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企業ホームページ運営のコツは「訪問者は自社を知らない」と自覚すること

企業ホームページ運営のコツは「訪問者は自社を知らない」と自覚すること
  • 「会社のホームページからお問い合わせがなかなか来ない…」
  • 「売上アップできる企業ホームページにするにはどうすればいいの?」

こんなお悩み・疑問をお持ちの、中小企業のホームページ担当者や経営者の方は多いと思います。

失敗している企業ホームページにはいくつかの共通点があり、それを解消することが企業ホームページを成功させる近道です。

そして、企業ホームページの失敗の大きな原因のひとつが、「訪問者はほとんど自社や商品・サービスを知らない」ことに無自覚な状態です。

どういうことなのか、企業ホームページ運営の初心者向けにわかりやすく解説しますので、会社のホームページを使って集客・売上をアップしたい方はぜひご覧ください。


目次

企業ホームページへのほとんどの訪問者は、自社のことをほぼ知らないし強い興味もない

失敗している中小企業のホームページでは、「訪問者は自社のことを知らないし興味もない」という事実を自覚できていない

失敗している中小企業のホームページでは、「訪問者は自社のことをほとんど知らないし興味もない」ことを自覚できていない
中小企業のホームページ運営の失敗の根底にあるのが、「企業ホームページの訪問者は、自社のことをほとんど知らない」という事実をきちんと把握していないことです。

コンテンツマーケティングの草分け的存在である世界的なマーケッター、ジョー・ピュリッジは以下のように語っています。

「顧客はあなたのことも、あなたの製品やサービスのことも気にかけていない。彼らが気にするのは自分自身のこと、彼ら自身の欲求やニーズだけだ。」


みなさんの会社のホームページにアクセスする方の多くは、みなさんの会社・商品・サービスのことをほとんど知らないですし、強い興味も持っていません。

GoogleやYahoo!などの検索エンジン経由でアクセスした訪問者は、最初の時点では自社の商品・サービスに対する知識や関心がほぼない

実際、GoogleやYahoo!などの検索エンジン経由でこのページを今ご覧になっているみなさんも、このサイトを管理している弊社ディーエスブランドの事業・サービスについて、ほとんど何も知らない状態ではないでしょうか?

また、弊社のサービスについて特に興味もないし、今すぐに購入したいとも思っていない方が大半のはずです。

このように、検索エンジン経由やSNSなどを介して偶然に企業ホームページへアクセスした訪問者は自社のことはほとんど何も知らないですし、購入意欲もそこまで高くないのが実情なのです。

※検索エンジンやSNSについては、詳しくは以下のページをご覧ください。

失敗している中小企業ホームページの多くが、説明不足に陥っている

社内の人間と社外の人間の、知識・関心のギャップを理解できていないと、説明不足の企業ホームページになる

ホームページ担当者や経営者は、自社の商品・サービスについて当然ながら精密に理解していますが、それゆえに「訪問者にはそこまでの商品・サービスや自社に関する知識がない」という事実を見落としがちです。

その結果、「わざわざ説明しなくても伝わるだろう」との思い込みに陥り、訪問者にとって説明不足の企業ホームページになってしまいます。

「なんとなくリフォーム全般をやりたい」と思っている顧客は存在しない

「なんとなくリフォーム全般をやりたい」と思っている顧客は存在しない
たとえば、リフォームをメインにしている工務店のホームページの失敗例でありがちなのが、「リフォーム全般を承ります!」などのセールスコピーがあるだけで、具体的に対応可能なリフォーム箇所の記述がトップページなどに一切ないケースです。

ですが、「どこをリフォームするかは全然決めていないけど、とりあえずどこでもいいからリフォームしたい」という顧客はほとんど存在しません。

多くの訪問者は「冬場の入浴が寒くて辛いので、お風呂に浴室暖房を付けてリフォームしたい」「キッチンがかなり古くて料理しづらいので、一新したい」などの具体的なリフォーム希望箇所と、生活に根ざしたお悩み・ニーズを持っています。

そんな具体的なニーズを抱えている訪問者が「リフォーム全般を承ります!」との文字を見ても、「この会社はお風呂のリフォームをしてくれるんだろうか? 『ウチは浴室のリフォームは対象外です』などと言われないだろうか?」と不安になってしまいます。

多くの中小企業のホームページでは、商品・サービスに関する情報量が絶対的に不足しているので、訪問者は「自分が求めている商品・サービスを本当にこの会社は提供してくれるんだろうか?」と常に不安・疑問を抱えています。

説明不足の企業ホームページから訪問者は離脱して、競合他社のホームページへアクセスする

そのような不安を感じた訪問者は次にどんな行動をするでしょうか?

みなさんが商品やお店をネット上で探しているときの行動を思い出してみてください。

ネット上で見つけた会社・お店のホームページに、自分が求めている商品・サービスを取り扱っているか不明なときに、毎回電話やメールでその会社に問い合わせをしているでしょうか?

