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『ビジネスパーソンのためのChatGPT活用大全』 企業ホームページ運営参考書籍レビュー

更新日:2024.07.24
ChatGPT活用大全
生成AIに関する本・書籍をご紹介。今回は『ChatGPT活用大全』(監修:國本知里)の読みどころやポイントを紹介します。

「ChatGPT」の基本知識やアカウント登録手順などに加えて、すぐにビジネスで使える81の活用術が紹介されています。

生成AIを使いこなすうえで重要なプロンプトについても、具体的に紹介してあるので、日々の業務に活かせる知識がすぐに身につく1冊となっています。

特に重要なポイント・内容

  • AIは「Artificial intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と呼ばれている。プログラムを用いて人工的に人間の思考プロセスや情報処理を再現する技術のこと。

  • 2022年にリリースされた生成AI「ChatGPT」は、わずか2カ月間でユーザー数は1億人を突破した。「ChatGPT」は質問への回答、アイデアの提案、記事や物語の作成、文章の要約や翻訳、プログラムのコード生成などできることが多彩である。

  • ChatGPTを使いこなすには、プロンプトの理解が不可欠。プロンプトとは、IT分野においては、システムの操作時に入力や処理を促す文字列を指す。ChatGPTでは、テキストを自由に入力できる「Send a message」欄がプロンプトとなり、生成AIに指示を入力する箇所となる。

  • ChatGPTはひとつのチャット上の会話を記憶し、情報を蓄積する。この特徴を利用して、いくつかの質問や指示を重ねることで、自分の求めている結果に少しずつ近づけられる。最初の出力で期待通りの回答が得られなくとも、リテイク(修正)を繰り返せば精度が上がる。さらにChatGPTをブレスト(アイデア出し)の相手にして会話を重ねることで、ヒントにつながり、別視点からのアイデアをくれる。

  • ChatGPTにタスクを与える場合には、段階ごとに分けるとよい。例えば「次の文章を要約し、翻訳して」と指示を出す場合、要約と翻訳のタスクを同時に与えると精度が下がる。要約→翻訳というように、段階を踏みながらタスクを与えることで、出力の結果がよいものになる可能性が高い。
  • プロンプトを作成するコツ
    【指示を明確にする】
    抽象的な文章や指示では、期待通りの出力を得ることは難しい。

    【ChatGPTの立場を指定する】
    プロンプトで「あなたは〇〇です」という立場や役割を指定すると精度が上がる。

    【条件を細かく指定する】
    「アイデアを箇条書きで10個上げて」や「〇文字以内でまとめて」など、条件を指定して出力の範囲を狭めるやり方も効果的。

    【追加のプロンプトで調節する】
    同じチャット内であれば、会話内容を覚えて結果に反映してくれる。出力されたものに返答したり、指摘したりして追加の条件や修正点を加える。
     
  • ビジネスで使用する場合は、個人情報や機密情報の取り扱いは慎重に行うこと。入力した情報が学習に使用された場合、それらの情報が誤って流用される危険性がある。

  • ChatGPTを何でも知っている“先生”として頼るのは、あまりよくない使い方である。あくまで“アシスタント”として活用することで、業務の幅や効率、品質が向上する。

ビジネススキルを高めるための活用術

  • 文章を校正してほしい
    文章の校正は手間がかかる業務。最終確認前の一次的な校正ツールとして利用すると良い。
    1.校正する際の注意点を明示する
    2.校正してほしいと指示する
    3.もとの文章を入力する

    〈プロンプト例〉
    以下の文章を、文意を変えないように、校正してほしい。
    ~文章~

  • 文章の内容を要約してほしい
    何字程度で要約をするのか、どのような主旨で要約をするのかをプロンプトで指定すると、求めているものに近い要約が出力される。
    1.要約の注意点を明示する
    2.文字数を指定する
    3.要約する内容を入力する

    〈プロンプト例〉
    次の文章を〇〇の魅力がわかるように300文字で要約してほしい。
    ~〇〇の説明文~

対話や表現の精度を上げるための活用術

  • プレゼンテーションに使うスライドの内容を考えてほしい
    プレゼンテーションの所要時間や分量を指定して、調整を行うことも可能。
    1.プレゼンの対象を指定する
    2.スライド構成の考案を指示する
    3.プレゼン内容を入力する

    〈プロンプト例〉
    以下は新たな商品のアイデアです。この商品をプレゼンするための、スライドの構成を考えてほしい。
    商品名:〇〇
    特徴:〇〇

  • プレゼンテーションの台本を考えてほしい
    発表の台本を生成できると、プレゼンの全体像をイメージできる。ただし、そのまま活用できるほどのクオリティではないので、たたき台として利用する。
    1.プレゼンする内容を指定する
    2.台本を考えてほしいと指示する
    3.プレゼン内容を指定する

