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中小企業のホームページで、おしゃれなデザインや見た目だけにこだわると失敗する理由とは?

更新日:2024.09.27
中小企業のホームページで、おしゃれなデザインや見た目だけにこだわると失敗する理由とは?
  • 「おしゃれなデザインのホームページにリニューアルできれば、一気にアクセス数も上がって売上げも増えるはずだ」
  • 「ホームページはトップページのデザインが重要なんだから、そこだけ徹底的に細部の色・フォントまでこだわっていれば、他のページの作り込みは後回しでいいだろう」
  • 「文字数が多いとデザイン性が落ちるから、ページ内の文章はどんどん削らないと…」
 
会社のホームページ開設リニューアルを検討している方や、すでに運営中の方のなかには以上のような考えをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
 
もちろん古くて見栄えの悪い企業ホームページ(HP) よりは、先進的でおしゃれなデザインの企業ホームページのほうが良いですし、訪問者に与える印象も向上するでしょう。
 
ですが、そもそも訪問者が集まらなければ、どんなに流麗なWebデザインであってもその効果を発揮することはできません。
 
実は中小企業のホームページにおいて見た目や表層的なデザインにばかりこだわると、集客やマーケティングが高確率で失敗してしまいます。
 
なぜWebデザインにこだわっても、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジン経由でのアクセス数はアップしないのか、本当に売上げに貢献できるWebデザインの構成方法とは何なのかを初心者向けに解説します。

目次

企業ホームページは社員や経営者が見るためのものではなく、お客様(訪問者)が見るためのもの

企業ホームページはあくまでお客様(訪問者)の役に立つために存在している

企業ホームページはあくまで訪問者の役に立つために存在している
まずは回りくどいようでも大前提を確認しておきましょう。
 
企業ホームページは、絵画や美術品のように自社の社員や経営者が見て楽しむためのものではありません。
 
ほぼすべての企業ホームページはお客様(訪問者)に見せるために作られています。
たとえ採用サイトであっても、情報を伝えるメインターゲットは求職者という外部の人間になります。
 
お客様と求職者のちがいはあれど、つまり企業ホームページは訪問者のために存在しているわけです。

お客様に向けたホームページのはずが、いつの間にか自社の社員や経営者の好みのほうが重視されるケースは珍しくない

お客様に向けたホームページのはずが、いつの間にか社員や経営者の好みのほうが重視されるケースは珍しくない
ここまで読み進めて「なんで当たり前のことを長々と書いているんだ…?」とけげんに思われている方もいるかもしれません。
 
しかし、実際はこの「当たり前のこと」をいつの間にか忘れてしまう企業は決して少なくないのです。
 
少なくないどころか、社内目線・自社目線に一度も陥らずに、一貫してお客様目線に立ったホームページ制作の方針を打ち出せる会社のほうが珍しいといえるでしょう。
 
実はそれは無理もない話です。
プロであるホームページ制作会社ですらお客様目線・訪問者目線を失ってしまうことはよくあるからです。
 
売上げをアップさせるために制作・リニューアルしたホームページのはずが、上司や幹部社員、経営者の好みのほうが強く反映されてしまう例は枚挙にいとまがありません。

お客様について考えた時間よりも、見た目やデザインの細部にかけた時間のほうが長ければ、自社目線・社内目線に陥っている可能性が高い

お客様について考えた時間よりも、見た目やデザインの細部にかけた時間のほうが長ければ、自社目線に陥っている可能性が高い
自分が自社目線・社内目線に陥ったホームページ作りをしていないかを簡単にチェックする方法があります。
 
これまでのホームページ制作過程を思い出してください。
自社のお客様が何を求めているのかを考察した時間と、デザインの色や細部について考えた時間のどちらが多いでしょうか?
 
もし後者のほうが多いのであれば、そのホームページは自社目線・社内目線の表層的なデザインに陥っている可能性が高いです。
 
デザインの微妙な色合いやフォント、バナーボタンの細かな形にこだわる時間があるのなら、お客様への洞察をより深めて、掲載するコンテンツ(情報)を増やす作業に使ったほうがアクセス数と売上げに直結します。

