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メタバースのビジネス活用のメリットと方法・事例を初心者向けに解説

更新日:2024.07.04
メタバースのビジネス活用のメリットと方法・事例を初心者向けに解説
  • 「メタバースという言葉を最近聞く機会が増えたが、本当にビジネスでも活用できるの?」
  • 「自社の事業でどのようにメタバースを利用すればいいのか、わからない…」

以上のような疑問・お悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

今回はそんな方のために、メタバースをビジネス分野で利用するメリットと具体的な方法・事例を、初心者向けに紹介します。

「メタバースを使って、売上アップやマーケティング強化、採用活動を効率化したい」という方はぜひご覧ください。

目次

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  1. メタバースとは?
  2. メタバースが昨今ビジネス界で注目されている背景
  3. 背景1.VR(バーチャル・リアリティ、仮想現実)技術の発展と普及
  4. 背景2.メタバースの市場規模は、今後飛躍的に拡大していくと予測されている
  5. 背景3.各プラットフォーマーや大企業のメタバース参入と莫大な投資
  6. 背景4.新型コロナウイルスの感染拡大で、リアルでの企業活動が大きく阻害された
  7. メタバースをビジネスで活用するメリット
  8. メリット1.より効果的な採用活動・求人を実施できる
  9. メリット2.新たな販促活動やマーケティングに利用できる
  10. メリット3.現実の会場を用意・維持するコストや手間が不要になる
  11. メリット4.現実世界で格差やハンディキャップを抱えた方も活躍しやすくなる
  12. メリット5.ブランディングと、他社との差別化につながる
  13. メタバースをビジネス活用する方法
  14. 活用方法1.イベント・交流会
  15. 活用方法2.ショールームの設置
  16. 活用方法3.住宅展示場・モデルハウス
  17. 活用方法4.バーチャルオフィス・バーチャル会議室
  18. 活用方法5.教育・トレーニング
  19. 活用方法6.バーチャルストア・バーチャルマーケット
  20. 活用方法7.ゲームでの活用や、ゲーム空間内での広告・販売
  21. 中小企業でも手軽にメタバースをビジネス利用できるソリューション・おりこうブログCX
  22. あわせて読みたい記事

メタバースとは?

メタバースとは?
メタバースとは、インターネット上に構築された3次元の仮想空間のことです。

超越を意味するmetaとuniverse(世界)を組み合わせた造語で、ニール・スティーブンスンのSF小説『スノウクラッシュ』に登場する仮想空間の名前が由来になっています。

メタバース上では自分の分身であるアバターを操作することで、空間内の移動や他のユーザーとの会話、共同作業などが可能です。

参考ページ:アバターとは? 意味とゲーム・メタバースでの活用方法を簡単に解説

現在はメタバースと言えば、「Fortnite(フォートナイト)」などのゲーム分野や、VRChatなどのエンターテインメント分野が注目されがちですが、ビジネスの分野でもメタバースの活用が少しずつ広がっています。


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メタバースが昨今ビジネス界で注目されている背景

近年はメタバースという言葉を目にする機会が急激に増えましたが、なぜビジネス界でもメタバースが注目されはじめたのでしょうか?

その背景は大きく分けて以下の4つです。

  1. VR(バーチャル・リアリティ、仮想現実)技術の発展と普及
  2. メタバースの市場規模は、今後飛躍的に拡大していくと予測されている
  3. 各プラットフォーマーや大企業のメタバース参入と莫大な投資
  4. 新型コロナウイルスの感染拡大でリアルでの企業活動が大きく阻害された

それぞれ具体的に解説していきます。

背景1.VR(バーチャル・リアリティ、仮想現実)技術の発展と普及

VR(バーチャル・リアリティ、仮想現実)技術の発展と普及
メタバースが昨今注目されている背景のひとつに、VR技術が近年になって急激に発展し、一般層にも普及しはじめていることが挙げられます。

VRとはVirtual Reality(バーチャル・リアリティ)の略で、ヘッドマウントディスプレイ(VRゴーグル)などのデバイスを身に付けることで、仮想空間を現実のように疑似体験できる技術のことです。日本語ではVRは「仮想現実」とも呼ばれます。


VRの技術自体は1960年代時点ですでにその萌芽が存在しましたが、当時はコンピューターの性能が低かったうえに、ヘッドマウントディスプレイやVRゴーグルが極めて高価で重量も大きかったため、一部の大企業や研究機関以外では使われない時代が長く続きました。

