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中小企業ホームページで初心者が過大評価・過小評価しがちなポイント

中小企業ホームページで初心者が過大評価・過小評価しがちなポイント
【こんな方にオススメ!】
  • 「企業ホームページの運営担当者を任されたけど、何をすればいいのかわからない…」
  • 「アクセス数や集客数、売上げが増えなくて困っている…」
  • 「現在の企業ホームページ運営方針のどこが悪いのかわからない…」
  • 「企業ホームページ運営の方針が立てられない…」
  • 「中小企業のホームページで成功するための王道を知りたい」

現在は中小企業でもホームページ(HP) を運営している会社が多いですが、アクセス数・集客数・売上げがなかなか伸びず苦戦している会社も少なくありません。

ですが低迷している中小企業のホームページには、実はある共通した特徴があります。

とくに初心者の中小企業ホームページ担当者には過大評価・過小評価しがちなポイントが複数あり、その誤解がホームページの不振につながっているケースが散見されます。

逆にいえば、その過大評価・過小評価しがちなポイントを改善することで、飛躍的にアクセス数・集客数・売上げを伸ばせるチャンスがあるのです。

今回はホームページ運営の初心者が誤解しがちな過大評価ポイント・過小評価ポイントをわかりやすく紹介し、本当に売上げや成果を増やせる企業ホームページにできる考え方をレクチャーします。

ホームページ運営だけでなく、中小企業のWebマーケティング全体にも通じる内容も多いので、集客・売上げをアップさせたい方はぜひご覧ください。

目次

企業ホームページ運営の初心者が過大評価しがちなポイント

ホームページ運営の初心者が過大評価しがちなポイント
まずは企業ホームページ運営の初心者が過大評価しがちなポイントを解説します。

これから紹介するポイントは、一見目立ちやすく重要そうに思えるのですが、時間や手間を費やしても肝心の集客数や売上げアップには直結しづらい内容です。

また、社内目線や自社目線(特に上層部)では重視されがちなポイントでもあります。

しっかりと理解し、企業ホームページを失敗に誘いこむ落とし穴にはまらないようにしましょう。

過大評価ポイント1.表層的なデザインや見た目の美しさ

表層的なホームページデザインの美しさや細部にばかりこだわっても、売上げには直結しない

表層的なホームページデザインの美しさや細部にばかりこだわっても、売上げには直結しない
中小企業のホームページ運営の初心者がもっとも陥りがちなのが、ホームページのデザインや見た目の美しさへ必要以上にこだわることです。

細かなバナーの色やフォントなどにこだわるホームページ担当者や経営者も多いですが、こと中小企業のホームページでは、デザインの細部にこだわってもほとんど売上げにはつながりません。

ホームページデザインにこだわっても、GoogleやYahoo!などの検索エンジン経由のアクセス数は増えない

ホームページデザインにこだわっても、GoogleやYahoo!などの検索エンジン経由のアクセス数は増えない
中小企業のホームページにおいて、デザインにこだわっても効果が薄い最大の理由が、デザインの良し悪しはアクセス数に直接影響しないことです。

まずは企業ホームページについて、根本的なところから改めて考えてみましょう。

Web広告を使わないかぎり、中小企業のホームページのアクセス数の大半はGoogleやYahoo!などの検索エンジン経由になります。

中小企業がホームページで成果を出すには、まず検索エンジンからの集客を増やさないとなにも始まりません。

※なお、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからアクセスを集める手法のことをSEO(検索エンジン最適化)対策と呼びます。詳しくは以下のページをご覧ください。

参考ページ:SEO対策とは? 10年・20年と長期的に企業ホームページで集客できる基本を、初心者にもわかりやすく解説!

GoogleやYahoo!はページ内の文字情報を中心にクオリティを判断しているため、デザインは検索順位に影響しづらい

そしてGoogleやYahoo!などの検索エンジンがどのように検索順位を決定しているかといえば、ページ内の文字情報をメインにクオリティを判断し、ランキング付けをしているのです。

検索エンジンのクローラー(Webページの内容を読み取るプログラム)は文字情報を読み取るのは得意なのですが、デザインの良し悪しまでは判断できないため、きれいなデザインの企業ホームページを作ったとしても、検索上位を獲れるかはまったく別のお話になります。


※クローラーなどの検索エンジンの仕組みについては、以下のページをご覧ください。

中小企業のホームページではアクセス数をどのように増やしていくかが死活問題になりますので、原理的にそこにコミットできないWebデザインの重要性は低いというわけです。

「GoogleやYahoo!からの集客数を増やすために、デザインにはとことんこだわろう!」という姿勢は、「明日は算数のテストだから、今日は一生懸命国語の勉強をしよう!」と言っているようなものなので、失敗するのは目に見えています。

とくにホームページ運営の初心者ほど「優れたデザインにすれば、企業ホームページの検索順位も上がってアクセス数も増えるはずだ」と勘違いしがちなので、そこは認識を改めておく必要があります。

参考ページ:中小企業のホームページで、おしゃれなデザインや見た目だけにこだわると失敗する理由とは?