お客様(ホームページのターゲット)を明確にする8つの質問

まずは以下の8つの質問に回答してみて、自分がお客様(ホームページのターゲット)の分析がきちんとできているか、言語化できているかを確認してみましょう。
 
【初心者でも簡単に明確なターゲット像(お客様像)を思い描けるようになる8つの質問】
  • ターゲットとするお客様は一般消費者ですか? それとも企業・団体などの法人ですか?
  • 自社の商品・サービスを購入すると、お客様はどんな効果や結果を得られますか?
  • その効果を求めているお客様は、現在どんな要望やお悩みを持っていますか?
  • お客様がその要望・お悩みを持つに至った背景は何ですか?
  • 競合他社の似たような商品・サービスではなく、みなさんの会社からお客様が購入すべき理由は何ですか?
  • 商品・サービスの購入を検討しているお客様が、疑問に思う点や不安に感じている点(購入を妨げているポイント)は何ですか? つまり、購入前のお客様が知りたいと思っている情報は何ですか?
  • (企業・法人がターゲットの場合) お客様が商品・サービス購入の決裁を通す際に、必要な情報は何ですか?
  • お客様が商品・サービスの購入を先延ばしにすべきではない理由、つまり今すぐ購入すべき理由は何ですか?
 
これらの質問に合計で1000字~2000字以上の情報量でスラスラ回答できないようだと、お客様や自社の商品・サービスに対する考察や言語化がまだまだ不足しています。
 
もしみなさんがお客様と直接コミュニケーションを取る部署に所属していない場合は、営業社員・販売員の話を聞いたり、使用している提案書・PowerPointなどの資料を提供してもらったりするのがよいでしょう。
 
Webマーケティングは自社の商品・サービスとお客様への理解からすべてがスタートします。
これらを欠いた状態で、Webデザインの力だけで売上げアップや新規商談を獲得するのは非常に困難です。
 
※お客様(ホームページのターゲット)の分析を深める方法については、以下のページで詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
ホームページ無料相談ホームページ無料相談

優れた競合他社のホームページを徹底的に分析しよう

Yahoo!やGoogleで検索上位にヒットする競合他社のサイトはかならずチェックしよう

Yahoo!やGoogleで検索上位にヒットする競合他社のサイトはかならずチェックしよう
お客様についての分析作業が終了しても、すぐにデザイン案の作成に取りかかるのはお勧めしません。
 
次は、成功している競合他社のホームページをつぶさにチェックしましょう。
 
Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンで、自社と関係するキーワードで検索して上位のホームページをチェックしてみてください。
 
たとえば自社が長崎市内を商圏としている工務店であれば、「長崎市 リフォーム」などのキーワードでYahoo!・Google検索して、上位のサイトを閲覧するのです。
(なお、複数の会社や店舗の情報をまとめているポータルサイトなどは、たとえ検索上位を獲得していても、企業ホームページの参考にはならないので除外します)
 
Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンは良質なホームページを検索上位に配置しますので、自社ホームページの戦略やデザイン案を作成するうえでも格好のモデルとなります。

東京・神奈川・大阪などの大都市圏のホームページはレベルが高いので、学べることが多い

東京・神奈川・大阪などの大都市圏のホームページはレベルが高いので、学べることが多い
なお、この競合他社のチェックは、実際に自社と競り合っている企業でなくても同業のサイトであれば構いません。
 
たとえば長崎市内の工務店にとって、横浜市内の工務店と顧客の取り合いになることは実際にはありえませんが、参考になるサイトであればそこから積極的に学ぶべきです。
 
むしろ、実際のライバルではない同業他社のホームページのほうが、余計な感情が入らず客観的に分析できることも多いです。
 
とくに東京・神奈川・大阪などの大都市圏の企業ホームページはレベルが高いことが多いので、自社の商圏とちがっても一度チェックすることをオススメします。

競合他社のサイトで注目すべきなのはデザインではなく、お客様へのメッセージと戦略

競合他社のサイトで注目すべきなのはデザインではなく、お客様へのメッセージと戦略
ただし、ここでも表層的なWebデザインのきれいさにばかり注目しないようにしましょう。
 
重要なのは、それら競合他社が発信しているお客様へのメッセージであり、それを伝えるためにWebデザインをどのように工夫しているかという部分です。
 
優れた企業ホームページにはかならず確固たる戦略があり、Webデザインはそれを機能させるための手段のひとつでしかありません。
 
常に戦略が先であり、Webデザインは後です。
 
この順序が逆であったり戦略が希薄だったりすると、企業ホームページが失敗に終わる確率は極めて高くなってしまいます。

中小企業のホームページ戦略は、お客様の課題解決をいかに効果的にアピールしているかに集約される

中小企業のホームページ戦略は、お客様の課題解決をいかに効果的にアピールしているかに集約される
【戦略が練られているホームページの特徴】
  • どんな人に向けたホームページなのかを明確に示している
     (「○○駅付近にお住まいで、インプラントを検討中の方」や、「精度の高いプラスチック試作品が必要な企業」など)
  • 訪問者が抱えている要望・お悩み・疑問に共感している
  • 訪問者の要望・お悩み・疑問を自社なら解決できることを提示している
  • 「資料請求」や「ご相談のお申し込み」、「イベント参加予約」など、訪問者が起こすべきアクションは何かを明示している
 
