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『Webライティング実践講座 ニュースリリースから商品説明まで』 企業ホームページ運営参考書籍レビュー

更新日:2025.07.03
Webライティング実践講座 ニュースリリースから商品説明まで 表紙
企業ホームぺージ運営やマーケティングに関する本・書籍をご紹介。
今回は『Webライティング実践講座 ニュースリリースから商品説明まで』(著:林 千晶、中野 克平)の読みどころやポイントを紹介します。

企業がWebから集客を成功させるには、魅力的な情報発信が欠かせません。
 
本書では、Webライティングの基本から、製品説明や広告での文章作成について実例を見ながら学べます。
 
Webライティングについて学びたい方、企業の営業・マーケティング担当者の方はぜひご覧ください。

特に重要なポイント・内容

ライティングとWebライティングの違い

ライティング:人に読んでもらうための文章作成の技術
Webライティング:人だけでなくGoogleやYahoo!などの検索エンジン(機械)にも読んでもらうための技術
 
たとえば、検索結果では見出し(titleタグ)が35文字までしか表示されないため、Webライティングでは見出しを35文字以内にする必要がある。

※実際に表示される文字数は端末、利用環境によって変化します。


起承転結の「転」から考える

商品紹介やニュースリリースなどどのような文章でも、印象に残り、話題になるにはストーリー性が必要。
ありきたりな文章にしないためには、起承転結の「転」から考える。
 
特に、起承転結の「起」から書き始めるのはNG

(例)東京ビッグサイトで開催される「日本の味展」で、当社の総料理長が手打ちつけ麺を振舞うというストーリー

悪い例:テーマから書き始める
起:東京ビッグサイトで「日本の味展」が開催されます
承:当社は総料理長自らが手打ちつけ麺を実演します
転:実際は何千食も手打ちではつくれないのでレトルトも混ざっています
結:ほとんどの方が総料理長の手打ち麺を食べれません

良い例:「転」から考える
起:総料理長は普段はテストキッチンにいて表に出てきません
承:東京ビッグサイトで「日本の味展」が開催されます
転:なんと総料理長自らが手打ちつけ麵を実演します
結:午前10時から100食限定の手打ちつけ麺をお楽しみに!
 

必ず見出しから書く

Webライティングでは見出しが最初に読まれるため、最も重要。
見出しにニュース性、驚き、起承転結の転がなければ興味を持ってもらえない。
 
見出しは3種類しかない

  • SEO見出し…検索エンジンでの上位表示を狙うための見出し

35文字以内で、メインキーワード・セカンドキーワード・ターゲットキーワードの3つのキーワードを組み合わせて構成する。

(例)
  • メインキーワード(集客したいコンテンツのテーマ):ワイン
  • セカンドキーワード(ユーザーのニーズ、知りたい情報):つまみ
  • ターゲットキーワード(ユーザーの属性や状況):自宅
→見出し「ワインのつまみが自宅で作れる激旨レシピ」

セカンドキーワードは、検索ボックスにメインキーワードを入力すると簡単に調べられる。
「プロテイン」がキーワードであれば、セカンドキーワードは
「英語」「効果」「飲むタイミング」 から決めるとよい。

プロテインがメインキーワードの場合のセカンドキーワードの候補
※プロテインがメインキーワードの場合の、セカンドキーワードの候補(画像の赤枠)

  • 煽り見出し…読者の興味を引き出すための見出し。

驚きや意外性を取り入れる。ただし、大げさにすると批判を浴びかねないので注意。

(例)
  • 肉だけで痩せるダイエット
  • 元首相の○○氏、次選挙で落選必至

  • 要約見出し…検索エンジンからぺージにアクセスした人のための見出し

    読み始めた人の利便性のためにつける見出し、「主語+述語」が基本。
    この項目の最初、「必ず見出しから書く」も要約見出し。

3種類の見出し

種類
目的
具体例
必須要素
SEO見出し
検索順位で上位に表示
ワインのつまみが自宅で作れる激旨レシピ
メイン、セカンド、ターゲットキーワード
煽り見出し
ユーザーの興味を引く
肉だけで痩せるダイエット
驚き、意外性
要約見出し
内容を簡潔に伝える
必ず見出しから書く
短くする、主語+述語

文章構造:理由と結論はどちらが先か

文章を構成する際に理由と結論どちらを先にするかは、文化的背景が影響している。
 
結論→理由(アメリカ式)
最初に言いたいこと、つまり主張や結論をはっきり伝え、そのあとに根拠や背景を述べる。
ビジネスでは好まれやすい。
 
(例)
「今後は全社的にリモートワークを推奨します。なぜなら、移動時間の削減と業務効率の向上、そして従業員満足度の向上が期待できるからです。加えて、オフィスのコスト削減にもつながります。」
 

理由→結論(日本式)
まず背景や理由を丁寧に説明した上で、最後に結論を提示する。
「必然的にこうなった」という印象を与えやすく、結果に共感してもらいやすい。
 
(例)
「近年、通勤時間のストレスや、働き方の多様化に対するニーズが高まっています。また、実際にテレワークを導入している企業の多くで、生産性の向上が確認されています。これらの理由から、当社でも全社的なリモートワークの推奨を進めていきます。」
 