ホームページのデザインは、アクセスする訪問者が一定数いて初めて効果を発揮する

ホームページのデザインは、アクセスする訪問者が一定数いて初めて効果を発揮する
また、デザインが優れていれば検索結果からアクセスされやすくなるということもありません。

みなさんご存じのとおり、検索結果に表示されるのはページのタイトルと説明文だけなので、そのサイトのデザインが優れているかどうかはアクセスしてみないとインターネットユーザーには判断できないからです。

裏になったトランプのカードのマークがなにかは、超能力者でもないかぎり表にしてみないとわからないのと一緒です。

つまりホームページのデザインはアクセス数が確保されて初めて効果を発揮するものであり、アクセス数を増やすための努力をしないままデザインばかりにこだわっても成果には直結しないのです。

そもそも、ほとんどの訪問者は企業ホームページのデザインを憶えてすらいない

そもそも、ほとんどの訪問者は企業ホームページのデザインを憶えてすらいない
書籍『デジタルマーケティングの定石 なぜマーケターは「成果の出ない施策」を繰り返すのか?』によれば、500人以上にアンケートしたところホームページのデザインの美しさが決め手で商品を購入した人はゼロだったとのことでした。

また、商品を購入した人のなかでホームページのデザインや色、ロゴ、サイト名を憶えていた人は1割にも満たなかったとのことです。


もちろん、あからさまに古いデザインや商品・サービスのイメージと違いすぎるデザインでは訪問者に不信感や違和感を与えてしまいますが、最低限整った見た目のデザインであれば企業ホームページで成果を出すうえでまったく問題はありません。

中小企業のホームページでデザインにこだわりすぎるのは、「国語のテストで90点 算数のテストで30点を取っているときに、算数に時間を使わずに国語の勉強ばかりしているようなもの」です。

点数の伸びしろが低い部分に多大な時間や労力を費やしているわけですから、失敗してしまうのは火を見るより明らかでしょう。
デジタルマーケティングの定石

デジタルマーケティングの定石

  • 作者:垣内勇威
  • 出版社:日本実業出版社
  • 発売日: 2020年09月10日頃

企業ホームページのデザインは訪問者への情報提供と有機的に結び付いたときに大きな効果を発揮する

企業ホームページのデザインは訪問者への情報提供と有機的に結び付いたときに大きな効果を発揮する
むしろデザインで重要なのは、表面上のきれいさなどではなく、訪問者が求めている情報が端的かつわかりやすい構成で並べられているかです。

※そちらについては以下のページで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

参考ページ:効果的なWebページは三部構成で作成できる! 集客力とお問い合わせ数をアップさせる基本を解説

つまりWebデザインは訪問者への情報提供と有機的に結び付いていれば優れた効果を発揮するのですが、その戦略がないまま表層の美麗さにこだわっても、集客・売上げなどの成果獲得は難しいのです。

過大評価ポイント2.トップページ

過大評価ポイント2.トップページ
トップページの過大評価は企業ホームページ運営の初心者が高確率で陥りやすい誤解であり、アクセス数や集客数の増加を妨げる遠因にもなっています。

トップページのデザインの細部や些末な言い回しにこだわるかわりに、下層ページの作り込みや増加をおろそかにしている会社は少なくないですが、それではアクセス数を増やしづらいのが実情です。

企業ホームページのアクセス数はサイト内のページ全体で集めるほうが安定しやすく、トップページ頼りでは集客の伸びしろが少なくなってしまうからです。

実際、成功している企業ホームページでは、トップページ経由のアクセス数は全体の20%以下にすぎないと言われています。

また、トップページでは意図的に検索上位を獲得するのが初心者では難しい点も、トップページ依存の企業ホームページの低迷に拍車をかけています。

企業ホームページで集客・売上げアップを狙うなら、一刻も早くトップページ依存型のサイトから脱却し、分散集客型のサイトを目指さなければなりません。
トップページ依存型ホームページ
トップページ依存型ホームページ
分散集客型ホームページ
分散集客型ホームページ

過大評価ポイント3.気の利いたキャッチコピーや、かっこいい英語のキャッチコピー

中小企業のホームページではおしゃれなキャッチコピーよりも、訪問者のニーズに結び付いたセールスコピーにすべき

中小企業のホームページではおしゃれなキャッチコピーよりも、訪問者のニーズに結び付いたセールスコピーにすべき
ホームページ運営の初心者ほど大企業のサイトやCMを真似して、あいまいなキャッチコピーや英語のキャッチコピーを好む傾向がありますが、中小企業の場合はこれもほとんど売上げには関係ない要素です。

中小企業のホームページに訪問者が求めているのは、会社としてのオリジナリティや個性、あいまいなかっこよさなどではなく、「自分が抱えている課題・要望をこの会社は解決してくれるのか?」を示す具体的な情報です。

たとえば、みなさんが虫歯になって歯医者を探しているときのことを考えてみてください。

ある歯科医院のホームページにアクセスしたときに、カッコいい英語のキャッチコピーが目立って掲載されているけれど、急患はOKか、診療時間はいつか、今日は休診日ではないか、住所はどこかなどの必須情報がすぐに見つからなければ、相当なストレスを感じることでしょう。

中小企業のホームページで重要なのはあいまいなキャッチコピーではなく、セールスコピーです。
お洒落さや格好良さが重要なのはごくわずかな業種のホームページにすぎません。

時価総額が20兆円を超える会社であるNetflixでさえ、かっこよさよりも顧客目線のわかりやすさを追求したキャッチコピーにしている

たとえば、動画配信サービス・Netflix(ネットフリックス)のサイトのキャッチコピーは「映画やTV番組、アニメが見放題」という極めて簡素かつ直接的なものです。 ※2021年1月現在

参考ページ:Netflixサイト

時価総額が2000億ドル(約21兆円)を超え、自他ともに認める世界的企業であるNetflixですら、かっこよさとは無縁ですが顧客目線でわかりやすいセールスコピーを掲載しているのです。

弊社も含めた中小企業が、より真剣に顧客目線を追求したコピーにすべきなのは言うまでもないでしょう。

過大評価ポイント4.意味の範囲が広い言葉

意味の範囲が広い言葉を使うほど、訪問者のニーズからは離れたページになってしまう

意味の範囲が広い言葉を使うほど、訪問者のニーズからは離れたページになってしまう
「意味の範囲が広い言葉」とだけ書かれてもよく分からないと思いますが、これはつまり「私たちの会社なら何でもできますよ!」とアピールし、それぞれの商品・サービスを具体的に書かないことです。

たとえばある企業ホームページのファーストビュー(アクセスして最初に表示される範囲の画面)に、「●●株式会社なら■■県の水回りの工事になんでも対応します!」とだけ書かれているとします。

ですが、みなさんよく考えてみてください。
単に「水回りの工事」をしたい人なんてそんなにいるでしょうか?