中小企業におけるホームページ戦略とは、以上のような情報を訪問者にわかりやすく伝え、商品の注文やお問い合わせを獲得するまでの道筋に他なりません。
 
これらのポイントに着目しながら競合他社のホームページを複数分析していくと、自社が何をアピールすべきなのか、どんな内容を訪問者にアピールすべきなのかが自然と理解できていくはずです。
 
中小企業のホームページの核心は「お客様の課題解決」であり、Webデザインはそれを効果的に伝えるための手段だといえます。

見た目やおしゃれさのみにこだわった中小企業のホームページは、情報量・文字数が少なく集客で苦戦する

どんなに見た目がきれいでおしゃれなWebデザインでも、それだけでは検索エンジン経由の集客数は増えない

どんなに見た目がきれいでおしゃれなWebデザインでも、それだけでは検索エンジン経由の集客数は増えない
Webデザインのおしゃれさや見た目にばかりこだわっているホームページが失敗しやすい理由のひとつには、情報量や文字数が乏しくなりやすい点も挙げられます。
 
「ホームページのデザインをきれいでおしゃれなものにすれば、アクセス数も自然と増えるはず」と考えている方も多いと思いますがYahoo!やGoogleなどの検索エンジン経由の集客にしぼっていえば、それは誤解です。
 
なぜなら、ホームページのデザインは検索エンジン経由の集客力に直接的な影響を与えないからです。

Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンは画像の情報を読み取るのが苦手なので、表面的なデザインの美しさは評価されない

Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンは画像の情報を読み取るのが苦手なので、表面的なデザインの美しさは評価されない
なぜWebデザインの美しさやおしゃれさがSEO対策の集客力向上に直結しないかといえば、検索エンジンの仕組みにその原因があります。
 
Googleなどの検索エンジンは、クローラー(ロボット)と呼ばれるプログラムを世界中のホームページに派遣することで、情報を収集しています。
 
ですが、このクローラーには弱点があります。
クローラーはテキスト情報(文字情報)は読み取れても、画像データの内容をうまく把握することができないのです。
たとえば、人間が見ればすぐに犬の写真だとわかる画像データでもクローラーにはそれがわかりません。

クローラーが情報を収集できない以上、いくら美しいデザインのホームページでもそれだけでは検索順位の向上にはつながらないことになります。
 
※検索エンジンの仕組みやSEO(検索エンジン最適化)対策について、詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

きれいでおしゃれなデザインのホームページが、デザインが野暮ったくても文章がしっかり書かれているホームページに大敗する例は枚挙にいとまがない

きれいでおしゃれなデザインのホームページが、デザインが野暮ったくても文章がしっかり書かれているホームページに大敗する例は枚挙にいとまがない
それどころか、見た目ばかりを重視して文字数(テキスト量)が少ないホームページは、検索エンジンからすればほとんど情報が掲載されていないスカスカのサイトだと判断されかねません。
 
実際、いろいろなキーワードの検索結果を見てみると、きれいでおしゃれなデザインのホームページが、多少デザインは野暮ったくても文章がしっかりと書かれているページに、検索順位で大敗している例が散見されます。
 
※SEO(検索エンジン最適化)対策における、文字数や情報量の重要性は以下のページで詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

質問「みなさんはWikipediaのデザインが好きだから、Wikipediaの記事をよく読んでいるんですか?」

このことはWikipediaを思い出していただければ、より具体的に実感できるはずです。
 
Wikipediaとはインターネット上のフリー百科事典のことで、みなさんが目にする機会も多いと思います。
 
ここでみなさんにひとつ質問があります。
みなさんはWikipediaのホームページのデザインが好きだから、Wikipediaの記事をよく読んでいるのでしょうか?
 