文章の受け手や目的に応じて、どちらの構成が適しているかを判断しながら使い分けることが、効果的なWebライティングには必要である。

PR(広告宣伝)の形も変化している

「仕掛けるPR」から「乗っかるPR」へ変化している。
 
仕掛けるPR…有名人を起用したテレビコマーシャル、新聞社や出版社の広告掲載
乗っかるPR…話題のイベントやトレンドに合わせたタイムリーな投稿
 
乗っかるPRの例:
  • 流行中のダイエット法に乗じた健康食品の特集記事
  • 流行語大賞が発表された直後にタイトルに活用、SNSでの発信

ソーシャルメディアを成功させるコンテンツ戦略

自社だけが検索結果の上位に表示され、競合他社が表示されなければ有利。
集客用キーワードを選んでコンテンツを企画作成し、自社がなるべく上位に表示されるようにすればよい。
 
他社と差別化できるコンテンツ…How to型のコンテンツ

(例)
  • マヨネーズ 作り方
  • エアコン 取り付け方
 
こうした情報提供型の記事は、製品の直接的な販売につながらなくても、認知度向上・信頼構築に寄与し、結果として購買に貢献する可能性がある。
 

売れる説明文の4つの要素

購買意欲を高める文章には、以下の4要素を含めるのが効果的

  • 課題設定
  • 課題の解決策
  • 買わない理由の否定
  • 購入後のメリット
 
(例)高性能コーヒーメーカーの説明文

  1.  課題設定(共感を呼ぶ悩みの提示)
    毎朝のコーヒー、インスタントでは物足りない。でも、カフェに行く時間もお金もかかる…。自宅で本格的な味を楽しめたらいいのに。

  2. 課題の解決策(商品・サービスの価値)
    このコーヒーメーカーなら、豆から挽いて抽出まで全自動。プロのバリスタが淹れたような香り高い一杯を、ボタンひとつで再現できます。

  3. 買わない理由の否定(不安や疑問への先回り対応)
    「手入れが面倒そう…」という心配は不要。自動洗浄機能付きで、使った後も簡単。初めての方でも安心して使えます。

  4. 購入後のメリット(未来のポジティブなイメージ)
    朝の一杯が、あなたの一日を変える。忙しい日でも、ほっと一息つける時間が生まれます。家族や友人とのコーヒータイムも、もっと特別なものに。

レスポンス広告の5つの要素

レスポンス広告とは、資料請求・購入・来店などの行動を促す広告。
その構成には以下の5要素があるとよい。
 
  • ニュース性
  • ニュースをもたらすメリット
  • メリットの理由
  • 広告主自身の信頼感
  • 第三者による信頼性

(例)架空のサプリメント「リズムケア」のレスポンス広告例

  1.  ニュース性(今すぐ反応するメリット)
    【初回限定】今だけ、定期コース初月980円+送料無料キャンペーン実施中!

  2.  ニュースをもたらすメリット(通常よりもお得・行動の同期)
    通常3,980円のサプリが、初回980円で試せるチャンス。体調管理を始めたい方に、気軽にスタートできる価格です。

  3. メリットの理由(なぜいつもはそのメリットが提供できないのか)
    この価格は、初めての方にまずは気軽に試していただくための特別設定です。継続的な品質維持のため、通常は割引を行っていませんが、期間限定でご案内しています。

  4. 広告主自身の信頼感(メリットに嘘がないこと)
    「リズムケア」は、国内GMP認定工場で製造された安心品質。累計販売数は30万袋を突破し、2024年の健康サプリ部門では通販サイトランキング第3位を獲得。

  5. 第三者による信頼性(口コミ・受賞歴・メディア掲載など)
    「健康生活ジャーナル」掲載商品。購入者レビュー平均★4.6、「飲みやすくて続けやすい」「朝の目覚めが変わった」と好評です。
     


本書ではライティングの基本だけでなく、ニュースリリースや商品説明、広告など各コンテンツでの具体的な手法、例を紹介しています。
 
さらに、著者のライティング講座に参加した方の作例をもとに、文章の良い点や改善点を学ぶことができます。
 
Webからの販路拡大、見込み獲得のためにも、本書でWebライティングについて学んでみてはいかかでしょうか。
 
 
※以下のぺージでもライティングについて解説しています。興味がある方はぜひご覧ください。

Webライティング実践講座 ニュースリリースから商品説明まで

Webライティング実践講座 ニュースリリースから商品説明まで

  • 作者:林 千晶/中野 克平/中田 一会/井上 果林/小川 治人/君塚 美香
  • 出版社:角川アスキー総合研究所
  • 発売日: 2012年12月
 この記事を書いた人
藤縄 創大
藤縄 創大
株式会社ディーエスブランド Webマーケター
ディーエスブランドへ入社後、営業を経験したのちメールマーケティングやセミナー運営に携わる。現在は幅広い分野のライティングを担当。