『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』 企業ホームページ運営参考書籍レビュー
ナタリーコミック初代編集長によるビジネスに特化した文章作成術の書籍です。
毎年数多くの未経験者を、立派なライターに育て上げてきた知識と経験が盛り込まれた1冊です。
毎年数多くの未経験者を、立派なライターに育て上げてきた知識と経験が盛り込まれた1冊です。
未経験者がつまずく場面や疑問点を例文をまじえ解説されているため、未経験者はもちろん、新人教育を担当される方にもおすすめです。
【特に重要なポイント・内容】
- 良い文章とは完読される文章である。
完読とは・・・読者を飽きさせず文章を最後までよんでもらうこと。 - 文章を書き始める前に、「主眼」と「骨子」を立てる。
主眼・・・文章のテーマのこと。たとえば料理本ならば、特定の料理のレシピや作り方など。
骨子・・・主眼を達成するための骨組みのことで、「要素」「順番」「軽重」の3つから構成されている。
このように書き始めは「テーマ」を決め、「何を」「どれから」「どのくらい」書くか準備する。 - 主眼と骨子の組み立てはプラモデルの作成に似ている。
「主眼」をプラモデルの箱絵(完成イメージ図)、「骨子の要素」をパーツ、「順番・軽重」を取扱説明書とし、文章をプラモデル化することで組み立てやすくするという考え。 - 書きたい文章に含まれそうな話題・情報を収集し、事実をトピックス化していく。
※この作業は5W1Hを基準に考えると欠落している情報がわかる - 料理は目と耳で味わうというが、文章も同じで見た目のイメージやたち現れるリズム感で理解しやすい文章かそうでないかがきまる。意味は脳、字面は目、語呂は耳と複数の感覚器を使って確認することで、ストレスを感じさせない完読できる文章になる。
- 漢字の割合が多すぎると文章が黒く難しく見えてしまい、逆にひらがなやカタカナが続くと間が抜けて見えるので、ほど良いグレーを目指す。
(悪い例)ひらがなの連続で読みにくく間の抜けた印象
秦基博、ゆず、いきものがかりらがさいたまスーパーアリーナにやってくる
(良い例)順番を入れ替えることでメリハリがつき読みやすい印象
ゆず、いきものがかり、秦基博らがさいたまスーパーアリーナにやってくる - 「人が野菜を食べる」「野菜が人に食べられる」のような受動と能動をはっきり意識する
- 文頭一語目の直後には読点を打たないほうがスマートに見える
例)✕私は、その日大阪へ旅行に出ていました。
○私はその日、大阪へ旅行に出ていました。 - 約物(文字や数字以外の記号)の使いすぎは文章の品性を下げかねないので注意し、正しい用法で活用する
(悪い例)
「二階堂ふみ」と「星野源」が主演する、メーキャップブランド【マキアージュ】の“スペシャル”ショートムービー『Snow Beauty』が、特設サイトにて公開される。
(良い例)
二階堂ふみと星野源が主演する、メーキャップブランド・マキアージュのスペシャルショートムービー「Snow Beauty」が、特設サイトにて公開される。 - インタビューの基本は「同意」と「深掘り」である。
インタビューの本質は、相手の話したいことをより豊かに聞き出すこと。
「なるほど」「すごいですね」などの同意や賛同と「それってどういうことですか?」という深掘りで、インタビューに深度と発展をもたらし話題に対する正確な理解を得られる。
完読を目的とした文章の書き方を解説しているので、「ライターになりたい」「文章を上手に書けるようになりたい」と考えている方に最適な1冊です。
また企画書や重要な連絡メールにも使える工夫が多く紹介されているため、社会人や就活生など幅広い層にもおすすめできます。
文章の書き方だけではなく、どのように話題を集めるかやインタビューの方法などの内容もありますので、文章を書くさまざまな場面で活用できるお守りのような本になるでしょう。