訪問者は「お風呂のリフォームがしたい」「配水管の工事をしたい」「トイレのリフォームがしたい」「キッチンのリフォームがしたい」など、各人バラバラの具体的なニーズを抱えているはずです。

「どこを工事するのか決めていないけれど、とりあえず水回りの工事をしたい」という人は皆無でしょう。

キッチンのリフォームをしたいと明確なニーズを持っている人は、「水回りの工事」にキッチンのリフォームが含まれるのかがわからず、ホームページから離れてしまう可能性もあります。

企業ホームページの運営初心者は「まずは意味の範囲が広い言葉を使っておけば、多くのお客さまのニーズが含まれるだろうから安心」と考えがちなのですが、実際はまったく逆で、範囲が広い言葉ほど誰の心にも刺さらずに離脱を招いてしまう可能性が高いのです。

意味の範囲が広い言葉の近くには、より具体的な単語を配置して補うようにする

もちろん意味の範囲が広い言葉を使うのが絶対にNGなわけではないですが、かならずその言葉の付近には具体的な内容を指し示す言葉も併せて配置するようにしてください。

たとえば「水回りのリフォーム」という言葉の周りには、「キッチン・トイレ・お風呂など幅広いリフォームを承ります!」との具体的な単語を配置しましょう。

ホームページの訪問者は、自社の思い通りに言葉の意図を読み取ってなどくれません。
とりわけ趣味や娯楽に関係するわけでもない企業ホームページの言葉は、数秒で読み飛ばされる運命にあります。

企業ホームページでは意味が広いあいまいな言葉に頼るのではなく、ストレートで具体的な言葉を盛り込むようにしてください。

過大評価ポイント4.自社の思い、自社が伝えたいこと

「自社の思い、自社が伝えたいこと」は計画段階では大事だが、ホームページでは常に訪問者はこちらの期待どおりには動かないことを意識すべき

「自社の思い、自社が伝えたいこと」は計画段階では大事だが、ホームページでは常に訪問者はこちらの期待どおりには動かないことを意識すべき
自社の思い、自社が伝えたいことは、たしかにホームページの運営方針を計画する段階では大事です。

それらがないと、ホームページにどんなコンテンツを配置すべきか、デザインのテイストなどを確定することが難しいですし、ホームページ制作会社とのやり取りも困難になるでしょう。

ですが、その自社の思い・自社が伝えたいことを企業ホームページの全面にも押し出すべきかはまったく別問題です。

企業ホームページは訪問者が能動的にアクセスし、内容を読み進めるものなので、営業社員によるリアル商談やテレアポなど企業側が情報伝達をコントロールできるコミュニケーションとは性質がまるで異なります。

営業社員によるリアル商談やテレアポなどでは、情報を伝える順番や言葉の補足などをリアルタイムに調整・工夫できますが、企業ホームページではそれが一切できません。

どのページを読むか、どこを読み飛ばすか、どこからお問い合わせするかなどは、すべて訪問者(お客さま)の側にコントロール権があり、企業側はそれに干渉することができないのです。

ホームページは圧倒的に訪問者優位のコミュニケーションであり、訪問者が主役なのです。

「自社の思い、自社が伝えたいこと」だけにこだわっても訪問者には無視される それよりも「訪問者が知りたいこと」は何かを考えよう

そのためいくら自社が伝えたいことを訪問者の心理を無視して並べ立てても、訪問者は一顧だにせず目的の情報を探すことのみに集中します。

そして、「このホームページには自分が求めている情報はないな」「この会社にお願いしても、自分の要望・お悩みは解決してもらえなさそうだな」と判断したら、躊躇なくそのホームページを離脱してしまうでしょう。

訪問者が企業ホームページを見切るか否かの判断はおおむね1分以内におこなわれます。
一度見切られてしまえば、大半の訪問者は二度と戻ってくることはなく、競合他社のホームページへ依頼することになります。

企業ホームページはそれだけシビアに訪問者に判断されているため、自社が伝えたいことにこだわって肝心の情報提供がおろそかになっていれば、お問い合わせや売上げにもつながりません。

詳しくは後述しますが、企業ホームページでは常に「自社が伝えたいこと」よりも「訪問者(お客さま)が知りたいこと」のほうが優先されるべきです。

過大評価ポイント5.完成度

情報量に物理的限界があるチラシ・提案書では完成度を上げるという考え方は有用だが、ホームページでは必ずしもそうではない

情報量に物理的限界があるチラシ・提案書では完成度を上げるという考え方は有用だが、ホームページでは必ずしもそうではない
1ページあたりの完成度にこだわるのも、中小企業のホームページではマイナスに働くことが多いです。

とりわけデザインの細部や体裁などの表層的な部分の完成度を追求しても、労多くして益少ない場合がほとんどです。

完成度に必要以上にこだわる方は、チラシや提案書などの別の業務と同じ感覚をホームページ運営に持ちこんでいないでしょうか?

