コンテンツSEOとは? メリットとデメリット、実施する際の具体的な手順をWebマーケティング初心者へ解説!
更新日:2024.09.30
- 「コンテンツSEOという言葉をときどき目にするけど、普通のSEO対策と何がちがうのかわからない」
- 「コンテンツSEOはどんな手順で進めればいいの?」
こんな疑問やお悩みはありませんか?
Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンの性能が向上した現在では、検索ユーザーの役に立つ情報やノウハウを継続的に追加することでアクセス数をアップする、コンテンツSEOがWeb集客の主流になっています。
コンテンツSEOが注目されるようになった経緯から、コンテンツSEOのメリット・デメリット、Webマーケティングの初心者がコンテンツSEOを実施する際の具体的な手順についてわかりやすく解説いたします。
目次
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- コンテンツSEOとは?
- ブラックハットSEOの隆盛
- ホワイトハットSEO・コンテンツSEOの台頭
- コンテンツSEOはSNS連携とも相性がよい
- 作成したコンテンツはWeb上だけでなく、商談や接客、プレゼンなどの場面でも活用できる
- 今後のSEO対策は、コンテンツマーケティングの視点から進めることが不可欠
- 集客効果が長期間維持される
- 長期的にみると、コストパフォーマンスが極めて高い
- コンテンツが蓄積されるほど、集客力が貯金や投資のように大きくなっていく
- コンテンツSEOは集客力が安定しやすい
- ニーズを自覚していない潜在顧客とも接点が確保できる
- 公開したコンテンツは顧客育成(リードナーチャリング)を自動的に進めてくれる
- コンテンツを充実化していけば、営業・接客を担当する社員の業務効率化にもつながる
- 企業の信頼度がアップし、ブランディングに貢献する
- SNSでの拡散や、自然な被リンクを獲得できる
- 即効性がなく、効果が出るまでに時間がかかる
- コンテンツの作成に労力と時間がかかる
- コンテンツSEOを外注すると費用がかかる
- 多少のデメリットはあるが、長期的に会社を成長させたいならコンテンツSEOに一刻も早く取り組むべき
- コンテンツSEOの主な作業は、検索ユーザーの要望・お悩み・疑問に対して、ページという受け皿を用意すること
- コンテンツSEOの作業フロー図
- 1.自社の商品・サービスの分析
- 2.その商品・サービスを求める人々は、どんな要望・お悩み・疑問を抱えているのかを考察する
- 3.これから作成するコンテンツを選択する
- 4.ライバルサイトのページのチェックと熟読
- 5.対策するSEOキーワードを選定する
- 6.コンテンツの原稿の執筆
- 7.コンテンツのページ化
- 8.公開が完了したら、次のコンテンツ作成に取りかかる
- 利用しているホームページサービスが古いなどの理由で更新作業が大変な場合は、コンテンツSEOの実施が困難になる
- 更新のたびに制作会社に依頼する必要があるのは、コンテンツSEOにとって最悪の環境
- 作業料金が発生するので、コンテンツSEOのコストパフォーマンスが損なわれる
- 3年後・10年後には集客力に圧倒的な差が生まれるので、コンテンツSEOは今すぐ始めるべき
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コンテンツSEOとは?
コンテンツSEOはSEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)対策の一種です。
現在のWebマーケティングの世界では、コンテンツSEOの理解なしに検索エンジンから効率的に集客することは困難であるといっても過言ではありません。
コンテンツSEOでは各検索キーワードに応じて、受け皿となるコンテンツ(ページ)を整備することで、アクセス数の増加をめざします。
※「SEO対策とは何か」や「そもそもコンテンツとは何か」を基礎から詳しく知りたい方は、以下のページで解説していますので、こちらをご覧ください。
なぜコンテンツSEOが注目されているのか? |
ただし、コンテンツSEOが注目されだしたのは2012年以降のことです。
それ以前のSEO対策の趨勢はどんな状況だったのでしょうか?
ブラックハットSEOの隆盛
小手先のテクニックを用いて順位を上げるブラックハットSEOが、ネット上を席巻していた
コンテンツSEOが注目された背景には、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンの性能向上があります。
実は、2012年以前のSEO対策の世界では、訪問者にとって役に立つ良質な情報を提供するよりも、小手先のテクニックを用いて検索順位を無理やり上げる手法が横行していました。
そのような手法のことをブラックハットSEOと呼びます。
ブラックハットSEOの代表的な手法には、以下のようなものがあります。
【ブラックハットSEOの手法】
- 被リンクの大量設置
- コピーコンテンツ
- 隠しテキストや隠しリンク
- キーワードを不自然に詰め込んだ文章(ワードサラダ)
- 検索エンジン向けの特別なページを表示する行為(クローキング)
2012年までに、このようなブラックハットSEOは流行を極め、被リンクを販売するSEO対策業者も乱立するようになりました。
その結果、小手先のSEO対策のみに長けた品質の低いページが検索上位を独占するようになり、検索ユーザーの利便性が悪化してしまったのです。
ペンギンアップデートとパンダアップデートの実施で検索エンジンの性能が劇的に向上し、ブラックハットSEOの多くがペナルティを受けた
しかし、Googleの打ち出した対策が、そのようなブラックハットSEOの氾濫に待ったをかけました。
それがペンギンアップデートとパンダアップデートです。
この二つは、Googleが検索順位を決定するアルゴリズム(計算式)を改良するものです。
ペンギンアップデートは人工的な被リンク大量設置を見抜いてペナルティを与え、パンダアップデートではコピーコンテンツなどの低品質なコンテンツの検索順位を低下させます。
ペンギンアップデートとパンダアップデートの実施により、被リンクに頼った低品質なページ群はペナルティを受けて、検索上位から圏外へと一気に沈み込みました。
検索エンジンが高性能になった結果、訪問者の役に立つ情報を掲載していた良質なコンテンツが上位を占めるようになった
その代わり、息を吹き返したように検索順位を上昇させたページ群があります。
それは、小手先のSEO対策に走るのではなく、訪問者の役に立つ情報を掲載していたページたちです。
Googleの検索エンジンが賢くなることで、真面目に作りこまれた良質なページが正当な評価を受けるようになったのです。
その後もGoogleは、莫大な資金力と世界トップクラスの人材を惜しみなく投入し、アルゴリズムを日々進化させています。
※なお、現在はYahoo!もGoogleの検索エンジンを流用しているため、この二つの検索エンジンの順位は基本的に同じになります。
このような状況下で、ブラックハットSEOを用いて検索順位を上げようとしても、Googleに見抜かれてペナルティを受ける確率が高いので逆効果です。
現在でも「被リンクを人工的に貼って検索順位を上げます」と謳っているSEO会社には、仕事を依頼しないほうが無難でしょう。
ホワイトハットSEO・コンテンツSEOの台頭
現在は訪問者が求めている情報を積極的に発信していく、ホワイトハットSEOやコンテンツSEOが主流になっている