しかし2010年代以降にスマートフォンの普及で、半導体・ディスプレイ・バッテリーなどの性能向上・軽量化が急速に進んだ結果、ヘッドマウントディスプレイやVRゴーグルの開発も大きく進展しました。

現在ではMeta Quest 2(メタクエスト・ツー)のように、数万円程度で購入できて重量もそこまで大きくないヘッドマウントディスプレイやVRゴーグルが発売されており、一般層にも普及しつつあります。

3次元の仮想空間であるメタバースの真価をもっとも引き出すにはVRが最適ですので、VR技術の発展と普及に併せてメタバースも注目されているわけです。

背景2.メタバースの市場規模は、今後飛躍的に拡大していくと予測されている

「将来のインターネットの中核を担うメタバースの市場規模は、今後飛躍的に拡大していく」と多くの研究機関や組織が予測しています。

三菱総合研究所は「メタバースの国内市場規模は2025年には4兆円程度、2030年には24兆円規模の国内市場が期待される」と発表しました。

参考ページ:メタバースの国内市場は2030年に約24兆円規模へ、三菱総研が調査(日経クロステック)

また、総務省は「メタバースの世界市場は2030年には78兆8,705億円まで拡大する」との資料を紹介しています。
図表3-6-10-1 世界のメタバース市場規模(売上高)の推移及び予測

メタバースの市場規模は将来的に現在とは比べものにならない規模にまで発展すると予想されているため、数多くの企業がメタバース分野への進出を表明しているのです。

背景3.各プラットフォーマーや大企業のメタバース参入と莫大な投資

Meta社(旧Facebook社)は、メタバース関連技術の研究開発に毎年1.1兆円もの巨額を投資

近年になって世界的なプラットフォーマーや大企業が、こぞってメタバースへの参入を宣言したのも、ビジネス界の耳目を集めた一因です。

その代表例がMeta社(旧Facebook社)です。

Facebook社(当時)は、ヘッドマウントディスプレイを開発・販売していたスタートアップ企業・Oculus(オキュラス)を2014年に20億ドルで買収し、2021年にはFacebook社は社名を「Meta」に変更して、メタバース事業の推進をさらに加速させました。

現在はメタバース関連技術の研究に、毎年100億ドル(約1.1兆円)もの巨額を投資しています。

参考書籍:『メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略』(西田宗千佳)

Microsoftもビジネス向けメタバースをリリースし、大手ゲームパブリッシャーを約7兆8000億円かけて買収

また、Microsoftも自社のコミュニケーションツール「Teams」をメタバースに拡張するサービス、「Mesh for Microsoft Teams」をリリースしました。
それだけでなく、Microsoftはゲームパブリッシャー大手のActivision Blizzard(アクティビジョン・ブリザード)を、687億ドル(約7兆8000億円)もの巨費をかけて買収する計画も発表しました。

Activision Blizzardは「Call of Duty(コール・オブ・デューティ)」や「Overwatch(オーバーウォッチ)」などの人気ゲームで知られるパブリッシャーですが、この買収計画は単にゲーム分野での成長のみを目的としたものではなく、メタバース分野に進出するための布石であると考えられています。

ゲームに使われている3DCGなどの技術は、メタバースとも親和性が高く応用しやすいからです。

参考ページ:マイクロソフトが米大手ゲーム会社を7.8兆円で買収、背後には「メタバース」も?(Mogura VR News)

ソニーもPlayStation VR2をリリースし、「メタバースが今後の成長の中核となる」と発表

さらに、ソニーも今後は「メタバースが成長の中核となる」との経営方針を発表。

メタバースを「ソーシャルの空間であるとともに、ゲーム、IP、音楽が交差するライブネットワーク空間だ」と位置づけ、「仮想空間に入り込むためのキーデバイス」としてPlayStation 5向けの次世代VRシステム「PlayStation VR2」をリリースしました。

参考ページ:ソニーはメタバースとモビリティで成長する。新経営方針(Impress Watch)

このように世界的な大企業が、次々にメタバースへの参入と巨額の投資を始めたことからも、メタバースへの注目が集まっています。

背景4.新型コロナウイルスの感染拡大で、リアルでの企業活動が大きく阻害された

新型コロナウイルスの感染拡大でリアルでの企業活動が大きく阻害された
さらに、2020年以降の新型コロナウイルスの感染拡大も、思わぬ形でメタバースへの注目に拍車をかけました。