これにはほとんどの方がNoと答えるはずです。
 
みなさんがWikipediaの記事によくアクセスしているのは、そこに自分が求めている情報が掲載されているからに他ならないでしょう。
 
訪問者が求めている情報を徹底的に網羅しているからこそ、Wikipediaは無味乾燥ともいえるシンプルなWebデザインにもかかわらず、数多くの美麗なデザインのサイトに打ち勝ち、莫大な数のキーワードで検索上位を独占しています。

お客様(訪問者)が気にしているのはWebデザインでもあなたの会社のことでもなく、自分自身の欲求とニーズ

顧客が気にしているのはWebデザインでもあなたの会社のことでもなく、自分自身の欲求とニーズだけ
企業ホームページでもこれと同じことが言えます。
お客様が求めているのは自分の要望やお悩み・疑問を解決してくれる処方箋です。
 
ホームページのデザインがおしゃれで美麗かどうかは、枝葉末節の要素にすぎません。
 
さらに言えば、お客様は自分の問題が解決しさえすれば、みなさんの会社でも競合他社の会社でもどちらを選んでも構わないと考えています。
 
コンテンツマーケティングの草分け的存在のマーケッターである、ジョー・ピュリッジは以下のように述べています。
 
顧客はあなたのことも、あなたの製品やサービスのことも全く気にかけていない。彼らが気にするのは、結局は自分自身のこと、彼ら自身の欲求やニーズだけである。コンテンツマーケティングとは、顧客が本当に関心を払うようになる、彼らを夢中にする興味深い情報をつくりだすことだ。』
 
 
弊社も含めた話になりますが、中小企業のマーケティングは「大半のお客様は自社について何も知らないし、興味もない」と認めることからすべてが始まります。
 
ましてや、Webデザインはお客様にとって二の次です。

お客様(訪問者)が求めている情報がなければ、どれだけWebデザインに力を入れても集客数やお問い合せ数は増えない

お客様(訪問者)が求めている情報がなければ、どれだけWebデザインに力を入れても集客数やお問い合せ数は増えない
もちろん、デザイン性が高いおしゃれなホームページのほうが訪問者に与える印象はよくなり、商品を注文したりお問い合わせしたりする確率はアップするでしょう(コンバージョン率の向上)。
 
しかし、お客様(訪問者)の要望・お悩み・疑問を解決できるような情報がそもそもホームページ上になければ、どんなにデザインが優れていても訪問者がアクションを起こすことはありえません。
 
たとえ流麗なデザインであっても、動画がひとつもない動画サイトや商品がないECサイトを訪問することがないのといっしょです。

コンバージョン(CV)とは
コンバージョン率(CVR)とは

トップページ以外のページがおろそかだと、結局ホームページは失敗する

トップページのデザインにこだわるあまり、下層ページの作り込みができていない企業ホームページはアクセス数で伸び悩む

トップページのデザインにこだわるあまり、下層ページの作り込みができていない企業ホームページはアクセス数で伸び悩む
とくに危険なのが、トップページのデザインの細部にこだわるあまり、他のページの数が少なく、情報量や文字数も乏しいというケースです。
 
実は集客に成功している企業ホームページにおいてトップページ経由で獲得しているアクセスは、全体のアクセス数の20%以下にすぎないといわれています。
 
それでは、残りの80%のアクセスはどこから来ているのかといえば、トップページ以外の下層ページから検索エンジンなどを介してダイレクトに集客しているのです。
 
Yahoo!やGoogleから集客できている企業ホームページと、そうではない企業ホームページの大きなちがいは実はここにあります。
 
集客に失敗している企業ホームページの大半は、トップページ以外の下層ページが育っていないためアクセス数が伸び悩んでいるのです。
トップページ依存型ホームページ
トップページ依存型ホームページ
分散集客型ホームページ
分散集客型ホームページ
中小企業のホームページで検索エンジン経由の集客を増やすなら、一刻も早くトップページ依存型ホームページから脱却して、分散集客型ホームページを目指さなければなりません。
 
※なお、トップページには意外と検索上位を獲得するのが難しいというデメリットもあります。詳しくは以下のページをご覧ください。

現在の企業ホームページの集客では、訪問者の役に立つ情報を載せて流入を狙うコンテンツマーケティングが主流

現在の企業ホームページの集客では、訪問者の役に立つ情報を載せて流入を狙うコンテンツマーケティングが主流
現在のSEO(検索エンジン最適化)対策やWebマーケティングでは、訪問者のお悩みや疑問、要望の解決に役立つ情報が書かれたページを追加して、集客の受け皿を増やす手法が主流になっています。
 
これをコンテンツマーケティングと呼びます。
 
※なお、コンテンツマーケテイングをSEOの観点からおこなう施策のことを、コンテンツSEOと呼びます。以下のページで詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