    〈プロンプト例〉
    以下は新たな商品のアイデアである。この商品を客に発表するプレゼンテーションの台本を考えてほしい。
    商品名:〇〇
    特徴:〇〇

  • 会議の議事録を作成してほしい
    「文字起こしの要点から議事録を作成して」という指示をすると、長文にならず読みやすい議事録が生成できる。
    1.会議の文字起こしであることを明示する
    2.議事録の形式と作成を指示する
    3.録音の文字起こしを入力する

    〈プロンプト例〉
    以下は会議の録音の文字起こしです。会議で挙がった要点を箇条書きにして、会議の議事録を作成してほしい。
    ~会議の文字起こし文章~

  • SNSで告知すべき内容を考えてほしい
     
    SNS上でコンテンツをより魅力的に思わせる体裁上の工夫、さらには、ユーザーの目に触れやすくなるハッシュタグも設定してくれる。
    1.告知したいコンテンツ内容を明示する
    2.告知場所を指定し、告知内容の検討を指示する
    3.商品の詳細情報を入力する

    〈プロンプト例〉
    以下はカフェで提供する新商品の情報です。SNSでの告知内容を考えてほしい。
    商品名:〇〇
    商品説明:〇〇
    販売時期:〇〇

アイデアを生み出すための活用術

  • 企画書の素案を作ってほしい
    頭の中で漠然としていた情報を項目ごとに整理することで、情報の過不足を客観視できる。
    1.企画について明示する
    2.企画案の素案の作成を指示する
    3.企画の内容を入力する

    〈プロンプト例〉
    以下は新たな企画案のまとめである。これをもとにして企画書の素案を作ってほしい。
    企画名:〇〇
    概要:〇〇
    期間:〇〇
    目標:〇〇
    テーマ:〇〇

  • WebサイトのFAQを考案してほしい
    FAQ(よくある質問と回答)を掲載することで、問い合わせ対応の煩雑化を防ぎ、ユーザビリティの向上やそれに伴う顧客満足度の向上が期待できる。
    1.Webサイトの概要を明示する
    2.項目の用途を明示する
    3.項目の数を指定し、項目の検討を指示する

    〈プロンプト例〉
    私の会社は通信販売サイトでの商品やサービスの提供を中心に行っている。ホームページに載せる「サイト利用」に関するQ&Aの項目を3つ考えてほしい。

ビジネスの知識を補強するための活用術

  • 商品利用者のペルソナを考えてほしい
    ペルソナ(商品やサービスの典型的な顧客像)を設定することで、メンバー間で共通の顧客像を共有できる。認識のズレが発生しづらくなるため、議論の活性化や顧客に寄り添ったサービスの開発につながる。
    1.対象を明示する
    2.ペルソナの考案を指示する
    3.商品の概要を入力する

    〈プロンプト例〉
    以下の商品の顧客のペルソナを考えてほしい。
    商品名:〇〇
    特徴:〇〇

その他の意外な活用術

  • 目的に合ったExcelの関数を教えてほしい
    関数にはさまざまな種類があるため、目的に合った関数を選択して使いこなすのは難しい。
    1.関数の用途を明示する
    2.Excelの関数を教えてほしいと指示する
    3.出力の体裁を指示する

    〈プロンプト例〉
    在庫管理に使えるExcelの関数を教えてほしい。使い方も一緒に教えて。


本書は、生成AIを有効活用するために重要なプロンプトにフォーカスしたChatGPT入門書となっています。初めてChatGPTを利用する方はもちろん、すでに活用している方でも新たな使い方のヒントが得られるでしょう。

ChatGPTで日々の煩雑な業務を代替できれば、人間はよりコアな業務に専念できるため労働力不足の解消にも貢献します。

本書を手引きとして、ビジネスでのChatGPT活用の新たな可能性を切り拓いてみてはいかがでしょうか。
ビジネスパーソンのためのChatGPT活用大全

ビジネスパーソンのためのChatGPT活用大全

  • 作者:國本知里
  • 出版社:Gakken
  • 発売日: 2023年11月24日頃
 この記事を書いた人
高島 耕
高島 耕
株式会社ディーエスブランド Webマーケター
ディーエスブランド入社後、メールマーケティングやセミナー運営、社内業務のDX化に携わる。現在はメタバースや生成AIなどの、先端技術分野のライティングを担当。