?
キュレーションサイトとは、特定のテーマやジャンルに沿った情報をインターネット上から収集し、整理して提供するWebサイトのことです。
美術館や博物館で展示物を選定する「キュレーター」に由来する言葉で、Web上の膨大な情報からユーザーが求める価値あるコンテンツを選び出し、まとめてアクセスしやすい形で提供します。そのため「まとめサイト」と呼ばれることもあります。
2016年のキュレーションサイト問題とは?
比較的に簡単に運営できることもあって、多くのキュレーションサイトが存在しています。
なかには悪質なキュレーションサイトが、過去に大きな問題(炎上)を引き起こしたこともありました。
その典型例が、2016年末にテレビや新聞の報道でも話題になったキュレーションサイト騒動です。
これは医療・健康系のキュレーションサイト(情報まとめサイト)が莫大な量の低品質なコンテンツで検索上位を独占し、誤った情報を流布させていた事件です。
その背景を振り返ってみましょう。
大量の低品質コンテンツで検索上位を独占していた
コンテンツSEOの主流化でコンテンツの量と更新頻度がより重視された
ペンギンアップデート、パンダアップデートなどのGoogleのアルゴリズム調整により、人工リンクを主軸とした外部SEOが衰退した後、SEOにおいてはコンテンツの量と更新頻度が重要であると認識されるようになりました(コンテンツSEOの主流化)。
コンテンツマーケティングという言葉が今まで以上に脚光を浴び、豊富な量のコンテンツを発信することがSEO対策では必須であると見なされました。
低品質のコンテンツを粗製乱造してSEO効果を高めようとした
SEOではコンテンツの量と更新頻度が重要であるという認識自体は正しいのですが、それを極端かつなりふり構わない方法で徹底的に実行したのが前述の悪質なキュレーションサイトです。
一部の悪質なキュレーションサイトが、インターンシップの学生やクラウドソーシングを利用した人海戦術でコンテンツを安い人件費で大量に作らせ、検索エンジンを攻略しようとしたのです。
※クラウドソーシング・・・インターネットを利用して、不特定多数の人間に業務を外注するサービス
粗製乱造されたこれらのコンテンツは、他のサイトの文章を盗用してリライトしたり、専門知識がない人間が執筆に携わっていたりしたため、極めて低品質でした。
質の低い情報が検索上位を独占し、悪貨が良貨を駆逐していた
1ヶ月に1800ページ以上コンテンツを追加する物量作戦により、これらのキュレーションサイトはあっという間に検索上位を独占しました。
悪貨が良貨を駆逐するという言葉がありますが、そのとおりの事態が2016年の検索エンジンの世界では起こっていたのです。
多数のキーワードで検索上位をキープすると、莫大な量のアクセスが生まれます。
莫大なアクセスはGoogleアドセンスやアフィリエイトなどを利用することで巨額の広告収入を生み出しますので、これらの悪質なキュレーションサイトは相当な金額の売上げを獲得していたと見られています。
しかし、著作権法違反の疑いや誤った情報の流布が社会的に問題視された
しかし、2016年の末に以下の点が社会的に問題視され、ネット上やテレビでも多数報道された結果、悪質なキュレーションサイトの多くが閉鎖や一時閉鎖に追いこまれました。
- 他のサイトからの文章の盗用→リライトを組織的に推進していた(著作権法違反の疑い)
- 画像の無断使用が横行していた
- 誤った健康・医療情報を拡散しており、薬事法等に抵触する可能性があった
Googleが低品質なコンテンツへの対策を発表した
さらに、キュレーションサイト騒動が表面化してしばらく経ったあと、Googleが2017年2月にアルゴリズムのアップデートを発表しました。
以下にGoogleの報告の文章を引用します。
引用:Googleによる2017年2月のアルゴリズムアップデートの公式発表