ブラックハットSEO業者はペンギンアップデートとパンダアップデートの実施で、その大半が駆逐されました。
その代わりに台頭してきたのが、ホワイトハットSEOでありコンテンツSEOです。
ホワイトハットSEOとは、人工被リンクなどのブラックな手法に依存するのではなく、検索ユーザーが求めている情報を丁寧にWebページ化して公開するという王道のSEO対策です。
※ブラックハットSEOとホワイトハットSEOについては、以下のページで詳しく解説しています。
ブラックハットSEO業者とくらべると圧倒的に労力と時間がかかるので、コンテンツSEOの業者は高額である
現在はSEO業者のなかでも、このホワイトハットSEOやコンテンツSEOを主軸に据えた会社が大半になっています。
被リンクを貼るだけで高順位を得られていたブラックハットSEOとちがい、コンテンツSEOでは良質なコンテンツを生み出す必要があるので、非常に労力や時間がかかります。
そのため、ホワイトハットSEOやコンテンツSEOを掲げているSEO業者の料金は高額であることが多いです。
ブラックハットSEO業者と比較すると、「同じSEO対策なのに、なんでこっちはこんなにお金がかかるの!?」と驚くことも多いでしょう。
コンテンツSEOを外注したときも、依頼者は丸投げするのではなく積極的な情報提供が不可欠
さらに、コンテンツSEOは依頼する側も楽ではありません。
良質なコンテンツを訪問者に提供するためには、その会社の事業の特徴やターゲット層、競合他社と比較したときの優位点、これまで蓄積してきた技術・知識・ノウハウを深く理解する必要があるからです。
依頼する側がSEO業者からの質問に熱心に答え、積極的に資料を提供しないと、いくら優れたSEO業者でも結果を出すことは困難です。
なぜならSEO業者は、たとえ工務店のホームページを担当していても実際に家を建てた経験もなければ、病院のホームページを担当していても専門的な医療知識や実務経験は皆無だからです。
つまり、SEO業者はみなさんの事業に対して素人なので、丸投げされても良質なコンテンツを作れないのです。
依頼者側が情報提供に前向きでないと、コンテンツSEOの成功はおぼつきません。
それでも、ホワイトハットSEOやコンテンツSEOに専念したほうが安全
しかし、安くて楽だからといってブラックハットSEO会社にすべてを任せてしまうと、Googleのペナルティをいつ受けるか戦々恐々としながら、ホームページ運営を続ける羽目になってしまいます。
多少高くついて手間がかかっても、ホワイトハットSEOやコンテンツSEOを中心とした会社を選んだほうが安全です。
コンテンツSEOはSNS連携とも相性がよい
コンテンツSEOはSEO対策だけでなく、FacebookやTwitterなどのSNSとも結びつけやすい
コンテンツSEOが近年主流になっている理由は、SEO対策の面だけにとどまりません。
もうひとつの大きな理由は、FacebookやTwitterなどのSNSの普及です。
コンテンツSEOはブラックハットSEOと比較すると、SNS拡散との相性が非常によいのです。
どういうことなのか具体的に解説します。
ブラックハットSEOはコンピュータープログラムである検索エンジンはだませても、人間の目でチェックされるSNSには無力
たとえば、ブラックハットSEOの典型的な手法である人工被リンクの大量設置はSNSでの活用はほとんど見込めません。
新しいページが増えるわけでもなければ、良質な情報が公開されるわけでもないからです。
ブラックハットSEOでは、コンピュータープログラムである検索エンジンはだませても、人間の目でチェックされるSNSでは低品質なコンテンツは拡散されないのです。
コンテンツSEOではコンテンツが拡散されやすいうえに、SNS投稿のネタとしても活用できる
ですが、コンテンツSEOはその点が大きくちがいます。
コンテンツSEOでは検索エンジンからの集客と同時に、良質な情報発信を目的としてコンテンツを作成するので、Facebookの「いいね!」やTwitterの「ツイート」も当然得やすくなります。
さらにコンテンツSEOでは、コンテンツ自体がSNSに投稿するネタになるのは大きなメリットです。
新コンテンツの公開時にFacebookやTwitterで紹介するのはもちろん、古い記事も数ヵ月ごと~半年ごとなどのスパンで繰り返し投稿すれば、SNSのネタの枯渇も防止できます。
以上のSNS活用の見地からも、ブラックハットSEOよりもコンテンツSEOのほうが圧倒的に効果的なのです。
作成したコンテンツはWeb上だけでなく、商談や接客、プレゼンなどの場面でも活用できる
さらに、作成したコンテンツはオンライン以外の場面でも活用できます。
コンテンツの内容を流用して会社案内パンフレットや商品・製品カタログを作成すれば、商談の提案ツールを簡単に用意できます。
今後のSEO対策は、コンテンツマーケティングの視点から進めることが不可欠
このように、コンテンツをSEO・SNS・商談の場など、あらゆる用途で駆使して販売活動を促進する手法をコンテンツマーケティングと呼びます。
このコンテンツマーケティングが現在のデジタルマーケティングの世界では、メインストリームになっています。
今後はどんな企業ホームページでも、コンテンツマーケティングの視点を抜きにした運営はもはや考えられません。
現在はSEO対策という分野自体がコンテンツマーケティングの一手法へと、吸収合併されていると見たほうがよいでしょう。
みなさんもコンテンツSEOを進める際には、SEO対策の視点だけにとらわれず、作成したコンテンツをどのように活用するかを、マーケティング戦略全体を俯瞰しながら検討していってください。
コンテンツSEOのメリットとは? |
集客効果が長期間維持される
新聞広告やテレビCM、リスティング広告では発信から時間が経つほど、集客効果が急速に薄れていく
コンテンツSEOのみならず、SEO対策全般にいえることですが、集客効果の持続力が高いことが最大のメリットです。
たとえば新聞広告やテレビCMや折り込みチラシでは、発信直後には爆発的な集客効果を生み出しますが、時間が経つにつれ急速に効力が失われます。
これはSEO対策と同じWebマーケティングの一種であるリスティング広告(検索連動型広告)でも、一緒です。
リスティング広告では、広告がクリックされるたびに料金が発生しますが、入金を止めてしまえば途端に集客効果はゼロになります。
コンテンツSEOはマラソンランナーのように、長期間集客に貢献し続ける
それに対し、コンテンツSEOはちがいます。
一度公開したWebコンテンツは自ら削除しないかぎり、永続的にYahoo!やGoogleなどの検索エンジンから見込み客を集客しつづけます。
新聞広告やテレビCM、リスティング広告が100mなどの短距離走選手だとすれば、コンテンツSEOはフルマラソンを走り抜ける長距離走選手だといえます。
※長い時間が経っても価値を失わず集客に貢献する、不朽のコンテンツを「エバーグリーンコンテンツ」と呼びます。
コンテンツSEOでは、このエバーグリーンコンテンツの作成を目指しましょう。
長期的にみると、コストパフォーマンスが極めて高い
リスティング広告や、新聞広告やテレビCMでは高額な料金が発生する
リスティング広告はクリックされるたびに料金を支払う必要があります。
競争が激しいキーワードでは、たった1クリックで数千円が取られることも珍しくありません。
もちろん、新聞広告やテレビCM、折り込みチラシも高額な予算が必要です。
たとえば、全国紙に新聞広告を出そうとすると一番小さい広告枠でも200万円以上のコストが発生し、テレビCMでは15秒間の放送1回で80万~200万円程度の費用がかかるとされています(代理店の費用や映像制作費は別途必要)。