コロナ禍以降は、複数人が集まって参加する形式のイベントの開催が難しくなりました。

BtoCではライブや舞台・講演会などの開催が次々に自粛されたほか、地元の工務店が小規模におこなっていた完成見学会なども開催できないケースが続出したのです。

BtoBでも、商談やリードの獲得を展示会やイベントなどでの名刺交換に依存していた企業は少なかったため、大打撃を受けました。

またテレワークの浸透により、訪問営業の有効性が大きく低下した点も決して無視できません。

以上のように、コロナ禍でリアルでの販売活動・営業活動の実施が難しくなった結果、バーチャル空間上で人を集めるメタバースがにわかに脚光を浴びはじめたのです。

メタバースをビジネスで活用するメリット

ビジネス分野でメタバースを活用すると、以下のようなメリットを得られます。

  1. より効果的な採用活動・求人を実施できる
  2. 新たな販促活動やマーケティングに利用できる
  3. 現実の会場を用意・維持するコストや手間が不要になる
  4. 現実世界で格差やハンディキャップを抱えた方も活躍しやすくなる
  5. ブランディングと、他社との差別化につながる

それぞれ具体的に説明していきます。

メリット1.より効果的な採用活動・求人を実施できる

より効果的な採用活動・求人を実施できる
メタバース上で採用イベントや会社説明会を開催すれば、より効果的な採用活動が可能になります。

リアルでの採用イベントや会社説明会では、遠隔地に住む求職者が参加しづらいデメリットがあります。

飛行機や新幹線を使って採用イベントや会社説明会を受けに行く場合、多額の交通費が発生しますし移動時間も長くなるからです。

しかし、メタバース上で採用イベントや会社説明会を実施すれば、遠隔地に住む求職者も気兼ねなく参加できるようになります。

より広い範囲から求職者を集められますので、求職者数を確保しやすくなるでしょう。

また、ZoomなどのWeb会議システムを利用した会社説明会や、リアルでの採用イベントは、社員の話を求職者が一方的に聴く受け身のイベントになりがちです。

ですが、メタバース上の採用イベントであれば、社員も求職者も全員、見た目がアバターになりますので、求職者が気後れせずに主体的に参加して会話できます。

メリット2.新たな販促活動やマーケティングに利用できる

メタバースを活用すれば、今までになかった販売活動やマーケティングが可能になります。

詳しくは後述しますが、メタバース上でのイベントや交流会、展示会などを開催して見込み客を創出できます。

また、バーチャルストアやバーチャルマーケットを利用して、直接メタバース上で売り上げを獲得することもできます。

業種によっては、メタバース内でアバターやアイテムを販売すれば、新たな販路を拡大できるでしょう。

現在、インターネットを抜きにした販売活動やマーケティングが考えられなくなっているように、今後メタバースは企業の販売活動やマーケティングの一翼を担う存在になる可能性があります。

メリット3.現実の会場を用意・維持するコストや手間が不要になる

現実の会場を用意・維持するコストや手間が不要になる
リアルで採用イベントや会社説明会、販促用のイベントや展示会を開催する場合、会場となる場所・スペースを用意する必要があります。

貸し会議室を借りたりイベント会場に出店したりする場合は、金銭的コストが発生します。

自社内の場所・スペースをイベント会場にする場合、追加費用はかかりませんが、そのスペースを維持するための賃料や、掃除などの維持・メンテナンスコストが必要です。

また、イベントなどを実施しない会社の場合でも、オフィス・事務所の賃料や光熱費・各種備品などの購入に多大な金額を支払っている点は変わりありません。

メタバース上でイベントを開催すれば、会場にかかるコストは不要になりますし、掃除や設営などの手間も削減されます。

さらに、後述するバーチャルオフィスを活用してテレワーク中心の勤務体制にシフトすれば、オフィス・事務所を縮小して毎月の賃料や光熱費などを大幅に削減できるでしょう。

メリット4.現実世界で格差やハンディキャップを抱えた方も活躍しやすくなる

現実世界で格差やハンディキャップを抱えた方も活躍しやすくなる
障害を抱えた方や病気療養中の方、高齢の方など職場に出社して働くことが難しい方も、メタバース上であれば接客などの仕事をできるので、通常の従業員と同等かそれ以上に力を発揮できるようになります。