まれに問い合わせして質問することもあるかもしれませんが、わざわざ質問をするのも面倒なので、多くの場合はその会社のサイトから離脱して、自分が求めている商品・サービスを取り扱っている競合他社のサイトを探すはずです。

インターネット上では、自社は数ある選択肢のうちのひとつにすぎず、説明不足やわかりづらさがあれば、すぐに訪問者から切り捨てられてしまうリスクがあることを、企業ホームページの担当者や経営者は深く自覚しておかなければなりません。

BtoBでも自社の商品・サービスについて、説明不足の企業ホームページが多い

BtoBでも自社の商品・サービスについて、説明不足の企業ホームページが多い
また、商品・サービスについての説明が企業ホームページ上で不足している例は、BtoCだけではなくBtoBでも散見されます。

たとえば金型製作をメインにしている機械製造業の会社で、プラスチック(樹脂)部品の成形の金型なのか、金属部品の成形が目的の金型なのかが、ホームページを見てもすぐにはわからないケースは非常に多いです。

それぞれの会社は「金型といったらプラスチックに決まっているでしょ」「金型といえば、アルミとかの金属を最初に思い浮かべるでしょ」という自社目線の思い込みに無意識のうちに陥っているため、訪問者はその大前提をまず知りたいと考えていることに気づけないのです。

当然、プラスチック部品の金型を求めている訪問者と、金属部品の金型を求めている訪問者ではかなりニーズが異なるので、そこが明確になっていない企業ホームページでは訪問者が不安を感じてしまいます。

「この業界のプロならわかる」「常識的に考えればわかる」という発想は、企業ホームページ運営では禁物

GoogleやYahoo!などの検索エンジンのクローラーは、写真や画像の内容を読み取るのが苦手

GoogleやYahoo!などの検索エンジンのクローラーは、写真や画像の内容を読み取るのが苦手
「いやいや、会社のホームページにはプラスチック部品(あるいは金属部品)の写真を載せているし、プロならば金属かプラスチックの金型かなんて、常識的にすぐわかるはずだ」と思う方もいるかもしれません。

ですが、企業ホームページの運営では「写真を見ればわかる」「常識的に考えればわかる」という思考法では集客数も売上も伸び悩んでしまいます。

なぜなら集客の要である、GoogleやYahoo!などの検索エンジンには、言語化しないとホームページの内容を伝えられないからです。

Googleなどの検索エンジンはクローラーと呼ばれるコンピュータープログラムを派遣してページの内容を把握しています。

ですが、このクローラーは文章(テキスト情報)を読み取るのは得意ですが、写真などの画像データの内容を把握するのは苦手なのです。

よって「写真を見れば、金属用の金型かプラスチック用の金型かなんて、すぐにわかるはず」といった考えは検索エンジンには通用しません。

※なお、検索エンジン経由でホームページに集客する手法のことをSEOと呼びます。ご興味のある方は以下をご覧ください。

検索エンジンのクローラーにはプロとしての知識も常識もないので、伝えたいことはすべて言語化して企業ホームページに掲載すべき

また、「専門用語や文章から、プロならすぐに内容を理解できるだろう」という考え方も企業ホームページ制作においては禁物です。

検索エンジンにはプロとしての知識も常識もありませんし、そもそも人間ですらないからです。

そのため、GoogleやYahoo!などの検索エンジン経由で集客するには、一見初歩的で常識的にわかるようなことでも、しっかりと言語化して文章で記載する必要があります。

たとえば金型製作であれば「プラスチック部品の金型製作なら、私たちにお任せください」などの文を企業ホームページ内に入れないと「プラスチック 金型製作」などの重要キーワードで検索上位を獲得するのは難しいでしょう。

自社にしてみれば当然の情報や常識的に考えればわかることであっても、訪問者や検索エンジンに伝えるためにしっかりと文章を書くようにしてください。

※集客しやすい文章の書き方は以下をご覧ください。

訪問者は自社の対応エリア・商圏を知らないので、企業ホームページでは明確に記載すべき

訪問者は自社の対応エリア・商圏を知らないので、企業ホームページでは明確に記載すべき
企業ホームページを見ても、その会社の対応エリアがよくわからないケースも非常に多いです。

企業ホームページやチラシ・広告などにしっかり明記しないかぎり、訪問者は自社の対応エリアを知りようがありません。

運よく企業ホームページにアクセスしてもらったとしても、「自分が住んでいる県・市でも対応してくれるのか、よくわからないな…」と訪問者に思われてしまうと、お問い合わせなどの売上につながるアクションを起こしてもらえる可能性は激減してしまいます。

※なお、お問い合わせや資料請求などの、そのホームページ内で目標としているアクションのことをコンバージョンと呼びます。

参考ページ:Webマーケティングの理解に不可欠な言葉、コンバージョンとは何か? ゴールを明確にすれば、ホームページの方針が決まる!