『Google は、世界中のユーザーにとって検索をより便利なものにするため、検索ランキングのアルゴリズムを日々改良しています。もちろん日本語検索もその例外ではありません。その一環として、今週、ウェブサイトの品質の評価方法に改善を加えました。今回のアップデートにより、ユーザーに有用で信頼できる情報を提供することよりも、検索結果のより上位に自ページを表示させることに主眼を置く、品質の低いサイトの順位が下がります。その結果、オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトが、より上位に表示されるようになります。今回の変更は、日本語検索で表示される低品質なサイトへの対策を意図しています。このような改善が、有用で信頼できるコンテンツをユーザーに提供する皆さんを、正当に評価するウェブのエコシステム作りの助けとなることを期待しています。この変更で、Google が認識する日本語検索の問題すべてを解決できるとは考えていません。検索品質向上のために、継続的にサイトの品質評価アルゴリズムのさらなる改善を行って参ります。』
低品質のコンテンツの検索上位表示は、最終的にGoogleに取り締まられる
ご覧いただくとわかるように、「キュレーションサイトの検索順位を低下させる」とは報告文のなかに直接書かれていませんが、こちらのアップデート後に独自のコンテンツに乏しいキュレーションサイトが大きく順位を落としたことが各Webメディアで報告されています。
このように、低品質なコンテンツを無理やり検索上位に表示させようとしたホームページは、一時的に検索上位を獲得しても、最終的にGoogleのアップデートによって対策され、集客力を地に落としてしまいます。
本当に成果を出せるSEO対策とは?
悪質なSEO業者やキュレーションサイトの施策は表面上は間違っていないが…
被リンクに頼った悪質なSEO業者の衰退や、キュレーションサイト騒動から得られる、SEO対策の教訓は何でしょうか?
- 被リンクを獲得する
- 更新頻度を増やす
- コンテンツを増強する
SEO業者やキュレーションサイトが採用したこれらのアクションを単純にピックアップすると、全く間違ったことはおこなわれていません。
どれもSEO対策では効果的な施策です。
「検索ユーザーのため」という意識が正しいSEO対策では不可欠
それにもかかわらず、悪質なSEO業者やキュレーションサイトが失敗したのは、検索ユーザーの役に立つコンテンツを作るという目的を忘れて(あるいは意図的に無視して)、それぞれの施策を形式的に推し進めたからです。
以下のような王道のSEO対策に邁進していれば、ペナルティで壊滅的な被害を受けることもありませんし、自然に検索順位もアップできてアクセス数も増加します。
- 役に立つコンテンツを作成し、FacebookやTwitterで拡散して自然に被リンクを増やす
- 検索ユーザーのニーズと合致した情報をコンスタントに更新する
- 検索ユーザーの疑問や要望を的確に解決できるコンテンツを増強する
先程とアクション自体は変わりませんが、「検索ユーザーのため」という目的意識に沿って施策をおこなうだけで結果は大きく違ってきます。
「楽をして検索上位を獲りたい」という意識ではSEO対策は必ず失敗する
「検索ユーザーのため」という意識を持ってコンテンツを作れば、SEO対策は簡単で確実にアクセス数を増加できます。(手間と時間はかかりますが…)
それに対して、「検索ユーザーの役に立つコンテンツを作るのは面倒だから、クオリティの低いコンテンツで楽して検索上位を獲りたい」という意識でSEO対策を進めると必ず失敗するでしょう。
一時的に検索上位を獲得しても、いずれGoogleのアルゴリズム変更でペナルティを受けますし、いつGoogleに見破られるか常に戦々恐々としながらホームページ運営を進める羽目になります。
5年・10年と評価される良質なコンテンツを作ったほうが、最終的にはお得
徹底的に検索ユーザーの役に立つコンテンツを作成していれば、Googleのアルゴリズムのアップデートは恐怖の対象ではなくむしろ歓迎すべきものになります。
Googleが賢くなり真に価値のあるコンテンツを見分けられるようになるほど、自分が作ったコンテンツの検索順位が上昇するわけですから。
せっかくコンテンツを作るなら、楽をして作った内容の薄いものではなく、5年・10年と評価されて長期的に集客できるコンテンツを作りましょう。
そちらのほうが売上げもアップできますし、投入する手間と時間も最終的に少なくなります。
以下のページで長期的に集客できるSEOコンテンツの作り方を詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。