もちろんチラシや提案書などでは細部までこだわることが必要な場面も多いです。

ですが、ホームページ運営はそれらの資料作成とは根本的に業務の性質が異なります。

端的にいえば、ホームページ運営では終わりや完成といった概念がなく、コンテンツやページ数を増やせば増やすほど集客力や売上げが増加していくからです。

チラシ・提案書などの物理的な資料にはかならず紙幅の物理的な限界があります。

掲載できる情報量に限りがあるため、完成度を上げるという概念が有効でした。

ですが、ホームページにはそのような情報量の物理的限界が存在しません。

そして中小企業のホームページでは情報量を増やせば増やすほど集客は強化されやすく、成果に直結します。

チラシ・提案書が減点法なのに対して、ホームページは加点法と根本的にルールが異なる

学校のテストでたとえるなら、以下のような明確なちがいがあります。

チラシ・広告・提案書…問題数が限られている、通常の100点満点のテスト(最高でも100点までしか取れないテスト)

企業ホームページ…制限時間内なら問題数がいくらでも追加され、解けば解くほど200点でも300点でも点数を積み上げられるテスト


通常の100点満点のテストであれば、制限時間が余ったら答え合わせをする(=完成度を上げる)というのがもっとも効率的で合理的な方法です。

ですが、制限時間内にいくらでも問題を解いてよく点数に限界がないテストであれば、当然ながら答え合わせに時間を割くよりも、新たな問題を次々に解いたほうが点数は高くなります。

完璧を目指して間違いをなくすことに徹底するよりも、多少間違えても加点を多くしたほうが効率的だからです。

つまり、チラシや広告・提案書作りと企業ホームページのコンテンツ作りはルールが根本からまったく異なるわけです。

企業ホームページでは欠点をなくす思考よりも、加点を増やす思考にしたほうが圧倒的に成果を出せる

企業ホームページでは欠点をなくす思考よりも、加点を増やす思考にしたほうが圧倒的に成果を出せる
企業ホームページで100点満点の理想的な1ページを作ったところで、それは「たかが100点」のページでしかありません。

ホームページの世界では100点の理想的なページが、少し雑に作られた60点のページ×2に集客数・売上げ貢献度で大敗することがよくあります。
そちらのほうが、100点vs 60点×2=120点で合計点が高くなるわけですから、当たり前の話です。

1ページのデザインの細部や些末な言い回しを練り上げて、「自分にとって最高のページができた!」と満足していても、そのこだわった時間を使って新ページを追加していたほうが集客にも売上げにも直結していた可能性があるのです。

とりわけ中小企業のホームページでは、「欠点がないサイト」よりも「加点が多いサイト」のほうが、圧倒的にパフォーマンスが高くなります。

企業ホームページ運営の初心者が過小評価しがちなポイント

企業ホームページ運営の初心者が過小評価しがちなポイント
次は企業ホームページ運営の初心者が過小評価しておろそかにしがちなポイントを解説します。

先程の過大評価しやすいポイントに比べて、地味で目立たない内容が多いです。
社内の会議などで注目されやすいキャッチーさは、あまりないかもしれません。

しかし、どれも地味ですが企業ホームページの集客数・売上げをアップさせるには、もっとも効率的な内容ばかりです。

企業ホームページ運営の初心者の方は、ぜひ以下のポイントを重視して業務を進めてみてください。


過小評価ポイント1.文章・テキスト情報

Web広告などに資金を投入しない場合、中小企業ホームページの集客力・お問い合わせ数・売上げはほとんど文章で決まる

Web広告などに資金を投入しない場合、中小企業ホームページの集客力・お問い合わせ数・売上げはほとんど文章で決まる
企業ホームページ運営の初心者はデザインを重視して文章・テキストを軽視しがちですが、実は文章・テキスト情報は驚くほど重要です。

とくにWeb広告を使用しない中小企業のホームページにおいては、文章・テキストによって集客力・お問い合わせ数・売上げの大部分が決定されるといっても過言ではありません。

なぜ企業ホームページにおいて、文章・テキスト情報はそれほどまでに重要なのでしょうか?

文章・テキストこそが企業ホームページのアクセス数を決定する

まず理解しておかなければいけないのが、企業ホームページのアクセス数は大抵の場合は、文章によって左右されることです。

リスティング広告(検索連動型広告)・SNS広告などの各種Web広告を利用しない場合、企業ホームページのアクセス数のほとんどはGoogleやYahoo!などの検索エンジン経由でもたらされます。

つまりGoogleやYahoo!からの集客力を強化しないと、企業ホームページのアクセス数は伸びず、どんなに優れたデザインのホームページであっても成果を出せないのです。

そしてGoogleやYahoo!などの検索エンジンは、文章・テキスト情報によってWebページ・コンテンツのクオリティを判断し、検索順位を決定しています。

よって文章・テキスト情報は、単に訪問者に情報を伝えるだけでなく企業ホームページにアクセスをもたらす要の役割を担っているのです。

文章・テキスト情報は企業ホームページ全体を駆動させるガソリンです。


とくに企業ホームページ運営の初心者の方は、文章・テキスト情報はアクセス数や集客に大きく関わるという意識を忘れないようにしてください。

アクセス数を集められない中小企業ホームページの多くは、文章・テキストの不足が原因

アクセス数を集められない中小企業ホームページの多くは、文章・テキストの不足が原因
そして大半の中小企業ホームページがアクセス数を集められず、売上げで苦戦している理由も文章・テキストの不足に端を発しています。

企業ホームページの文章・テキストが少なければ、「情報量が少ないホームページ」と検索エンジン側に判断されてしまうため、検索上位の獲得が著しく困難になります。

また、文章・テキスト情報は検索順位だけでなく、検索エンジンでヒットするキーワードの種類にも直結します。

たとえば工務店のホームページ内に「パントリー」という単語がどこにもなければ、「●●県 注文住宅 パントリー」などの検索キーワードで上位表示される確率はほぼゼロになります。

昨今は検索エンジンの性能が向上しているため、ページ内にそのものズバリの検索キーワードがない場合にも、内容をAIが汲み取って検索上位に配置することもありえます。

しかし、やはりストレートに「パントリー」という言葉を含んでいるページに比べると、検索上位の獲得能力は大きく落ちるでしょう。

検索順位を上げるだけでなく、ヒットするキーワードを増やすうえでも文章・テキスト情報は極めて重要になる

SEO(検索エンジン最適化)対策では、検索順位を上げることばかりが注目されがちですが、実は「ヒットするキーワードの種類を増やす」という視点のほうが安定的にアクセス数を稼ぐうえでは重要です。