実際、すでにNTTなどの企業が、メタバース上での障害者向け就労支援を開始しています。

参考ページ:NTT、VR空間でアバター接客 障害者向け就労支援(日本経済新聞)

現在は障害者雇用促進法によって、一定数以上の従業員がいる企業は、法定雇用率以上の障害者を雇用するよう義務付けられていますので、メタバースの活用は障害者と企業の双方にとって大きなメリットを生みます。

さらに、育児や介護などで出社しづらい従業員もメタバースを活用すれば、格段に働きやすくなるでしょう。

出産・育児や介護を理由とした離職を抑止できるので、経験豊富な従業員に長く働いてもらえるようになります。

メリット5.ブランディングと、他社との差別化につながる

メタバースのような先進的な取り組みを実施している企業・団体は、まだごく少数なのが現状です。

そのため早期の段階で積極的にメタバースを活用することで、企業・団体のブランドイメージを高め、他社との差別化を実現できます。

なお、弊社ディーエスブランドでは大企業だけでなく、中小企業・団体でも手軽に使えるメタバースソリューション・おりこうブログCXを提供しております。ご興味のある方はぜひ以下より資料をご覧ください。

メタバースをビジネス活用する方法

メタバースのビジネス活用には、大別して以下のような方法があります。

  1. イベント・交流会
  2. ショールームの設置
  3. 住宅展示場・モデルハウス
  4. バーチャルオフィス・バーチャル会議室
  5. 教育・トレーニング
  6. バーチャルストア・バーチャルマーケット
  7. ゲームでの活用や、ゲーム空間内での広告・販売

それぞれ詳しく解説していきます。

活用方法1.イベント・交流会

BtoC(一般消費者向けビジネス)とBtoB(法人向けビジネス)を問わず、もっとも多くの企業や団体で活用できるメタバースの活用法が、イベント・交流会などの開催です。

  • 採用活動での会社説明会やイベント
  • ユーザー参加型の交流会
  • 難病を抱えた患者同士や、同じ悩みを持った人々の交流会
  • 商品・サービスの展示会…など

たとえば、日産自動車は2022年5月にメタバース上で新車の発表会をおこないました。

こちらの新車発表会では、副社長やスタッフがアバターで登壇して参加者にプレゼンしたほか、メタバース上での試乗も体験できました。

参考動画:【解説】業界初!日産がメタバース上で新車発表会 テレビ朝日経済部 進藤潤耶記者【ABEMA NEWS】(2022年5月26日)
日産自動車は「一方的に企業から情報を発信するだけのコミュニケーションではなく、双方向のコミュニケーションを模索して、メタバース上での取り組みを始めた」とインタビューで語っています。

参考ページ:「VR日産ショールーム」に見るメタバース広報戦略 10年後はメタバースでの発表会が主流に?(東洋経済オンライン)

メタバースをマーケティングや販売促進、採用活動などに活用する日本企業は、今後も増加していくことでしょう。

特に参加者同士や、スタッフと参加者が自由に会話できる形式のイベントでは、双方向のコミュニケーションがしやすいメタバースの特長を最大限に活かせます。

逆に、パネリストが一方的にしゃべる形式のセミナーなどでは、メタバースよりもZoomなどのWeb会議システムのほうが適しています。

活用方法2.ショールームの設置

メタバース空間上にショールームを設置することで、商品・サービスの魅力をよりダイレクトにアピールできます。

実際のショールームと違い、オフィスの賃料や施工費などが不要で、日々の掃除やクリーニングなどの手間もかからないのも大きなメリットです。

さらにユーザー側にとっても、実際のショールームに足を運ぶのと比べて交通費や移動時間がかからないため、手軽に参加できます。

活用方法3.住宅展示場・モデルハウス

メタバース上で住宅展示場・モデルハウスを開設すれば、お客様がいつでも内見できるようになるだけでなく、莫大な初期費用・維持費を節約できる

建築業界では住宅展示場やモデルハウスとして、メタバースを活用する企業も出てきています。

大和ハウスでは、メタバース上で住宅展示場内のモデルハウスを見学したり、社員と質問・相談ができたりするサービス・「LiveStyle PARTNER」を公開しました。