予算がゼロ円では、どんな広告媒体でも一人も集客できないのです。
コンテンツSEOでは、コンテンツを内製すれば人件費以外は無料で集客力を増加できる
一方、コンテンツSEOではCMSを使えば、社内で簡単にコンテンツ(ページ)を追加できるので、広告費はゼロになります。
企業ホームページさえ存在し、社内で更新できればコンテンツSEOは無料で始められます。
もしプロにコンテンツ制作を依頼したとしても、必要なのは最初の作業費のみであり、あとでそのコンテンツ自体の料金を継続的に請求されることはありません。
つまり、もしコンテンツ制作を外注した場合でも、長期的に見れば、コストは格安で済むのです。
このコストパフォーマンスの高さもコンテンツSEOの大きな魅力のひとつです。
コンテンツが蓄積されるほど、集客力が貯金や投資のように大きくなっていく
コンテンツが蓄積されるほど、集客力が貯金や投資のように大きくなっていく
コンテンツSEOでは集客力がいつまでも持続されることはすでに述べました。
コンテンツひとつひとつが集客力を持ち、それが消えないということは、良質なコンテンツを増やせば増やすほど集客力が着実に増加していくことを意味します。
そのため、コンテンツSEOに必要な時間や労力はコストではなく、貯金や投資のようなものだとお考えください。
しかも、良質なコンテンツを増やすほどサイト全体の評価が高まり、過去に追加したページの検索順位もつられて向上します。
それを踏まえると、コンテンツSEOはお金を入金すればするほど利子率が上昇していく、極めて有用な貯金・投資だといえるでしょう。
コンテンツSEOは集客力が安定しやすい
ライバルサイトの出現やアルゴリズム変更による順位低下で集客力が落ちる可能性はあるが、コンテンツSEOは安定しやすい
これまでコンテンツSEOでは長い期間で集客力が持続するというお話をしましたが、コンテンツの検索順位が下落してしまうと、集客力の低下が発生します。
特にライバルサイトの出現やアルゴリズムの変更で、集客数が減じることは十分ありえます。
しかし、それでも人工被リンクなどに頼ったブロックハットSEOよりも、コンテンツSEOは圧倒的に集客効果の安定性が高いです。
理由は二つあります。
コンテンツSEOは小手先のテクニックを使わないのでペナルティを受ける確率が低く、キーワードに多様性があるので集客数も安定する
ひとつは有益なコンテンツを増やすことに専念するコンテンツSEOでは、検索エンジンをだますような手段を使わないので、アルゴリズムアップデートによるペナルティを受ける確率が低いこと。
もうひとつは、SEOキーワードに多様性があることです。
このキーワードの多様性について詳しくご説明しましょう。
検索回数が多いビッグキーワードは、ライバルページの数も膨大なので検索上位を獲るのが困難
ビッグキーワードとは単語ひとつで構成されるキーワードや、メジャーなキーワードのことです。
たとえば「イタリアン」や「整骨院」はビッグキーワードだといえます。
ビッグキーワードは検索回数が一ヶ月に数万回~数十万回とケタ外れに多いのですが、ライバルページも膨大にあるので検索上位を獲得するのは至難の業です。
たとえば、「イタリアン」でGoogle検索すると1億3700万件ものページがヒットします(2018年1月22日調査)。
検索上位である1ページ目に表示させるには10位以内に入らなければいけないので、キーワード「イタリアン」で上位を獲るには1億件以上ものライバルページに勝ち抜く必要があります。
複合キーワードやニッチなキーワードなどの、スモールキーワードは検索回数は少ないものの、検索上位を獲りやすいので着実に集客できる
それに対して、スモールキーワードとは複数の単語を組み合わせたキーワード(複合キーワード)や、ニッチなキーワードのことを指します。
たとえば「渋谷 イタリアン 個室」や「長岡市 整骨院 腰痛」などのキーワードが、スモールキーワードにあたります。
スモールキーワードは単純な検索回数ではビッグキーワードの足元にも及びませんが、ライバルページが急激に少なくなるので検索上位を獲得しやすいメリットがあります。
一例を挙げると、「渋谷 イタリアン 個室」だとライバルページは380万件程度になります。
先ほどの「イタリアン」単独だと1憶3700万件もヒットしたことと比較すると、36分の1の数までライバルページが減少しています。
ライバルが少なくなった分、10位以内に入れる確率がはるかに高まっているのは言うまでもありません。
また、スモールキーワードでは検索キーワードが具体的なぶん、検索ユーザーの本気度が高い傾向にあり、検索ユーザーのニーズと自社の商品・サービスの合致度も高くなります。
よって、スモールキーワードで獲得する訪問者のほうが、お問い合わせや来店などのコンバージョンを獲得できる確率は高いのです。
※ビッグキーワードとスモールキーワード、コンバージョンについては以下のページでも解説していますので、こちらもご覧ください。
多様なキーワードで集客するコンテンツSEOでは、ひとつのキーワードの検索順位が落ちたとしても、全体のアクセス数へのダメージは少ない
コンテンツSEOでは多様な検索キーワードに対し、コンテンツという受け皿をそれぞれ多数用意することで集客を狙います。
そのため、集客に貢献するキーワード(Yahoo!やGoogleの検索結果上でクリックされるキーワード)は自然と多種多様になります。
集客できるキーワードの種類が多くなれば、Googleのアルゴリズムアップデートやライバルページの登場による集客力低下も起こりづらくなるのでアクセス数が安定します。
もし、集客を1種類のキーワードに頼っているホームページだと、そのキーワードの検索順位が低下してしまえば、致命的なダメージをこうむります。
ですが、1000種類のキーワードで集客しているホームページなら、そのうちのひとつのキーワードの順位が下落しても、残りの999のキーワードは無事なので、ほとんどアクセス数は損なわれません。
コンテンツSEOは分散投資のようなもので、コンテンツを増やすほど安定性が増していく
コンテンツSEOは貯金や投資に似ているというお話を前述しましたが、多種類のキーワードで集客すればアクセス数が安定するという理論は、投資の世界における「分散投資は安定性が高い」という定説と同じようなものです。
コンテンツを増やせば増やすほど、集客できるキーワードが増えていくのでアクセス数の安定性は強固になっていきます。
ニーズを自覚していない潜在顧客とも接点が確保できる
新聞広告や折り込みチラシ、テレビCMなどの従来の広告媒体では、ニーズを自覚している顧客しか接点が持てないので枯渇のリスクがある
新聞広告やテレビCMなどの通常の広告媒体では、商品・サービスのニーズをすでに自覚し、売上げに直結しやすい見込み客にしかリーチ(接触)できません。
ニーズをまだ自覚していない潜在顧客とも接点を確保しようとすると、これらの広告では情報を届ける人数の増加に比例して料金が高額になっていきますから、ROI(Return On Investment、投資対効果)が悪化し、赤字の危険性が出てくるからです。
ですが、見込み客は潜在顧客の数よりも圧倒的に少ないので、いずれ見込み客が枯渇してしまうリスクが考えられます。
コンテンツSEOは発信費用や維持費がかからないので、幅広い層との接点を積極的に作れる
それに対し、コンテンツSEOでは自社でコンテンツを作成すれば費用は発生しませんし、作成したコンテンツ自体は維持費用なしで永続的に公開されます。
よって、コンテンツSEOではROIの悪化を気にすることなく、潜在顧客の開拓に乗り出せるのです。