たとえ検索順位で1位を獲得した場合でも、検索ユーザーにクリックされる確率は30%程度しかないとされていますから、ひとつのキーワードだけで上位表示されてもアクセス数はそこまで増えません。

企業ホームページがアクセス数を増やすには、多様な種類の検索キーワードでヒットする体制を構築すべきです

そして「企業ホームページ内の文章量が多い=そこに含まれているキーワード・単語の種類も多い」ということなので、幅広い検索キーワードから訪問者を集めるうえでも文章量・テキスト量が極めて重要になるわけです。

参考ページ:文章をしっかり書けば検索順位が上がる! SEOと文字数の関係とは?

中小企業のホームページが文章不足・テキスト不足に陥りがちなのは、チラシ・提案書の内容を引き写ししていることが多いから

中小企業のホームページが文章不足・テキスト不足に陥りがちなのは、チラシ・提案書の内容を引き写ししていることが多いから
中小企業のホームページの多くが文章不足・テキスト不足に陥っている最大の理由は、チラシ・提案書の内容をホームページにそのまま引き写していることが多いからです。

チラシ・提案書もお客さまに商品・サービスのメリットや魅力を伝えるものなので、一見ホームページと役割が同じに感じられますが、紙とWebでは媒体としての性質がまるでちがいます。

チラシ・提案書などの紙媒体の資料では、掲載できる情報量に限界があるため端的かつ要約した言葉で商品・サービスの特徴を紹介しています。

もし紙面に載せられず、そこからこぼれ落ちた情報があったとしても、営業社員・販売員がお客さまに手渡して使うのであれば、トークでいくらでも補足できるのでそれで全く問題ないわけです。

一方、Webページには掲載できる情報量に物理的な限界がありません。
ですが、その代わりに内容を補足してくれる営業社員・販売員もいないため、お客さまに伝えるべき内容をすべて言語化して掲載しておく必要があります。

以上の理由から、チラシ・提案書の内容をそのまま企業ホームページにコピー&ペーストした場合、内容が不足しがちで食い足りないコンテンツになることが多いのです。

そして、情報量・内容が少ないホームページはGoogleやYahoo!などの検索エンジンの評価が低くなりますので、なかなかアクセス数を増やせない状況に陥りやすくなります。

まずは営業社員・販売員のトークを参考に原稿を作ろう

チラシ・提案書の単純なコピー&ペーストでは、GoogleやYahoo!から評価されるページにはなりえないのが現状です。

そこで、まずは営業社員・販売社員のトークをホームページ上で再現することを目標に執筆するのがよいでしょう。

商品・サービスの魅力をよりわかりやすく、より血の通ったリアルな言葉で表現するのです。

もしみなさんが総務や情報システム部などの、お客さまとは直接関わらない部署に所属している場合は、営業社員・販売社員に協力してもらってください。

実際の商談の様子を録音してもらい、その音声データを共有してもらっても構いません。

また、経営者や幹部の方は、ぜひ他部署の社員もホームページ担当者に協力するように働きかけてください。

※企業ホームページでの文章の書き方は、以下のページで詳しく解説しています。




過小評価ポイント2.下層ページ

デザインやレイアウトが地味な下層ページこそが、実は会社に集客・売上げをもたらすメインコンテンツ

デザインやレイアウトが地味な下層ページこそが、実は会社に集客・売上げをもたらすメインコンテンツ
トップページと比較して、レイアウトが地味なことが多く文章・テキスト主体の下層ページは、初心者から軽んじられがちです。

ですが実は下層ページは、企業ホームページの集客のメイン経路であり、下層ページが充実しているかどうかで、サイト全体のアクセス数には天と地ほど差がついてしまいます。

世の中には売れている中小企業のホームページと、売れていない中小企業のホームページがありますが、下層ページがその勝敗を分けていることが非常に多いです。

なぜ下層ページがそれほどまでに重要なのかというと、下層ページは検索結果に表示されてダイレクトに訪問者を集客する入り口になるからです。

たとえば、お風呂のリフォームの紹介ページを作り込めば「●●県 お風呂 リフォーム」などの検索キーワードで検索上位を獲得して、トップページを経由せずに直接訪問者がアクセスしてくれます。
キーワードの住み分けの図
※もちろん、アクセスを集められるのはページ内の文章をしっかりと作り込み、titleタグなどのSEO対策もできていることが前提です。titleタグの詳細などについては以下のページをご覧ください。

参考ページ:検索順位とクリック率をアップさせやすいtitleタグ(ページタイトル)の付け方を徹底解説!

下層ページはテキストメインで作ることが多いのでSEO効果が高いページを作りやすく、慣れればトップページよりもはるかに検索上位を獲得しやすいです。

企業ホームページでアクセス数が増えず、集客ができずにお困りの方は、まずは下層ページがおろそかになっていないかを確認してみてください。

過小評価ポイント3.ページ数

下層ページは集客の入り口になるので、内容の濃いページを増やせば増やすほど集客力は増強される

下層ページは集客の入り口になるので、内容の濃いページを増やせば増やすほど集客力は増強される
先述したとおり、下層ページは各検索キーワードに対応して訪問者を企業ホームページに呼び込む入り口の役割を果たします。