・LiveStyle PARTNER(大和ハウス工業株式会社)

メタバースであれば、お客様が自宅のパソコンやスマートフォンからいつでも住宅展示場やモデルハウスを内見できるだけでなく、VRゴーグルを使用すれば実際に住宅のなかにいるような感覚で部屋を見て回れます。

また、現実の住宅展示場への出展やモデルハウスの建設には莫大な初期費用と維持費がかかりますが、住宅展示場メタバースであればそれよりはるかに低価格で運営が可能なのも大きなメリットです。

中小企業でも手軽に住宅展示場メタバースを活用できるサービス・おりこうブログCX

なお、弊社のメタバースのビジネス活用ソリューション・おりこうブログCXの「住宅展示場プラン」では、住宅営業支援システム・ALTA Revolutionで作成した住宅データをメタバース上に設置して、お客様オリジナルの住宅展示場を構築できます。

住宅展示場メタバースはまだ一部の大手ハウスメーカーしか実施しておりませんが、弊社のおりこうブログCXは中小企業でも手軽に導入できるサービスになっています。

メタバースを利用して集客力アップや売上拡大を目指したい建築業・工務店のみなさまは、ぜひ以下のページから詳細をご覧ください。無料体験版の申し込みも承っております。

活用方法4.バーチャルオフィス・バーチャル会議室

新型コロナウイルスの感染拡大以降、日本企業においてもテレワークが急激に普及したのをきっかけにニーズが生まれたのが、メタバース上のバーチャルオフィス・バーチャル会議室です。

最も有名なバーチャルオフィス・バーチャル会議室のサービスが、Meta社の「Horizon Workrooms」です。
参考動画:Horizon Workrooms - Remote Collaboration Reimagined

バーチャルオフィス・バーチャル会議室を活用すれば、自身のアバターを使って身振り手振りを使ってコミュニケーションが取れるようになりますし、メタバース空間内でホワイトボードに図や絵を描いて説明することも可能です。

そのため複数人での共同作業やコミュニケーションがしやすくなります。

バーチャルオフィスの導入によって、遠隔地に住む優秀な人材を採用しやすくなりますし、障害や家族の介護、育児などで通勤が困難な人も積極的にチームに参加できます。

現実で広いオフィスを用意する必要がなくなるので、オフィスの賃料や光熱費、各種備品などのコストも節約できるでしょう。

活用方法5.教育・トレーニング

教育現場でもメタバースとVRは好相性

メタバースやVRは教育現場でも有効活用できます。

従来の学校教育では、教室に数十人の学生が集まり教師の話を黙って聞く形式の授業が主流でした。

しかし、これでは一方的に話しを聞くだけなので、学生側の集中力も低下し、積極性も乏しくなってしまうデメリットがあります。

そこでVRやメタバースを活用すれば、生徒がよりアクティブに参加できる授業が可能です。

通信制高校の学校法人・角川ドワンゴ学園では、すでに一部の授業でVRとメタバースを取り入れています。
参考動画:【N/S高】世界最先端のオンライン学習 VR空間で学び交流する

【角川ドワンゴ学園のVR・メタバース授業の特徴】
  • 数学の授業で3Dの図形を手元に出現させて、どの角度からも自由に眺められる
  • 生物の授業で、三葉虫やマンモスのモデルを手元で立体的に確認できる
  • メタバース空間上に同じ授業を受けている他の生徒のアバターがいるので、学習時の孤独感が少なくなりモチベーションも高まる
  • 身体的な障害を抱えた生徒や、病気で療養中の生徒も同じ教室にいる感覚で授業に参加できる

企業研修においても、メタバースとVRを活用すれば、業務上で危険な行為などをリアルに体感できる

企業研修においても、メタバースとVRを活用すれば、業務上で危険な行為などをリアルに体感できる
学校教育だけでなく、企業研修においても、メタバースやVRは大いに活用が可能です。

特にメタバースやVRの利用価値が高いのは、現実では研修ができない危険な行為についての学習です。

製造業で衣服が機械に巻き込まれて起きる事故や、建設業で高所作業中に転落してしまう事故などは、当然ながら現実では新入社員に体験してもらうことは不可能です。

しかし、VRではそれらの危険な事故を疑似体験できるので、どういう行動が危険な状況につながるのかを肌感覚で体験できます。

ITに詳しいフリージャーナリスト、西田宗千佳さんは著書『メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略』のなかで、高所作業のVR体験を以下のように書いています。