潜在顧客を獲得する手段の筆頭になるのが、知識・教育系のコンテンツです。
これは、商品・サービスの売り込みではなく、自社の事業と関係する情報・知識・ノウハウを訪問者に伝えることに特化したコンテンツです。
たとえば、お風呂のバリアフリーリフォームが得意な工務店であれば、「高齢者の入浴時の危険性」を解説した記事をアップするのです。
こうすれば、バリアフリーリフォームの必要性はまだ感じていなくても、親が高齢で心配している人々にも企業ホームページへ訪問してもらえます。
売り込み系コンテンツよりもはるかに幅広い層と接点を持てるのが、知識・教育系コンテンツのメリットです。
公開したコンテンツは顧客育成(リードナーチャリング)を自動的に進めてくれる
訪問者にとって役に立つ情報を網羅したコンテンツは、それ単体で即コンバージョンにつながらなくても、顧客にニーズを自覚させ、購入を促す効果が見込めます。
たとえば「お風呂のバリアフリーリフォーム? どうせ高いんだろうから、やらないよ」と考えている潜在顧客でも、「入浴時の急激な温度変化で発生するヒートショックによる死亡者数は、交通事故の死亡者数をはるかに上回っている」という統計や「バリアフリーリフォームには助成金が下りるのでお得にできる」という情報を提示すれば、意識が一気に変わるかもしれません。
このような顧客育成効果をWebマーケティングではリードナーチャリング(Lead Nurturing)と呼びます。
顧客の心理ステップに応じたコンテンツをホームページ内に整備することで、集客⇒顧客育成⇒クローズまでの過程を自動化することができます。
※以下のような顧客の心理ステップを想定した表のことをカスタマージャーニーマップと呼びます。企業ホームページにどんなコンテンツを作るべきかをプランニングする際は、簡単なものでいいので、このカスタマージャーニーマップを作っておくと効果的です。
コンテンツを充実化していけば、営業・接客を担当する社員の業務効率化にもつながる
企業ホームページ上に必要な情報を公開しておくことで、お客様対応の手間を軽減できる
先ほど、コンテンツSEOでは訪問者に必要な情報を提示することで自動的に教育できる(リードナーチャリング)というお話をしました。
顧客育成が自動化されるということは、お客様と対面する営業社員や販売員が一から十まですべての情報を伝える手間が省けることになります。
また、来店するお客様や電話をかけてくるお客様も、事前にホームページの情報をチェックしてからアクションを起こすので、相談や質問のポイントが明確になり、契約・購入までの意思決定が高速化します。
※Googleの調査によると、現代の顧客の80%以上は来店や商談前にネット上で収集した情報が決め手になって、購入する商品・サービスを決定しているというデータがあります。つまり、オンライン上の情報提供を密におこなっている企業は顧客獲得の面で圧倒的に有利になるということです。
これをZMOT(Zero Moment Of Truth)理論と呼びます。
以下のページではZMOT理論について、さらに詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
コンテンツSEOの推進は社員の業務効率化や労働生産性の向上効果を与える
さらに、営業社員や販売員には休息が不可欠ですが、企業ホームページは24時間・365日かたときも休むことなく、商品・サービスのアピールやお客様への情報提供を続けてくれます。
現在、労働生産性の向上や働き方改革の必要性が広く唱えられていますが、コンテンツSEOを活用すれば集客だけでなく、社員の業務効率化にもつながるのです。
※企業ホームページと労働生産性の向上の関係については、以下のページでさらに詳しく解説しています。
企業の信頼度がアップし、ブランディングに貢献する
ホームページ内の情報を充実させるほど、プロフェッショナルとしての知識・経験が伝わり信頼感が醸成される
さらに、充実したコンテンツを企業ホームページ内に増やすほど、訪問者の信頼度が増し、購入・契約につながる確率がアップします。
たとえば、みなさんがお風呂のリフォームを考えているときに、以下のA工務店とB工務店のホームページにアクセスしたとします。
みなさんはどちらの会社にリフォーム工事を依頼したいと思うでしょうか?
【A工務店のホームページ】
「対応できるリフォーム一覧」のページに「お風呂のリフォーム」という一文だけが掲載されている。
【B工務店のホームページ】
「お風呂のリフォーム」を紹介する単独ページが用意されているだけでなく、「高齢者の入浴時の危険性」や「リフォーム時に使えるお得な補助金」などの解説記事が充実している。
また、浴室暖房や手すりの据え付け、床材の張替えなどのリフォームのメニューについても、写真付きで丁寧に説明されている。
Web上の情報だけで判断するなら、断然B工務店に問い合わせると思います。
B工務店のほうが積極的に情報発信しているので、リフォームを相談した際も親身になって対応してくれそうです。
また、お風呂のリフォームを何件も手掛けた建築のプロとして、豊富な知識と経験を備えていることが見て取れるので信頼感も湧いてきます。
会社のブランド価値向上で受注率アップや、価格競争からの脱却が期待できる
このように、充実したコンテンツは顧客のロイヤルティ(顧客が抱く愛着や信頼感)を高めて受注率を引き上げます。
さらに、「少し高くても、ここはクオリティが高い仕事をしてくれそうだ」と顧客にイメージしてもらうことで価格競争から脱し、単価の向上も実現できます。
特にこれらのロイヤルティ醸成効果は、商品・サービスを購入するまでの検討期間が長く、判断も慎重なBtoBビジネスにおいて顕著に表れます。
企業ホームページでは、プロとしてのこだわりや経験・技術が伝わるようなコンテンツを整備して、ブランディングにつなげましょう。
SNSでの拡散や、自然な被リンクを獲得できる
訪問者の要望・お悩み・疑問を解消する良質なコンテンツは、検索上位を獲りやすいだけでなく、FacebookやTwitterなどのSNSでも拡散されやすいです。
さらに、SNSでの拡散が広がれば外部のブログやホームページで紹介される確率も飛躍的にアップします。
つまり、自然な被リンク(ナチュラルリンク)が獲得しやすくなるのです。
勘違いされている方も多いのですが、ペンギンアップデートの施行後も、自然に貼られた被リンク(ナチュラルリンク)の検索順位を上昇させる効果は未だ健在です。
検索エンジンからペナルティを受けてランキングを急落させる危険性があるのは、あくまで人工的に大量設置された被リンクのみなのです。
自然な被リンクが蓄積されていけば、当然そのページの検索順位は上昇しますし、それだけでなくサイト全体の評価も高まるので、他のページの検索順位も向上します。
コンテンツSEOのデメリットとは? |
ここまでコンテンツSEOのメリットを解説してきましたが、コンテンツSEOは決して万能のマーケティング手法ではなく、デメリットも存在します。
コンテンツSEOを実施する際は、以下のデメリットもきちんと理解して社内で共有しておく必要があります。
即効性がなく、効果が出るまでに時間がかかる
コンテンツSEOは集客効果が発揮されるまでが遅い
先ほど、新聞広告やテレビCM、リスティング広告が100m走などの短距離走選手だとすれば、コンテンツSEOはフルマラソンの長距離走選手だという比喩で各々の特徴を紹介しました。
それを裏付けるかのように、コンテンツSEOは集客効果の持続力は高いですが、効果が出るまでに時間がかかります。
これは主に二つの理由があります。
検索エンジンのクローラーの巡回や、順位決定に必要なデータが蓄積されるまでには、期間が必要