トップページだけにこだわるのは、集客数の80%を自ら捨てているようなもの

トップページだけにこだわるのは、集客の80%を自ら捨てているようなもの
すでにホームページ内に数百ページを超える豊富なコンテンツがそろっているなら別ですが、そうでない場合は、おしゃれなトップページを目指してデザインの細部にこだわるよりも、新しいコンテンツページを追加することに時間を費やしたほうが、はるかに集客数も売上げもアップします。
 
トップページのデザインに必要以上の労力と時間を割くのは、集客数の20%の部分にばかり一生懸命になり、残りの大事な80%を捨てているようなものですから、集客が失敗してしまうのも当然だといえるでしょう。
 
なお、当サイトの場合はトップページ経由の集客率は20%よりもさらに低いです。
1ヶ月あたりのセッション数(訪問数)が71000程度あるのに対して、トップページ経由の流入は2300程度しかありません。
つまり、当サイトのトップページ経由の集客率はわずか約3.2%です(2019年6月度データ)。
 
このデータだけでも、トップページだけに集客を頼るのがいかに非効率的なのかがご理解いただけると思います。
 
企業ホームページの集客はトップページで決まるのではありません。
トップページ以外のページこそが重要なのです。
 
「なかなか会社のホームページのアクセス数が増えない…」という方は、まずはページ数を増やしてみてください(もちろん、有益な情報がしっかりと文章で書かれたページでないとアクセス数は増えませんが)。

中小企業のホームページのデザインの役割は、コンバージョン率アップとブランディング

戦略にのっとったWebデザインはホームページの効果を数倍にアップさせる

戦略にのっとったWebデザインはホームページの効果を数倍にアップさせる
ここまでデザインのみにこだわることの危険性を解説してきましたが、「中小企業のホームページデザインはまったく気にする必要はないのか」というと、それもまた極端な意見です。
 
Webデザインは、ホームページに訪問者を呼びこむ集客の段階では大きな役割を果たしませんが、訪問者がホームページにアクセスしたあとの印象には大きな影響を与えるからです。
 
より具体的にいえば、ホームページのデザインはコンバージョン率とブランディングに大きく関わります。

お問い合せや商品の注文などのコンバージョンを獲得することが、企業ホームページ最大の目的

お問い合せや商品の注文などのコンバージョンを獲得することが、企業ホームページ最大の目的
コンバージョンとは、訪問者がホームページを閲覧して商品の注文やお問い合わせなどのアクションを起こした状態のことです。
 
電話でのお問い合わせや、店舗への訪問などのリアルなアクションもコンバージョンの一種に数えて構いません。
 
どんなにアクセス数が多くても、結局はコンバージョンを獲得できなければ会社の売上げにはつながらないため、コンバージョンの獲得がホームページの最終目標であり、ゴールです。
 
※コンバージョンについては、以下のページでさらに詳しく解説しています。

コンテンツの充実度が同等であれば、デザインが優れているほうがより多くのコンバージョンを獲得できる

コンテンツの充実度が同等であれば、デザインが優れているほうがより多くのコンバージョンを獲得できる
そして、ホームページのデザインはこのコンバージョンを獲得できる確率、コンバージョン率に大きな影響を与えます。
 
このことは以下の例をご覧いただければ簡単に理解できると思います。
 
たとえば、自分がマイホームの新築を予定していてインターネットで情報収集しているときに、以下のA・B二つの工務店のホームページにアクセスしたとします。
 
A.古臭い印象のデザインで、色使いなども安っぽく見えるホームページ
B.デザインに清潔感があり、施工事例なども美しく掲載しているホームページ
 
これで家の価格帯とその他のコンテンツの充実度が同等であれば、断然Bの工務店のほうに相談したいと思うはずですし、家を建てるのもお任せしたいと考えると思います。
 
このように、Webデザインはアクセス数自体を増やすことには向いていませんが、訪問者のアクションの喚起には大いに役立ちます。

Webデザインは表層的な美しさを追求するのではなく、コンバージョンの獲得を重視した作りにすべき

Webデザインは表層的な美しさを追求するのではなく、コンバージョンの獲得を重視した作りにすべき
また、ホームページのデザインがコンバージョンに影響を与えるのは、単純な美しさだけではありません。
 
各ページの最後には「お問い合わせ」や「無料見積もり相談」、「見学会へのお申し込み」などのメールフォームにつながるバナーボタンを設置したほうが、当然コンバージョンの獲得数は大きくなりますし、場合によってはバナーボタンの色・デザインを変更しただけでコンバージョン率が改善する例もあります。
 