すると、各検索キーワードに特化した下層ページを増やせば増やすほど企業ホームページへの入り口が多くなり、集客力が高まることになります。

内容の濃いページを増やせば増やすほど、集客数・アクセス数が増えていく。
ホームページ運営の初心者ほどこの原則が理解できていないことが多いです。

コンテンツ・ページ数を増やせば、毎月見込み顧客を連れてきてくれる財産になると同時に、競合他社を寄せ付けない参入障壁にもなる

実際、主要なキーワードで検索上位を獲得している企業ホームページはほぼ例外なく豊富なページ数を誇っています。

たとえばみなさんの会社が工務店であれば、「●●県 注文住宅」「●●市 リフォーム」などのキーワードで検索してみてください。

検索上位に並んでいる同業他社の企業ホームページは、格段に自社サイトとページ数・文章量がちがうことに驚くはずです。

企業ホームページのデザイン性であれば、腕のいいホームページ制作会社に依頼すれば成功している競合他社を追い抜くことは比較的に簡単でしょう。

ですが、企業ホームページ全体のページ数・コンテンツ数の格差は一朝一夕には追い抜けません。

コツコツと追加して積み重ねたページは安定的なアクセス数を毎月もたらす財産であると同時に、競合他社を寄せつけない参入障壁にもなります。

企業ホームページを使って本気で集客と売上げをアップさせたい方は、まずはサイト内のページ数の増加に注力してみてください。

参考ページ:SEO対策の初心者はページ数を増やすことから始めよう! ホームページの集客とページ数の関係とは?
参考ページ:Webコンテンツとは何か? 企業ホームぺージのコンテンツ作成を基礎から徹底解説!
参考ページ:コンテンツSEOとは? メリットとデメリット、実施する際の具体的な手順をWebマーケティング初心者へ解説!

過小評価ポイント4.物量

過小評価ポイント4.物量
結局のところ、文章量とページ数などの物量で企業ホームページの成否は決定されるということです。

1ページあたりの文字数が500字なのよりは、1000字・2000字のほうが検索上位を獲得できる確率は高くなりますし、全10ページのサイトよりも、20ページ・30ページのサイトのほうがGoogleやYahoo!から集められるアクセス数は多くなります。

ただし、豊富な資金力と人材で一定量以上のページ数・コンテンツ数を確保できるのが当たり前の大企業のサイトやオウンドメディアでは、物量だけで競合する大企業と大きな差を付けるのは難しいので、質のウェイトが比較的に重くなってきます。

「コンテンツマーケティングでは量だけを求めても意味がない。質の追求も大事だ」とはよく語られますが、大企業が運営するサイトではたしかにその通りでしょう。
ネット上や書籍で広く語られているWebマーケティングのノウハウは大企業向けのものが多いので、「質と量が両方大事」という正論が取り上げられがちです。

ですが、中小企業のホームページであれば成功と失敗を分けるのは、基本的には物量の差になります。

「衆寡敵せず」との孟子の言葉があるように、少数では多数に勝てないことは古今東西の戦略論で常識として語られています。

もちろんSEO対策を綿密に実施し、良質な情報を掲載したページを作れば、ある特定のキーワードで、合計ページ数で上回る競合他社のサイトに検索順位で勝つことは可能でしょう。

実際、弊社のお客さまでもそのような例はいくつも見てきました。

ですが、単独の検索キーワードでランキング上位を獲得できても、サイト全体のアクセス数で競合他社のサイトを上回れるかはまったく別の話です。

単独の検索キーワードで稼げるアクセス数はそう多くないので、結局は全体的な文字数・ページ数に優れた競合他社のホームページに押し切られることになるでしょう。

より多く文章を書き、より多くページ化する。

結局のところ、中小企業のホームページ集客の王道はこれしかありません。


参考ページ:中小企業ホームページでは、質・完成度よりも量のほうが重要な理由

過小評価ポイント5.ページ・コンテンツの生産力

中小企業のホームページでは物量が重要である以上、会社全体のコンテンツ・ページの生産力が売上げの成長率に如実に反映される

中小企業のホームページでは物量が重要である以上、会社全体のコンテンツ・ページの生産力が売上げの成長率に如実に反映される
先述したとおり、中小企業のホームページでは文字数やコンテンツ数などの物量が集客力・売上げを大きく左右します。

そうするとホームページ担当者に求められる能力は、「いかに多くの原稿・ページ数を作成できるか」、つまり生産力になります。

※ただし資金を投入して外注でコンテンツを作る場合は、ホームページ担当者自身のコンテンツ生産力よりも、クオリティコントロールやプランニングの上手さのほうが重要になります。

見た目だけきれいなページを時間をかけて少量作れるホームページ担当者よりも、多少見た目は粗くても大量にページを作れるホームページ担当者のほうが、集客アップ・売上げアップを目指すうえでは明らかに優れています。

また、1人のホームページ担当者が作成できるコンテンツ数には限界があるため、複数人でコンテンツを作成する体制を構築している会社のほうが、ホームページの成長性・将来性に優れます。

経営者・幹部による戦略立案や組織作りに長けている会社のほうが、優秀なホームページ担当者が単に1人いる会社よりも集客や売上げアップを実現するのは容易でしょう。
中小企業では「ページ・コンテンツの生産力をいかに最大化するか?」という視点が欠けていることが多いです。

逆にいえば、ここに注力すれば数多くの競合他社を追い抜けるチャンスなので、ぜひ集客数・売上げをアップしたい方は、ページ・コンテンツの生産力の増強に着手してください。

※GoogleやYahoo!から集客できるページ・コンテンツの具体的な作り方は、以下のページで詳しく解説しています。

参考ページ:アクセス数を増やせる、良質なSEOコンテンツの作り方を徹底解説!