「中でも興味深かったのは、建築現場の高所作業を体験するものだった。HMD(引用者注:ヘッドマウントディスプレイ、VRゴーグルのこと)を被ると建築現場が現れ、その中を動いてみるのだが、建材をもっていることになっている(実際は持っていない)ので、自由には動けない。危ない方向を向いて動くと、自分がその場にある建材に押されて落ちてしまった。実際には「現実で人が自分を押した」のだが、VRの中では事故のように感じられる。それが実際に、視界には「落ちていく映像」として見えるので、かなりドッキリした記憶がある。」


座学の研修では切迫感を持って理解できない危険な事故も、VRを使えばまさに自分ごととして体験ができるので、教育・トレーニングにVRは非常に効果的なのです。

メタバース空間を利用すれば、ディスカッション形式の研修や社員同士の交流会も開きやすい

また、VRではなくメタバース空間を研修に利用するのも有効です。

コロナ禍以降、遠隔で新入社員研修を実施しなければならないケースが急増しています。

講師が一方的に話す形式の研修であれば、ZoomなどのWeb会議システムを利用すればよいのですが、ディスカッション形式の研修や新入社員同士が自由にしゃべる交流会を開くのは難しいです。

Zoomでは複数人が同時にしゃべると声が聞き取れなくなってしまうからです。

さらに、たとえばA・B・C・D・Eの5人の参加者がいるときに、AとB、CとDとEの2グループに分かれて同時に会話し、しかもその組み合わせもすぐに変更できるような自由さや柔軟性もZoomにはありません。

一方、メタバース空間上であれば、複数人のディスカッション形式の研修もしやすいですし、1人の参加者との会話に満足したらすぐに他の参加者のところへ話しに行けますので、会話の柔軟性が高いです。


そのため議論が中心の研修や、交流会にはメタバースは非常に適しています。

活用方法6.バーチャルストア・バーチャルマーケット

大手百貨店がメタバース上にバーチャルストアをオープン 通常のネットショッピングとは違い、店員から接客も受けられる

仮想空間上に店舗やマーケットを構築して、商品・サービスの販売につなげるのも有力なメタバースの活用法です。

バーチャルストアの実例では、松屋銀座や三越伊勢丹が有名です。
参考動画:百貨店バーチャルストア戦略 こだわったのは"すごいリアル感"( TBS NEWS DIG Powered by JNN)
新型コロナウイルスの感染拡大以降、顧客の来店数の減少に悩まされている小売業の会社は多いですが、バーチャルストアはその解決策になりえます。

バーチャルストアでは、実際の店舗を再現した空間をアバターで訪問し、360度あらゆる角度から商品を眺めたり、使用イメージを動画で確認できたりと臨場感を持ってショッピングを楽しめます。

バーチャルストア内で友人と待ち合わせて一緒に買い物を楽しむこともできるほか、店員のアバターによる接客も受けられるのは、通常のネットショップにはない大きな魅力です。

バーチャルマーケットには有名企業が多数出展し、世界中から100万人超が来場

株式会社HIKKYが主催するVirtual Market(Vket)は、世界最大級のメタバース上の展示即売会です。

参考動画:Virtual Market プロモーションムービー
JR東海、ヤマハ、三菱UFJモルガン・スタンレー、大丸松坂屋百貨店、BEAMSなどの有名企業が多数出展し、来場者数は100万人を超えています。

参考ページ:来場者100万人 世界最大級のメタバース即売会「バーチャルマーケット」(ASCII.JP)

リアルのイベントとはちがって、都市圏以外に住んでいる顧客も参加しやすいほか、「リニア中央新幹線に会場で試乗できる(JR東海)」など、バーチャル空間ならでは体験をできるのが魅力です。

参考ページ:巨大メタバースイベント「バーチャルマーケット2022 Winter」が明日スタート(窓の杜)

活用方法7.ゲームでの活用や、ゲーム空間内での広告・販売

ゲーム分野はもっとも多くのユーザーを集めており、成功しているメタバース領域

現在メタバースがもっとも普及している分野であるゲーム業界は、今後もメタバースのメインストリームになっていきます。

Epic Gamesのオンラインシューティングゲーム、Fortnite(フォートナイト)は2020年5月の時点で登録プレイヤー総数が3億5000万人を超えています。