※一般的にオレンジや緑色のバナーボタンはクリック率が高いとされています。実際、Amazonの「カートに入れる」のバナーボタンは黄色に近いオレンジ色です。
 
このように訪問者の動きや感情を予測しながら、アクションを誘導しやすいデザインや構成にすることは、表層的なホームページの美しさよりも重要です。

中小企業のホームページデザインは、会社のブランディングに直結する

多数の広告チャネルを活用できる大企業とはちがい、中小企業にとってホームページは数少ない情報伝達手段

多数の広告チャネルを活用できる大企業とはちがい、中小企業にとってホームページは数少ない情報伝達手段
さらに、ホームページのデザインは会社や商品のブランドイメージ形成にも大きく関わります。
 
とくに広告宣伝費が少なく知名度も低い中小企業においては、その重要性は大企業よりも大きなものとなります。
 
大企業であれば、テレビCMや新聞広告・雑誌広告、Web広告など自社ホームページ以外にも、情報を伝えてブランドイメージを形成できるチャネルがいくらでもありますが、中小企業ではそうではないからです。
 
中小企業では、ホームページのデザインが会社全体のイメージを決定づけます。

自社のターゲット層によって、最良のWebデザインは変化する

自社のターゲット層によって、最良のWebデザインは変化する
もちろんそこでは、単純にデザインがきれいかどうかもポイントになりますが、自社のターゲット層にマッチしたデザインになっているかどうかが、より重要です。
 
たとえば、数十万円~数百万円の高級な自転車専門のショップであれば、高級感を打ち出したデザインにしたほうが訪問者のニーズにマッチしますし、価格にも説得力を与えられるでしょう。
 
ですが、ママチャリなどの安価な自転車がメインのサイクルショップで、高級感重視のWebデザインでは逆効果になってしまいます。
訪問者がハードルの高さを感じ、来店に二の足を踏むケースが続出するかもしれません。
 
つまり、どの会社にとってもベストなWebデザインというものは存在せず、狙っているターゲット層によって最適なWebデザインは千変万化するのです。

Webデザインで重視すべきなのは自分や他の社員の好みではなく、訪問者に響くかどうか

Webデザインで重視すべきなのは自分や他の社員の好みではなく、訪問者に響くかどうか
ホームページのデザインを構想するときには、自社はどんなブランドイメージを打ち出したいのか、どんなターゲット層に響くデザインにしたいのかを綿密に立案するようにしましょう。
 
ブランディングは集客だけでなく購入単価やリピート率にも大きく関わります。
 
以上のようなコンバージョン率アップやブランディングへの貢献を意識することが、戦略にのっとったWebデザインとなります。
 
「なんとなく色が自分の好みではない」などの、訪問者への意識が乏しい状態でデザインを組み上げていけば、成果を出すことは難しいでしょう。
 
重視すべきなのは自社の社員や経営者の好みではなく、ターゲットの好みだからです。
そして、それを把握するには競合他社・同業他社のホームページの綿密なチェックが肝要になります。
 

ここまで「Webデザインはあくまで自社のマーケティング戦略を実現するための手段にすぎず、Webデザイン自体が目的になってはいけない」というお話をしてきました。
 
それでは、戦略的なWebデザインとはどのように構成すればよいのでしょうか?
これからそれを解説していきます。

戦略的なWebデザイン構成1.訪問者が検索するキーワードと違和感なくつながるファーストビューにする

訪問者は自分が検索時に使用したキーワードがファーストビューにないと、不安に感じる

訪問者は自分が検索時に使用したキーワードがファーストビューにないと、不安に感じる
Webデザインを制作するうえでは「訪問者がどんなキーワードで検索した結果、このページにアクセスするのか」の想定は必須です。
 
たとえば「横浜市 お風呂 リフォーム」というキーワードでGoogle検索したユーザーが、検索結果上のひとつのサイトを選んでアクセスしたとします。
 
そこで開かれた最初の画面(ファーストビュー)に、「横浜」「リフォーム」という文字がまったくなく、お風呂の画像もなければどうなるでしょうか?
 