特に注文住宅やリフォームを手がける工務店や設備工事会社などの特定の県内・市内のみで活動している企業にとっては、これは致命的です。

企業ホームページでは、ファーストビュー(ページを開いた最初の画面)にかならず自社の対応エリアがわかる文を入れるようにしてください。

例:「○○県内の注文住宅なら私たちにお任せください」など。

日本全国対応可能の場合もかならずそれを明示する

日本全国対応可能の場合もかならずそれを明示する
なかには特定の対応エリアが存在せず、北海道から沖縄まで日本全国で対応が可能な会社も多いと思います。

とりわけ機械製造業などでは、たとえ中小企業であっても、全国の顧客と取引が可能な会社は多いでしょう。

そういった場合も、かならずトップページには「日本全国対応可能」という文字を入れるようにしましょう。

たとえば東京や大阪などの都市圏にある企業のホームページの場合、地方の訪問者は「ウチの会社とも取引をしてくれるんだろうか?」と一抹の疑問や不安を抱えるからです。
また、その逆もしかりです。

それらの疑問・不安を払拭するためにも「日本全国対応可能」「日本全国のお客様からのお問い合わせをお待ちしております」などの文言を配置するようにしましょう。

また、「お電話や、Web会議システムを利用したオンライン相談にも対応可能です」など、商談へのハードルを下げるような文言を配置すると、遠隔地の訪問者もより安心できるようになります。

対応エリアの情報は、メールフォームや電話番号などのアクションを起こす要素の近くにも配置すべき

対応エリアの情報は、メールフォームや電話番号などのアクションを起こす要素の近くにも配置すべき
先述したように、対応エリア・商圏の情報はファーストビューなどのページの前半に配置すべきです。

さらに、そことは別に、対応エリアの情報を記載すべき箇所があります。

それは訪問者がお問い合わせや資料請求などの購入行動を起こす箇所です。

具体的に言えば、お問い合わせや資料請求、無料相談のメールフォームや、そこにリンクするバナーボタン、電話番号などです。

なお、これらの訪問者のアクションにつながる箇所のことを、WebマーケティングではCTA(Call To Action)と呼びます。

お問い合わせなどのアクションを起こそうかどうか迷っている訪問者は、商品・サービスにはすでに興味を持ってくれていますが、「対応エリアは合致するのか?」などの細かい形式的な情報を気にしています。

そこで、お問い合わせのメールフォームやバナーボタン、電話番号などのCTAの付近に以下のような一文があるだけで、訪問者がアクションを起こすハードルは大きく下がります。

【CTA付近に置く文の参考例】
  • 「○○県内の注文住宅、リフォームの相談はDS工務店にお任せください!」
  • 「プラスチック部品の金型製作の相談を、日本全国から受け付けております」

訪問者は商品・サービスを購入するときに、どんなアクションを起こすべきかわからない

訪問者は商品・サービスを購入するときに、どんなアクションを起こすべきかわからない
商品・サービスについて訪問者が関心を持っても、ただ単に企業ホームページを見てもらっただけでは売上にはつながりません。

訪問者にはメールフォームからのお問い合わせやお電話、店舗などへの来店など、何らかのアクションを起こしてもらわないと、商品・サービスを購入してもらえないのです。

ですが、中小企業のホームページでは、商品・サービスを購入したいときに具体的にどんなアクションを起こせばいいのかが書かれていない、あるいは不明瞭なことが少なくありません。

お問い合わせや資料請求などのバナーボタンが、各ページに設置されていない企業ホームページはその典型例です。

最低でも商品・サービスを紹介する主要ページには、コンバージョンにつながるCTAはかならず設置するようにしてください。

また、固定バナーや固定ヘッダーにお問い合わせ・資料請求などのCTAを常時設置して、どのページにいても即購入行動を起こせる設計にするのも非常に有効です。

訪問者は自社のことをほぼ知らないことを自覚して、企業ホームページを運営するのが成功への近道

訪問者は自社のことをほぼ知らないことを自覚して、企業ホームページを運営するのが成功への近道
ここまで説明してきたように、ホームページ担当者や経営者の想像以上に、訪問者は自社のことを知らないし、興味も薄いのが実情です。

ですが、中小企業のホームページにおいては、そのことをあまり自覚しないまま制作されていますから、説明不足に陥っているサイトが大多数を占めています。

そのため、何も知らない訪問者に丁寧に必要な情報を伝えようと意識するだけで、大半の中小企業ホームページを追い抜け、集客や売上アップに近づくのです。

企業ホームページを活用して集客・売上アップしたい方は、ぜひ「何も知らない訪問者が見て、理解しやすいサイトになっているか」をまずはチェックしてみてください。

なお、以下のページで企業ホームページリニューアルや運営のポイントを紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

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