過小評価ポイント6.訪問者(お客さま)が求めている情報

過小評価ポイント6.訪問者(お客さま)が求めている情報
ホームページ運営の初心者が過大評価しがちなポイントで、「自社が伝えたい情報は、そこまで重要性が高くない」というお話をしました。

企業ホームページで集客数・売上げをアップさせるうえで重要なのは、「自社が伝えたい情報」ではなく、「訪問者(お客さま)が求めている情報」です。

ホームページをビジネスで活用したければ、まずは「訪問者が知りたいと思っている情報は何なのか?」を調査・整理することから始めてください。

  • お客さまからよく受ける質問は何か?
  • 商品・サービスを購入するまえのお客さまは、どんなお悩みや要望を持っているのか?
  • お客さまが商品・サービスを購入する直前に気にしていたポイントは何か?

以上を営業社員・販売員にヒアリングしたうえで、ページ内の文章やコンテンツに落とし込んでください。

中小企業のホームページは、徹底的なお客さま目線で構築しましょう。

  • 自社が伝えたい情報よりも、お客さまが知りたい情報を優先する
  • 社内事情よりも、お客さまの事情を優先する
  • 細かなデザインや体裁よりも、本質的な情報を優先する

これらが逆転していないか、ホームページ担当者や経営者は常に自覚的でなければなりません。


過小評価ポイント7.訪問者(お客さま)の課題解決

中小企業のホームページでは、最初から商品・サービスに強い関心があり購買意欲が高い訪問者が来ることはあまりない

中小企業のホームページでは、最初から商品・サービスに強い関心があり購買意欲が高い訪問者が来ることはあまりない
一般的な知名度が低い中小企業の場合、お客さまはどうしてもその会社の商品・サービスが欲しくて企業ホームページにアクセスするケースはほとんどありません。

つまり企業ホームページの運営は、「初期段階のお客さまは、自社の商品・サービスに興味がない」という前提からスタートしなければならないのです。

現に、弊社ディーエスブランドの商品はCMS(ホームページを簡単作成できるシステム)の「おりこうブログ」ですが、検索エンジン経由などで偶然このサイトにアクセスしたみなさんは、この時点では強い購入意欲を持ってはいないはずです。

※CMSについては、以下のページで詳しく解説しています。


つまり中小企業のホームページにおいて自社の商品・サービスをアピールするだけでは、訪問者の心には響かないのです。

訪問者(お客さま)は自分のお悩み・課題・要望には強い関心を抱いているので、まずはそこに訴求すべき

それでは、中小企業のホームページでは何にフォーカスを当てるべきなのでしょうか?

それはズバリ、訪問者(お客さま)自身のお悩み・課題・要望です。

訪問者は中小企業の商品・サービス自体には強い興味・信頼を持っていませんが、自身のお悩み・課題・要望を解決する手段には強い関心を抱いています。

ですから、中小企業のホームページでまず伝えるべきなのは「このページにアクセスしてくれたあなたのお悩み・要望を、私たちの会社なら解決できますよ!」という姿勢です。

中小企業のホームページはすべてお客さまの課題解決を中心に据えなければなりません。

アクセスを集められない企業ホームページや、あるいはアクセスはそこそこあるのにお問い合わせや売上げにつながらないホームページは、この課題解決の姿勢が足りていないことが多いです。

自社のお客さまが、どんなお悩み・課題・要望をお持ちなのかを、まずはじっくり考えてみよう

自社のお客さまが、どんなお悩み・課題・要望をお持ちなのかを、まずはじっくり考えてみよう
【例:工務店のホームページの訪問者のお悩み・要望・疑問】
  • リーズナブルな予算で注文住宅を建てられる会社を探している
  • 家事・子育てをしやすい間取りにしたい
  • 収納が充実した家にするにはどうすればいいの?
  • 狭小地・変形地でも家を建ててもらえるの?
  • 土地を現在持っていないんだけど、土地探しから手伝ってもらえるの?

【例:金型製作の機械製造業ホームページの訪問者のお悩み・要望・疑問】
  • 現在、切削加工で部品を作ってもらっているが、コストがかかるのでプレス加工にしたい
  • 高張力鋼板や厚板材などの難加工材のプレス成形ができる会社を探している
  • 試作品用の金型を短納期で設計・製作してほしい

以上のような、訪問者(お客さま)が抱えているお悩み・要望・疑問を洗い出したうえで、「私たちの会社ならそれを解決できますよ!」という内容を企業ホームページに追加してみましょう。

それだけでも、企業ホームページの集客力が大きく変わるはずです。

※訪問者のターゲティングのやり方や、どの顧客層を狙うかの戦略立案については以下のページで詳しく解説しています。

過小評価ポイント8.言語化

GoogleやYahoo!の検索上位を獲得し、集客・売上げにつなげている中小企業のホームページは、自社のビジネスの言語化が綿密になされている

GoogleやYahoo!の検索上位を獲得し、集客・売上げにつなげている中小企業のホームページは、自社のビジネスの言語化が綿密になされている
先ほど説明した訪問者(お客さま)のお悩み・要望・疑問の洗い出し作業ですが、言い換えれば「お客さまのお悩み・要望・疑問を言葉に置き換える」ということです。

この作業を「言語化」と呼びます。

集客・売上げアップに成功している中小企業ホームページと、失敗している中小企業ホームページでは、この言語化の部分で大きな差がついています。

GoogleやYahoo!の検索上位を獲得し、集客・売上げアップを実現している中小企業のホームページは、ほぼ例外なく言葉による説明が丁寧です。

アクセスするお客さまのお悩み・要望・疑問を、「こんなお悩みありませんか?」と具体的なシチュエーションが思い浮かぶように言葉を添えて先回りして掲載したうえで、「なぜ自社の商品・サービスなら解決できるのか?」を説得力豊かに語っています。

また、商品・サービスの売り込みページだけでなく、専門用語の解説やノウハウの紹介ページなども整備しており、GoogleやYahoo!から集客強化と同時におもてなしの姿勢も表現しています。