訪問者は「開くページを間違えたかな。このホームページには自分が求めている情報はなさそうだ」と判断して、すぐに他のサイトへと逃げてしまうでしょう。

とくにトップページのファーストビューでは「商品・サービスは何なのか」と「商圏」をかならず明示すべき

トップページのファーストビューでは「商品・サービスは何なのか」と「商圏」をかならず明示すべき
以上のような事態を防止するために、訪問者がYahoo!やGoogleなどで検索するキーワードを想定したら、かならずそのキーワードをファーストビューの目立つ位置に表示させてください。
 
とくにトップページのファーストビューでは「どんな商品・サービスを提供しているのか」「商圏はどこまでなのか(日本全国で対応可能ならその旨も明記すべき)」が瞬時に理解できるようにしておきましょう。
 
商圏の明示は工務店・介護・医療・飲食・サービス業などのローカルビジネスではとくに重要なので、ファーストビューには○○県や○○市の文字を目立つように表示してください。
 
大都市圏のBtoC(一般消費者向け)ビジネスであれば最寄り駅を書いておくのも有効です。
 
※なお、以下のページで自社の商品・サービスから検索キーワードを想定する方法を解説していますので、こちらもぜひご覧ください。

戦略的なWebデザイン構成2.訪問者の心理の動きを想定したページ構成にする

Webページではファーストビューで訪問者の心を惹きつけられなければ、それ以降を読んでもらえない

Webページではファーストビューで訪問者の心を惹きつけられなければ、それ以降を読んでもらえない
また各ページはWebページの特徴にしたがった戦略的な構成になっていなければなりません。
 
Webページの最たる特徴を簡単にいえば、「ファーストビュー(ページを開いたときの最初の画面)で訪問者を惹きつけられなければ、下のほうにどんなに良い内容が書かれていても訪問者には読まれない」ということです。
 
「訪問者を惹きつける」という言葉を目にして「やはりインパクトのあるデザインにしなければ…」と考える方がいらっしゃるかもしれません。
 
ですが、とりわけ中小企業のホームページにおいては、訪問者が惹きつけられるか否かにおいてデザインのインパクトは大して重要ではありません。それは二の次、三の次の要素です。

訪問者がそのページに惹きつけられるかどうかは、デザインのインパクトではなく「自分ごと化」の有無で決定される

訪問者がそのページに惹きつけられるかどうかは、デザインのインパクトではなく「自分ごと化」の有無で決定される
中小企業のホームページが訪問者を惹きつけられるかどうかは、実は「自分ごと化」がなされているか否かで大半が決定されます。
 
企業ホームページにおける自分ごと化とは、訪問者への「あなたはこんな要望・お悩み・疑問をお持ちではありませんか?」という共感と、「弊社ならそのお悩みを100%解消できます」という解決策の提示のことです。
 
もう一度、世界トップクラスのマーケッターであるジョー・ピュリッジの言葉を思い出してください。
 
『顧客はあなたのことも、あなたの製品やサービスのことも全く気にかけていない。彼らが気にするのは、結局は自分自身のこと、彼ら自身の欲求やニーズだけである。』
 
つまり中小企業のホームページで一番重要なのは、「このページには自分の要望・悩みが書いてある」と訪問者の共感を呼ぶ情報を提示できるかどうかであり、Webデザインはそれに奉仕する存在でなければなりません。
 
どんなにインパクトのあるWebデザインだろうが、おしゃれで流麗なWebデザインだろうが、自分の要望・お悩み・疑問を解決してくれそうもないページを訪問者がスクロールすることはないのです。

ファーストビューの「自分ごと化」でスクロールを誘発して、本文・お問い合せにつなげる

ファーストビューの「自分ごと化」でスクロールを誘発して、本文・お問い合せにつなげる
検索エンジンから集客を狙うページやトップページでは、この自分ごと化を徹底しておこなう必要があります。
 
自分ごと化で訪問者を惹きつけてスクロールを誘発したら、商品・サービスの詳しい内容説明や自社の紹介などの本文を読んでもらいます。
 
本文には訪問者の要望・お悩みを解決する手段が書かれていなければなりません。
 
最後に資料請求やお問い合わせ、イベント参加などのアクションを訪問者に起こしてもらいます。

Webページの三部構成が機能するように、デザインを組み立てよう

つまりWebページは以下の三部構成が基本になります。
 
  1. ファーストビュー(自分ごと化・興味付け)
  2. 本文(訪問者の要望・お悩みを解決する手段の提示、商品・サービスの詳細な説明)
  3. CTA(Call to Action、お問い合わせや商品注文などのアクション誘導)
Webページの基本・三部構成
この三部構成はトップページ、商品・サービスの紹介ページ、ランディングページなど、あらゆる種類のWebページに応用できます。
 