ひとつは、検索エンジンの評価が安定するまでに時間を要することです。
Googleのクローラー(Webページの情報を収集するコンピュータープログラム)が新しく追加されたコンテンツを発見し、インデックスするまでには時間がかかります。
Googleサーチコンソールの機能を活用すればクローラーの巡回を要請できるので、インデックスまでのスパンを短くできますが、それらを活用しないならインデックスまでに数日~数ヵ月を要することもあります。
※インデックスやクローラーについては以下のページで解説していますので、こちらをご覧ください。
さらに、コンテンツがインデックスされてもその時点で検索上位を獲れることは、あまりありません。
Googleは各ページの訪問者の動きやクリック率・直帰率などのデータも加味しながら、検索順位を決定しています。
そのため、新しくインデックスされたページはまだ訪問者が少ないため、それらのデータが蓄積されておらず、上位に表示されづらいのです。
実際、当サイトではいくつかのキーワードで検索上位を達成していますが、そのほとんどではランキング上位表示されるまでに2ヵ月~3ヵ月ほどの期間がかかっています。
なかには、公開から1年以上を経過してようやく検索上位を獲得したコンテンツも存在します。
コンテンツSEOを実施するなら、作成したコンテンツが集客効果を発揮するまでには、ある程度の期間を要するという点は必ず理解しておいてください。
初期段階はコンテンツ数自体が少ないので集客数も乏しくなる
コンテンツSEOの集客に時間がかかるもうひとつの理由は、初期段階ではコンテンツ数が少ないことです。
SEO対策では検索上位のページがどれだけ多く存在するかで集客力が決定されます。
よって、ホームページ全体のページ数(コンテンツ数)が少ない初期段階では、アクセス数は思うように増えないのです。
特に最初の数ヵ月~半年ぐらいはコンテンツを追加しつづけても、アクセス数が期待していたように増えないことが多いかと思います。
総ページ数が少ない初期段階は、コンテンツSEOではいわば我慢の時期なので、アクセス数が伸びなくても諦めずにコツコツとコンテンツを積み重ねる根気が必要です。
また、社内の関係者や上司にも、コンテンツSEOはすぐに結果が出るものではないことをあらかじめ理解してもらいましょう。
その際は、他の広告費とちがってコンテンツSEOは貯金や投資のようなもので、一度払えば効果がなくなるのではなく、長期的に集客できるという利点を併せて伝えるとよいでしょう。
※SEO対策におけるページ数(コンテンツ数)の重要性については、以下のページで詳しく解説しています。
コンテンツの作成に労力と時間がかかる
検索結果のランキング上位を獲得できるほどの良質なコンテンツは、作成するのに手間と時間がかかります。
CMSを使えば、ページ追加自体は簡単にできるのですが、コンテンツの立案や原稿の執筆が大変なのです。
ただ、SEO対策も本質的にはお客様とのコミュニケーションですから、真剣に取り組む必要があり労力がかかるのは当然のことだともいえます。
接客や営業活動に手が抜けないのと一緒です。
ただし、接客や営業活動ではお客様ごとに毎回人力で対応する必要がありますが、一度作成したコンテンツは24時間・365日、一瞬も休むことなくインターネット上で提案や説明を続けてくれます。
充実したコンテンツを作成すれば、営業担当者や販売員の業務負担を軽減できることを考慮すると、労力と時間を投入する価値は十分あります。
ぜひ営業社員や販売員のトークを参考にしながら、お客様の心に響くコンテンツを作成しましょう。
コンテンツSEOを外注すると費用がかかる
コンテンツSEOを外注すると月20万円以上かかることが多く、一流のマーケティング会社だと初期費用500万円と月額200万円にもなる
社内でのコンテンツ作成に自信がないときは、コンテンツ作成を外注するのも選択肢のひとつです。
しかし、すでにご説明しましたがコンテンツSEOは手間や知識・経験が要求されるので、ブラックハットSEOと比べると高額です。
コンテンツSEOを標榜しているSEO業者の多くが、月20万円前後の費用でコンテンツプランニングや作成を請け負っているようです。
一流のコンテンツマーケティング会社に依頼すると、初期費用500万円と月額200万円のコストが発生することもあります。
※こちらは『Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書』(株式会社日本SPセンター著)で一例として挙げられている数字です。
この本はコンテンツSEOのみならず、コンテンツマーケティング全般を理解するのにとても有用な本なので、気になった方はぜひお手に取ってみてください。
ただし、内容は初心者向けというよりは中級者向けです。
コンテンツSEOの精度・クオリティを上げようとすると、どうしても高度な知識やノウハウを備えた人材を投入する必要があるので、月額200万円は決して高い金額とは言い切れないのですが、支払うのが難しいと思われる中小企業も少なくないでしょう。
さらに、コンテンツSEOを外注したときも、SEO業者に積極的に情報を伝える努力が必要
また、コンテンツSEOはその性質上、外注するとしてもSEO業者に完全に丸投げするわけにもいきません。
外注したときも、クライアント側から積極的に情報を提供して、SEO業者からの質問にも丁寧に答えていく必要があります。
優れたコンテンツSEO業者はほぼ例外なく、事前のヒアリングや資料の提供を熱心に求めてきます。
たとえコンテンツのプランニングやライティング、SEO設定をすべて外注したとしても、一定の労力や時間を費やさなければならないのです。
多少のデメリットはあるが、長期的に会社を成長させたいならコンテンツSEOに一刻も早く取り組むべき
以上のような避けがたいデメリットがコンテンツSEOには存在します。
しかし、集客効果が永続的に持続する点やコンテンツを作るほど集客力がアップして蓄積される点は、他の広告媒体にはないコンテンツSEOの唯一無二の長所です。
これから長期的に売上げをアップさせて成長することを目指している企業は、コンテンツSEOのデメリットを自覚しつつ、早急に取り組みを始めるべきでしょう。
コンテンツSEOの手順・やり方を解説! |
コンテンツSEOの主な作業は、検索ユーザーの要望・お悩み・疑問に対して、ページという受け皿を用意すること
コンテンツSEOの作業の基本は、ひたすら良質なページを追加していくだけ
コンテンツSEOを始めるといっても、やるべきことは至って単純です。
コンテンツSEOの作業の大半は、新しいページを継続的に追加していくだけです。
検索ユーザーの入り口となるページが増えなければ、アクセス数が伸び悩むのは至極当然です。
まずは何よりもページの追加(コンテンツの追加)を優先しましょう「こんなランチを食べた」などの自社の事業に関係ないページをいくら増やしても、SEO対策面では効果が薄い
とはいっても、どんな内容のページでも追加さえしていけば、アクセス数やお問い合わせが増えるというわけではありません。
たとえば、「今日のお昼はこんなランチを食べました!」といったような、自社の事業とまったく関係ないページをいくら増やしても、売上げにつながるアクセスはほとんど増えないでしょう。
このような近況報告的なブログは、リピーター対策やFacebookやTwitterなどのSNSへの投稿のネタとしては有用ですが、ことSEO対策の観点からすると効果が薄いのです。
SEO対策の基本はQ&Aであり、自社のお客様の要望・お悩み・疑問を解消できる答えを用意するのが重要
それでは、どんなページを追加すればYahoo!やGoogleから集客できるのでしょうか?