自社のビジネスの言語化に積極的な企業と消極的な企業では、ページ・コンテンツの生産力や集客力、訪問者(お客さま)に与える信頼感に大きな差が付く

自社のビジネスの言語化に積極的な企業と消極的な企業では、ページ・コンテンツの生産力や集客力、訪問者(お客さま)に与える信頼感に大きな差が付く
自社がその業界のプロフェッショナルとして活動し、蓄えてきた知識・経験・技術をきちんと言葉にできる会社は、当然原稿を書くスピードも速くなりますし、より多くのページを増やせます。

逆に、言語化をしていない会社では、お客さまのお悩み・要望・疑問を言葉に起こせないので、どうしても企業ホームページの文章もあいまいになり、誰の心も惹きつけないサイトになりがちです。

また、自社の商品・サービスの特徴やこれまで蓄積してきた知識・経験・技術を文字にできないため、読みごたえのあるコンテンツを作れず、常に情報不足でページ数も少なくなります。

Web広告などに大量の資金を投入できるのであれば別ですが、言語化が不足している中小企業ホームページは常にアクセス不足・集客不足に苦しめられることでしょう。

先述したとおり、GoogleやYahoo!などの検索エンジンは、基本的に文字情報(テキスト情報)をもとにページのクオリティを判断し、検索結果のランキングを決定しているからです。

つまり、言語化が不十分な企業ホームページはGoogleやYahoo!からの集客面で致命的な欠陥を抱えることになります。

また、企業ホームページでは営業社員や販売員が対面もしくは電話などでお客さまと会話する場合とちがって、臨機応変な補足ができません。

つまり企業ホームページに言語化して掲載していない情報は、訪問者には絶対に伝わらないということです。

※「動画コンテンツなら文字がなくても大丈夫なのでは?」との疑問をお持ちの方もいるかもしれません。ですが初心者が動画制作をする際には、構成を練ったりシナリオ執筆をする時点で綿密な言語化作業が求められます。

このように、言語化の作業は企業ホームページ運営の根幹部分で大きく影響するのです。

中小企業のホームページ運営で一番重要なのは、パソコンをうまく使うことではなく、紙とペンだけでもできる言語化の作業

中小企業のホームページ運営で一番重要なのは、パソコンをうまく使うことではなく、紙とペンだけでもできる言語化の作業
「自社のホームページで集客できないのは、Webマーケティングの専門知識が足りないからだ」と考えている方も多いかもしれませんが、実際にはこの言語化の作業で差がついていることがほとんどです。

そして、言語化の作業自体にはWebマーケティングの専門知識やパソコンのうまさは、まったく必要ではありません。

紙とペンさえあれば、お客さまのお悩みや商品・サービスの特徴などの言語化は十分可能だからです。

企業ホームページの運営方針でお悩みの方はいきなりパソコンを触るのではなく、まずは紙とペンを用意して、以下の問いに対する答えを言語化してみましょう。

【ホームページ運営方針を言語化するための8つの質問】
  • ターゲットとするお客さまは一般消費者ですか? それとも企業・団体などの法人ですか?
  • 自社の商品・サービスを購入すると、お客さまはどんな効果や結果を得られますか?
  • その効果を求めているお客さまは、現在どんな要望やお悩みを持っていますか?
  • お客さまがその要望・お悩みを持つに至った背景は何ですか?
  • 競合他社の似たような商品・サービスではなく、みなさんの会社からお客さまが購入すべき理由は何ですか?
  • 商品・サービスの購入を検討しているお客さまが、疑問に思う点や不安に感じている点(購入を妨げているポイント)は何ですか? つまり、購入前のお客さまが知りたいと思っている情報は何ですか?
  • (企業・法人がターゲットの場合) お客さまが商品・サービス購入の決裁を通す際に、必要な情報は何ですか?
  • お客さまが商品・サービスの購入を先延ばしにすべきではない理由、つまり今すぐ購入すべき理由は何ですか?

これらの質問に合計1000字~2000字以上の情報量でスラスラ回答できないようだと、お客さまや自社の商品・サービスに対する考察や言語化がまだまだ不足しています。

以上の質問に対する回答を言語化できれば、今後のホームページ運営の方針やコンテンツ・ページの作成プランが具体化するでしょう。

また、現在ホームページのリニューアルを検討中なのであれば、言語化した回答をWordやメモ帳に起こして制作会社に共有することで、意思疎通とリニューアルプランの共有がしやすくなります。

同じ料金のままクオリティが高いサイトを作れる可能性も増えるでしょう。

企業ホームページの運営初心者が過大評価・過小評価しがちなポイントまとめ

【過大評価しがちなポイントまとめ】
  1. デザインや見た目の美しさ
  2. トップページ
  3. 気の利いたキャッチコピーや、かっこいい英語のキャッチコピー
  4. 意味の範囲が広い言葉
  5. 自社の思い、自社が伝えたいこと

【過小評価しがちなポイントまとめ】
  1. 文章・テキスト情報
  2. 下層ページ
  3. ページ数
  4. 物量
  5. ページ・コンテンツの生産力
  6. 訪問者(お客さま)が求めている情報
  7. 訪問者(お客さま)の課題解決
  8. 言語化


以上が、中小企業ホームページの運営初心者が過大評価・過小評価しがちなポイントのまとめになります。

ホームページ担当者や経営者・幹部の方は、現在の自分のホームページ運営業務を見直したうえで、過大評価しがちなポイントに費やしていた時間を減らし、過小評価しがちなポイントにより時間を投入するようにしてください。

そうすることで、中小企業のホームページのアクセス数・集客数・売上げは飛躍的にアップしやすくなるはずです。

また、現在ホームページの開設・リニューアルを検討中の方には以下のコンテンツもオススメです。


さらに企業ホームページの運営を体系的に知りたい方は、以下のページもぜひご覧ください。