またRoblox社が提供するオンラインゲームのプラットフォーム、Roblox(ロブロックス)は他のプレイヤーが作った多種多様なゲームを遊べるほか、自分でプログラミングして作成したゲームを配布することもできます。

その高い自由度が人気を集め、2021年時点でRobloxの1日のアクティブユーザー(ゲームへ訪れた有効なアカウント数)は、180カ国・5000万人を超えました。

出典・参考書籍:『メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略』(西田宗千佳)

莫大なユーザーを集めるオンラインゲームは、ゲームという枠を超えてプラットフォームになりつつある

これらのデータを知っても「ウチは別にゲーム会社じゃないから関係ないよ」と思っている方も多いかもしれません。

ですが、自社がゲーム業界でなかったとしても、これらの莫大なユーザー数を誇るゲームはビジネス上無視できない存在になっていきます。

圧倒的なユーザー数が存在すれば、ゲームという枠を超えてビジネスプラットフォームとしても活用されるからです。

Fortnite上では、ラッパーのトラヴィス・スコットや米津玄師がライブを開催し、多数のユーザーが集まりました。
参考動画:Travis Scott and Fortnite Present: Astronomical (Full Event Video)

トラヴィス・スコットについては、たった9分間のライブだったにもかかわらず、1230万人のユーザーが集まり、2000万ドル(約21億円)もの売り上げがあったと報道されています。

参考ページ:トラヴィス・スコット、『フォートナイト』でのヴァーチャル・ライヴで20億円以上の売上を記録(NME Japan)
参考ページ:1200万人が同時参加したトラヴィス・スコットの「フォートナイト」ライブ。ゲームの世界で開催される音楽イベントの未来(HIP HOP DNA)

ゲーム内のメタバース空間は、各企業の広告出稿先やキャンペーン先、アイテムの販売先として活用できる

直接イベントを開かなくても、膨大なユーザー数が行き交うゲーム空間内は企業にとって格好の広告出稿先になります。

Fortniteは35歳以上のプレイヤーは15%程度しかおらず、24歳以下のプレイヤーが62%を占めています。

これから世界で多数派になっていくZ世代へ効率的にリーチするうえでも、ゲーム内空間の活用は今後重要になっていくでしょう。


また、ゲーム空間内で商品を販売する試みも積極的におこなわれています。

Roblox(ロブロックス)というゲームでは、GUCCI(グッチ)がアバターに着せる限定アイテムを販売しているほか、メキシコ料理レストランチェーン「チポレ(Chipotle)」がゲーム・バーチャルレストランを出店して、リアル店舗と連携してクーポン販促を展開しています。

「食」という一見メタバースからは縁遠そうな領域でも、メタバースのビジネス活用は進んでいるのです。

中小企業でも手軽にメタバースをビジネス利用できるソリューション・おりこうブログCX

中小企業でも手軽にメタバースをビジネス利用できるソリューション・おりこうブログCX
先述したようにメタバースの市場規模は今後急激に拡大していきますから、ビジネス分野でも早めにメタバースを活用することで、他社との差別化や先行者利益を得られます。

メタバースを導入したい企業・団体は早めに準備を進めるとよいでしょう。

なお、弊社ディーエスブランドでは、中小企業・団体でも利用しやすいメタバースソリューション・おりこうブログCXを提供しています。

アバターを操作して3D空間内で会話・チャットするなどのメタバースの基本機能に加えて、訪問者をメタバース空間に誘導するためのホームページやランディングページ(LP)も作成できます。

採用活動での会社説明会や交流会などのイベントに利用して、他社との差別化が可能です。

また、建築業・工務店であれば、住宅営業支援システム・ALTA Revolutionで作成した住宅データをメタバース上に設置して、お客様オリジナルの住宅展示場・モデルハウスを構築できます。

メタバースを自社でも手軽に始めたい方は、ぜひ以下から詳細をご覧ください。
 この記事を書いた人
岡山 幸太郎
岡山 幸太郎
株式会社ディーエスブランド Webマーケター
ディーエスブランド入社後、営業を経験したのち自社サイトやお客様サイトのWebディレクションに携わる。現在はSEO(検索エンジン最適化)やコンテンツマーケティングなど、Webにおける集客分野を担当。また、Webセミナー講師としても活動中。