初心者はまずはこの三部構成を意識しながらWebページを組み立ててみてください。
 
※Webページの三部構成については、以下のページでさらに詳しく解説しています。ぜひこちらもご覧ください。

戦略的なWebデザイン構成3.QUESTフォーミュラ

戦略的なWebデザイン構成3.QUESTフォーミュラ
Webページの三部構成を理解して基礎を固め、より売上げに直結するページを作りたいという方には、QUESTフォーミュラというテンプレートをオススメします。
 
QUESTフォーミュラとは、著名なコピーライターであるマイケル・フォーティン(Michel Fortin)氏が提唱している、読者を惹きつけて売上げをアップさせる文章の法則です。
 
QUESTとは文章の各パートの頭文字をピックアップしたものです。
 
【QUESTフォーミュラの各パートの意味】
Q…Qualify(適任とする。ページのターゲットを絞りこむ)
U…Understand(理解する。訪問者のお悩みや要望を理解し、共感する)
E…Educate(教育する。問題や要望の解決法を訪問者に伝える)
S…Stimulate(活気づける。商品・サービスの購入意欲を鼓舞する)
T…Transition(変化させる。訪問者を顧客へと変化させる)
 
なお、フォーミュラ(Formula)とは規格やお決まりのやり方を意味し、日本語では「QUESTの法則」とも呼ばれています。
QUESTフォーミュラの各パートのまとめ
QUESTフォーミュラは顧客の購入心理に則したページが初心者でも簡単に作れるテンプレートなので、「商品・サービスの紹介ページをどう構成すればいいのかわからない…」という方はぜひこちらを応用してみましょう。
 
なお、以下のページでQUESTフォーミュラの利用方法をより詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

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中小企業向けのホームページ戦略・デザイン戦略が簡単に学べる参考書籍

中小企業向けのホームページ戦略・デザイン戦略が簡単に学べる参考書籍
なお、より詳しく体系的に中小企業のホームページ戦略・デザイン戦略を学びたい、という方には以下の書籍がオススメです。
 
 
デザインだけでなく、中小企業のホームページ全体の戦略立案方法について、初心者にもわかりやすく書かれており具体例も豊富です。
とくに、上野のアメ横でナッツとドライフルーツを販売している「株式会社小島屋」様の売上げを7倍にアップさせたマーケティング戦略・デザインの組み立て方の解説はとても勉強になります。
 
以下にAmazonの商品ページへのリンクを設置しておりますので、興味のある方はぜひお手に取ってみてください。

お客様の課題解決を手助けできるWebデザインとは何かを考えよう

お客様(訪問者)はおしゃれなWebデザインではなく、自分の要望・お悩み・疑問を解決できる情報を求めている

お客様(訪問者)はおしゃれなWebデザインではなく、自分の要望・お悩み・疑問を解決できる情報を求めている
ここまで、中小企業のホームページにおいて見た目や表層的なデザインにこだわりすぎると、集客・運営に失敗する理由を解説してきました。
 
内容をまとめれば「お客様(訪問者)はおしゃれなデザインやきれいなデザインを目当てに、ホームページにアクセスするのではない。自分の要望・お悩み・疑問を解決できる情報を求めてホームページにアクセスする」という言葉に尽きます。
 
中小企業のホームページ担当者がまず考えるべきなのは、お客様が抱えている課題は何なのかを分析することと、それを解決できる情報・メッセージなどの中身の練り込みであり、表層的なWebデザインの細部ではありません。

企業ホームページで成果を出すには、「お客様のことをどれだけ理解し、効果的な課題解決ができるか」というビジネスの本質が問われる

企業ホームページで成果を出すには、「お客様のことをどれだけ理解し、効果的な課題解決ができるか」というビジネスの本質が問われる
つまり、企業ホームページでアクセス数を増やして売上げをアップさせるには、「お客様のことをどれだけ理解し、有効な課題解決ができるか」というビジネスの本質が問われます。
 
この本質をおろそかにしたままホームページを運営しても、アクセス数や売上げをアップさせることは至難の業です。
 
まずは自社の営業社員・販売員へのインタビューや、同業他社の優秀なホームページの分析を通して、お客様のことをしっかりと理解してそれを言語化してみましょう。
 
お客様の課題を解決できるメッセージができあがったら、Webページの三部構成やQUESTフォーミュラを意識しつつ、それを最大限伝えられる構成を模索して原稿を書いてください。
 
その段階まで下準備を綿密におこなえば、Webデザインはみなさんのビジネスを大きく手助けしてくれる心強い味方になるはずです。