それは、自社のお客様となるターゲット層の要望・お悩み・疑問を解消できるページです。
検索ユーザーは自らの要望・お悩み・疑問をキーワードに変換して、Yahoo!やGoogleの検索欄に入力します。
すると、それらの検索エンジンはその回答となるようなページをまとめて、検索結果を作成して提示します。
つまり、検索キーワードは質問であり、検索結果はそれに対する答えです。
お客様の要望・お悩み・疑問を洗い出し、それに対する回答となるページを整備していけば、自然とアクセス数と売上げをアップできる
よって、検索ユーザーが抱えている要望・お悩み・疑問を100%解決できる回答をページ化して公開すれば、検索エンジンのほうから勝手にピックアップしてくれるので、自然に検索ランキングの上位を獲得できるのです。
なので、コンテンツSEOを始める際には自社のお客様が「何をしたいと思っているのか?」「どんなお悩みを抱えているのか?」「何を知りたいのか?」を徹底的に洗い出してください。
それが完了したら、個々の質問に対する回答となるページをひとつずつ作っていきましょう。
良質な回答の宝庫になっているホームページは、確実にアクセス数をアップでき、検索エンジンのアルゴリズムが変更されたとしても致命的なダメージを受けることはありません。
コンテンツSEOの本質とは、検索ユーザーの課題を解決するソリューションコンテンツを追加しつづけることです。
それでは、コンテンツSEOの具体的な手順について以下から解説していきます。
コンテンツSEOの作業フロー図
1.自社の商品・サービスの分析
すべてのコンテンツの出発点は、自社の商品・サービスです。
まずは自社の商品・サービスを箇条書きでリストアップしましょう。
その際は、できるだけ細分化をおこなってください。
たとえば工務店で「お風呂のリフォーム」のサービスがあるとしても、ナチュラルな空間でリラックスできるヒノキ風呂へのリフォームと、高齢者が浴室内で転倒しないように改善するバリアフリーリフォームでは、ターゲット層が大きく異なります。
ターゲット層が異なれば、求めている情報や検索キーワードも変化するので、それぞれ別のページを受け皿として用意したほうが効果的です。
こんなときは「ヒノキ風呂へのリフォーム」「バリアフリーリフォーム」の二つに分けてください。
このように箇条書きした商品・サービスのひとつひとつが、コンテンツSEOの出発点になります。
2.その商品・サービスを求める人々は、どんな要望・お悩み・疑問を抱えているのかを考察する
その商品・サービスを求めている人を綿密に想定していく
商品・サービスの洗い出しが完了したら、そのなかのひとつをピックアップしてみましょう。
そして、その商品・サービスが必要な人はどんな要望を持っているのか?
どんなお困りごとを抱えているのかを、突き詰めて考えてください。
たとえば、お風呂のバリアフリーリフォームだと、ターゲット層は以下のようなご要望・お悩み・疑問を持っていると想定できます。
【ニーズを自覚していない段階】
- 両親が高齢になってきて、入浴時に事故が起きないか心配…
- 高齢者の入浴では、何が危険なんだろう?
- 最近、テレビの健康番組でも耳にする「ヒートショック」って何?
【ニーズを自覚した段階】
- お風呂のバリアフリーリフォームには、どんな工事があるの?
- 予算はどれぐらいかかる?
- バリアフリーのリフォームには助成金が下りるって本当?
以上のように、お客様が気にしているポイントをリストアップしてください。
あるいは、接客担当や営業担当の社員にヒアリングして、お客様から実際によく受ける質問を教えてもらうのも、極めて効果的です。
3.これから作成するコンテンツを選択する
ひとつのトピックで十分な内容(文字数1000字~2000字以上)にできそうなものは単独でページ化し、内容が薄くなりそうなトピックは関連するトピックを複数とまとめて、ひとつのページにしていきましょう。
そして、トピックの一覧を眺めながら、これから作成するコンテンツをひとつ選択してください。
各コンテンツの優先度については、以下の3つのポイントの重要性の合計値が高いものから選んでいくのが効果的です。
- お客様のニーズが高いと想定されるコンテンツ
- 社内での公開優先度が高いコンテンツ(新商品のページなど)
- 月間検索回数が多く、SEOでの集客力が高いと想定されるコンテンツ
作成するコンテンツが決定したら、これから実際に中身を作り出す作業に移行します。
4.ライバルサイトのページのチェックと熟読
作成するコンテンツのキーワードで実際に検索し、上位を獲得しているライバルサイトを分析する
コンテンツを作成するときは必ず、同じような内容を掲載しているライバルサイトをチェックしてください。
たとえば「ヒートショックとは? 冬の入浴時の危険性と予防方法を解説」というページを作るときは、Yahoo!やGoogleで実際に「ヒートショックとは」で検索して、上位を獲得しているページをチェックします。
ライバルサイトのページで、特に注目すべき点は以下のとおりです。
【ライバルサイトのチェックポイント】
- どんな内容が書かれているか?
- そのページで説明が上手いと思った箇所はどこか?
- 写真や図をどのように活用しているか?
- どんなtitleタグやmeta descriptionタグを設定しているか?
特に良いと思ったライバルサイトは、紙に印刷して熟読しよう
そして、わかりやすくて内容もよいと感じたライバルサイトは、必ず紙に印刷して保管しておきましょう。
コンテンツの原稿を執筆する際、優秀なライバルサイトは恰好の参考書になります。
「コンテンツの文章が書けない…」と悩んでいる方の多くは、このライバルサイトの分析と読み込みが不足しています。
いきなり2000字の文章を書くのは確かに難しいかもしれません。しかし、あらかじめ合計5000字以上のライバルサイトのページを読んでおけば、「どのようにページを構成すればいいのか」「どんな文章表現をすべきか」が自然に把握できます。
合計1万字以上のライバルサイトを読んでおけば、さらに原稿執筆ははかどるようになるでしょう。
良質なライバルサイトを大量に読み込むほど、あとの原稿執筆がはかどるようになり、最終的に時間節約とクオリティアップにつながる
1万字と聞くといかにも大変そうですが、2000字程度のライバルサイトを5ページ分読むだけでしかありません。
このライバルサイトを読み込む時間は、自動車にガソリンを給油している時間のようなものです。
ライバルサイトの読み込みを丹念におこなって、燃料タンクを満タンにしておけば、あとで快調に原稿が書けるようになり、クオリティも段違いに良くなります。
逆に、ライバルサイトの読み込みを省いて、とりあえずコンテンツを作り始めたとしても、書く内容に行き詰り、早々にガス欠するのは目に見えています。
コンテンツがなかなか作れないとお嘆きの方は、ぜひ一度同業他社のページを印刷して、じっくりと読み込んでみてください。
5.対策するSEOキーワードを選定する
そのコンテンツ(要望・お悩み・疑問に対する答え)を求めている人は、どんなキーワードで検索するかを想定する
以上の工程まで完了したら、どんな内容のコンテンツをこれから作ればいいのかの青写真ができているはずです。
次に、そのコンテンツを求めている人は、どんなキーワードで検索するのかを想像して、ターゲットとするSEOキーワードを選定します。
※SEOキーワードの選定方法は以下のページで詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。
Yahoo!やGoogleのサジェストキーワードを知ることで、複合キーワードの選定に役立つ
ここで重要なのは、そのターゲットキーワードで本当に集客できるのかどうかを、必ずSEOツールでチェックすることです。
一例を挙げれば、「goodkeyword」というSEOツールでは、Yahoo!やGoogleのサジェストキーワードを一覧で収集できます。
サジェストキーワードとは、検索結果で「●●に関連する検索キーワード」などという名目で表示される関連キーワード群のことです。
検索エンジンは実際によく検索されているキーワードをサジェストで表示しているので、そちらまでカバーしたSEO設定をすることで、幅広いキーワードで集客できます。
とりわけ、複数の単語を組み合わせた複合キーワードを考える際は、このgoodkeywordが役に立つでしょう。
ターゲットキーワードがどれだけ多く検索されているかもチェックする
また、想定キーワードが実際にどれだけの回数、検索されているのかも必ずチェックしてください。
努力が実ってランキング上位を獲得できたとしても、一ヶ月に10回も検索されていないキーワードでは、ほとんどアクセス数を稼ぐことができません。
SEOツールを駆使して、ターゲットキーワード候補の検索回数を測定し、最も多く検索されているキーワードを採用しましょう。
SEOツールで月間検索回数をチェックして、最も集客できるSEOキーワードを選択しよう
検索ボリューム(実際に検索されている回数)の調査では、Googleアドワーズのキーワードプランナーを使うのが王道です。
しかし、キーワードプランナーの利用にはGoogle広告のアカウントが必須なうえに、リスティング広告を運用していないと数字が概算で表示されてしまう欠点があります。
ログイン不要で気軽に使える、検索ボリューム調査ツールには「aramakijake.jp」というツールがあります。
「初心者なので、まずは簡単に調査したい」という方はこちらから始めてもよいでしょう。
aramakijake.jpの利用画面
6.コンテンツの原稿の執筆
文字数が1000字~2000字を超えるときは、Wordやメモ帳に下書きしよう
SEOキーワードの選定まで完了したら、いよいよ原稿執筆に移ります。
文字数が1000字~2000字を超えるときは、いきなりホームページ作成ソフトやCMS上で直接文章を作成するのではなく、まずはMicrosoft Wordやメモ帳などに下書きをしましょう。
どんなに優れたホームページ作成ソフトやCMSでも、文章作成専用ソフトには利便性やスピードの面で遠く及ばないからです。
まずはMicrosoft Wordなどで原稿の執筆や推敲をおこない、書き上げたら文章をホームページ作成ソフトにコピー&ペーストしたほうが効率的です。
※なお、有益な情報が豊富で文字数が多いページほど、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンで上位を獲りやすい傾向にあります。
SEO対策と文字数の関係については、以下のページでさらに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
コンテンツの原稿は、お客様に実際に回答している場面を想像しながら書こう
「会社の顔として恥ずかしくない、立派な文章を書くぞ!」などと気負った状態では、タイピングも鈍りがちになり、途中で挫折する可能性が高くなります。
SEOコンテンツの原稿は、訪問者に語りかけるような気持ちで執筆しましょう。
より具体的にいえば、自分がお客様から質問されて、それに回答するときをイメージしながら原稿を書いてください。
対面やお電話でのお客様対応では、時間の制約から100%の情報を盛り込んだ最良の回答をできないことのほうが多いです。
さらに、即興での対応が求められますから、自分でも満足できない回答になってしまうこともよくあるでしょう。
Webコンテンツの作成ではその心配はありません。
自分ができるかぎり最良の回答をじっくりと時間をかけて練り上げ、原稿を作り上げてください。
コンテンツ作成ではページの三部構成を意識しよう!
小説や新書などの書籍は、基本的に表紙から順番に読まれます。
しかし、企業ホームページはトップページから最初に読まれるとはかぎりません。
Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンを経由して、下層ページへダイレクトにアクセスされる可能性があるからです。
特にコンテンツSEOでは、下層ページからの集客に重点を置いています。
したがって、コンテンツSEOを進めるときは、いきなりそこから読まれても訪問者が問題なく内容を理解できるようにページを構成すべきです。
そこで有効なのが、ページをファーストビュー・本文・クローズ文&CTAの三部で構成する方法です。
ファーストビュー、本文、クローズ文&CTAとは何か? それぞれの意味を解説
ファーストビュー(FirstView)・・・そのページを開いたときにパソコンやスマートフォンの画面で最初に表示される範囲のことです。キャッチコピーや、ページの内容を要約して簡単に紹介するリード文、キャッチ画像などで構成されます。
本文・・・ファーストビューの次に続く、コンテンツの中核部分です。ページの内容の大半をここで説明することになります。
クローズ文&CTA・・・クローズ文ではWebページの内容を締めくくり、訪問者に次のアクションを促します。
CTAはCall To Action(コール トゥ アクション)の略で、「お問い合わせ」や「資料請求」、「注文」などのアクションを起こすためのバナーボタンを指します。
また、関連ページへ誘導するバナーボタンや、Facebookの「いいね!」やTwitterのツイートボタンなどのSNSボタンもCTAの一種です。
いきなりそのページを開いた人でも瞬時に内容が理解できて興味を惹かれるファーストビューを設置して本文につなげ、最後はクローズ文とCTAでアクションを誘導する。
このWebページの基本構成は商品・サービスの紹介ページだけでなく、知識・教育系コンテンツ、ランディングページ(LP)など、あらゆるページで応用可能です。
ぜひこの基本構成をおさえてから、コンテンツの原稿を作成しましょう。
※Webページの三部構成や、ランディングページ(LP)が何かについては、以下のページで解説していますので、こちらもご覧ください。
7.コンテンツのページ化
原稿を書き上げた時点で、コンテンツ作成作業の80%が完了したも同然
原稿を作成し終えたら、コンテンツ作成の全行程の80%が完了したと考えてよいでしょう。
あとは画像の掲載と内部リンク、SEO設定の整備をおこないながら、原稿をホームページ作成ソフトやCMSにコピー&ペーストすれば、ページ化が完了します。
文章の合間には画像を適宜挿入しよう
原稿をページ化するときは、ところどころ画像を挟み込んでいくようにしましょう。
文字数が数千字のページで画像が1枚もないと、訪問者が読み進めるのがつらくなってしまい、離脱率が上昇してしまいます。
大きな段落・ブロックには、必ず1枚は画像を設置するなどの工夫をすることで、訪問者の意識をページ上につなぎとめ、最後まで読まれる確率をアップできます。
さらに、画像のaltタグ(代替テキスト)にターゲットキーワードや、関連するサブキーワードを自然に含めるようにすれば、SEO効果が発揮されて、より検索上位を獲得しやすくなります。
ページ内にはバナーボタンや文字リンクなどの内部リンクをこまめに配置しよう
さらに、ページ作成を進めるときは、他の関連ページへの文字リンクやバナーボタンをこまめに配置するようにしましょう。
※内部リンクについて詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
具体例を挙げて説明します。
「お風呂のバリアフリーリフォーム」のサービス紹介ページを作成しているときに、「ヒートショック」という言葉が出てきたら、「ヒートショックの危険性については、以下のページで詳しく解説していますので、こちらもご覧ください」との誘導文を記載したあとに、ヒートショックの解説ページへのバナーボタンを設置するのです。
これには二つのメリットがあります。
訪問者がさまざまなページにアクセスしやすくなり、ストレスなく移動できる
一番大きなメリットが訪問者の利便性の向上です。
関連する内容への入り口がページ内に整備されていれば、訪問者はストレスなくページ間の移動がおこなえます。
これにより、閲覧ページ数・滞在時間が増加し、直帰率は低下するので、訪問者にじっくりとホームページ内を回遊してもらえるようになります。
コンバージョンの獲得数も増加するでしょう。
内部リンクを貼った先のページの検索順位が向上する
もうひとつの大きなメリットがSEO効果です。
関連ページへの内部リンクを整備すれば、そのリンク先のページの検索順位が向上します。
検索エンジンは内部リンクが張りめぐらされ、クローラーが回遊しやすいホームページを高く評価するからです。
また、検索エンジンは多くのページから内部リンクを貼られているページを重視する傾向もあります。
ページ追加と同時に、バナーボタンなどで内部リンクを整備すれば、他のページの検索順位を上げるチャンスも生まれるのです。
ただし、内容が薄いページからいくら内部リンクを貼ったとしても、その先のページの検索順位上昇は起こりません。
他のページの検索順位を上げる可能性があるのは、しっかりと内容が書かれているページのみであることを忘れないでください。
titleタグやmeta descriptionタグなどのSEOの重要項目を設定する
最後にtitleタグやmeta descriptionタグなどのSEO設定の重要項目を最適化しましょう。
特にtitleタグの最適化は非常に重要です。
弊社のお客様のなかにも、ページの中身は一切編集していないのに、titleタグを最適化しただけで、検索順位が圏外からみるみる上昇していき、1位を獲得できた例があります。
※ページ自体のクオリティがもともと高いお客様でした。
titleタグには、必ずターゲットキーワードを含めたうえで、30文字程度でクリックを呼びこみやすい文章を設定してください。
※検索上位を獲れてクリックもされやすいtitleタグやmeta descriptionタグの作り方は、以下のページで解説しています。
8.公開が完了したら、次のコンテンツ作成に取りかかる
内部リンク整備やSEO設定が完了したら、いよいよ公開です。
この時点でコンテンツSEOの1サイクルが完了します。
あとは「3.作成するコンテンツを選択する」の工程に戻って、次に作成するコンテンツを選びます。
この作業をストックしてあるトピックが尽きるまで繰り返します。
もし、すべてのトピックをコンテンツ化し終えたら、ライバルサイトを参考にしながら次に作るべきコンテンツの種を収集しましょう。
以上がコンテンツSEOの作業手順となります。
自社で更新・ページ追加ができない環境は、コンテンツSEOとの相性が最悪 |
利用しているホームページサービスが古いなどの理由で更新作業が大変な場合は、コンテンツSEOの実施が困難になる
簡単に操作できるCMSを利用すれば、原稿が完成すればコンテンツ制作作業の80%が終了したようなものです。
しかし、古いホームページ作成ソフトを利用している場合やHTMLを用いた編集作業が強いられるときは、ページ化の作業にも多大な労力と時間が発生します。
「画像のサイズを全部そろえるのに、30分もかかってしまった…」などの事態は日常茶飯事です。
スムーズに更新・追加作業ができない環境下ではコンテンツの生産力が落ちるので、集客力も弱まり、長期的にみると莫大な機会損失が発生します。
更新のたびに制作会社に依頼する必要があるのは、コンテンツSEOにとって最悪の環境
しかし、更新作業に手間がかかるのはまだよいケースといっても差し支えないでしょう。
現在契約しているホームページ制作会社によっては、いちいち更新作業を依頼しなければページ追加ができないこともあります。
これはコンテンツSEOにとって最悪の環境です。
まず、制作会社にメール等でコンテンツの原稿や写真素材を送付しなければならないので、余計な手間が発生します。
さらに、原稿や写真素材を受け取ってから制作会社が作業する期間が挟まるので、数日~1週間程度、公開を待たなければなりません。
ページが完成しても修正点があったときは、さらなる制作会社とのやり取りが発生します。
作業料金が発生するので、コンテンツSEOのコストパフォーマンスが損なわれる
最も致命的なのが、制作会社にページ追加作業を依頼すると1ページにつき3万円~10万円程度の作業料金がかかることです。
※コンテンツ立案や原稿の執筆は除いた金額です。
コンテンツSEOではページを継続的に追加していきますので、時間が経つにつれ費用が膨大になっていきます。
つまり、長期的にみるとコストパフォーマンスが非常に優れているというコンテンツSEOの最大のメリットが損なわれてしまうのです。
これは非常に大きなデメリットです。
コンテンツの立案や原稿の執筆などの、最も重要で手間がかかる部分まで担当してくれるコンテンツSEO業者に外注するのはよいですが、ただのページ化・更新作業なのに費用が発生してしまう環境からは早急に脱却するべきです。
※ホームページの更新の重要性は以下のページでも詳しく解説しています。
3年後・10年後には集客力に圧倒的な差が生まれるので、コンテンツSEOは今すぐ始めるべき
ここまで、コンテンツSEOの意味とメリット・デメリット、具体的な作業手順について解説してきました。
コンテンツSEOの実行には労力や時間がかかりますが、無料で始められるうえに長期的に集客効果を発揮できるのは大きな魅力です。
みなさんが今、コンテンツSEOを始めるか、それとも面倒だからと諦めるかによって、3年後・10年後の会社の集客力・売上げが大きく変化するでしょう。
将来の集客基盤を整えるためにも、ぜひ今からコンテンツSEOに取り組んでみてください。
※実際のコンテンツの作り方については、以下のページで解説していますので、こちらもぜひご覧ください。