IVR(自動音声応答システム)とAIチャットボットの違いを解説
更新日:2026.06.19

「IVRを導入したのに、電話の問い合わせがあまり減らない」といった悩みを抱える電話対応の担当者は少なくありません。一方で、「AIチャットボットも気になるが、導入コストが高そう」「専門知識がないと運用できないのでは」というイメージから、検討を後回しにしているケースも多く見られます。
IVRとAIチャットボットは、役割が大きく異なるツールです。そのため、両者の特徴や活用シーンを正しく理解せずに導入すると、「本来AIチャットボットが適している問い合わせ対応にIVRを使い続けてしまう」といったミスマッチが起こります。
自社の問い合わせ内容や業務フローを踏まえ、それぞれの特性を理解したうえで、適しているツールを導入することが重要です。
本記事では、IVRとAIチャットボットそれぞれの仕組みから、機能・運用・費用面での違い、そしてどちらを導入すべきかの判断基準まで、わかりやすく解説します。電話対応の負担を減らしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
IVR(自動音声応答システム)とは?

IVR(Interactive Voice Response、自動音声応答システム)とは、企業や店舗にかかってきた電話を、あらかじめ用意した音声ガイダンスに沿って自動的に対応するシステムのことです。電話を受けると「ご用件に応じて番号を選択してください」といった案内が流れ、利用者がボタンを押すことで、対応する部署や担当者へつないだり、よくある質問への音声回答を再生したりする仕組みになっています。
近年では、プッシュ操作だけでなく、利用者が話した内容をキーワード認識で読み取り、適切な案内先へ振り分けるタイプのIVRも増えています。
IVRは主に電話チャネル専用のツールとして使われており、代表的な用途には、営業時間外や休日の自動対応、担当部署への着信振り分け(かかってきた電話の内容に応じて、適切な部署や担当者に自動でつなぐこと)、混雑時の折り返し電話の予約受付などが挙げられます。
オペレーターが対応する前段階で問い合わせ内容を整理できるため、コールセンターやカスタマーサポート部門の負荷軽減を目的に導入されることが多いシステムです。
AIチャットボットとは?

AIチャットボットとは、ユーザーの質問や要望に対して生成AI(人工知能)が自動で回答を生成するシステムです。IVRが電話チャネルを前提としているのに対し、AIチャットボットは主にWebサイトを中心としたデジタルチャネルで利用されます。利用者はテキストを入力するだけで、人と会話するような感覚で疑問を解決できます。
従来のチャットボットは、あらかじめ用意したシナリオに沿って回答する「シナリオ型」が主流でした。一方、近年では、AIがユーザーの質問の文脈を理解し、柔軟に回答する生成AI型のチャットボットが広く利用されるようになっています。
生成AI型のAIチャットボットは、WebサイトのURLやPDF資料などを読み込ませるだけで、AIが内容を学習します。そのため、シナリオ型のように想定される質問ごとにQ&Aシナリオを一つひとつ作り込む必要がありません。結果として、シナリオ作成の工数を抑えつつ、短期間で運用を開始しやすい点が特徴です。
問い合わせ対応の自動化だけでなく、関連ページへの案内や、問い合わせ内容の可視化・分析にも活用できる点も、IVRとの違いといえます。
IVRとAIチャットボットの違い
IVRとAIチャットボットは、いずれも問い合わせ対応の効率化を目的としたシステムですが、多くの違いがあります。ここでは4つの観点から、それぞれの特徴を整理します。
1. 仕組み・特性の違い
IVRは電話専用のシステムで、音声案内に従ってプッシュ操作(ボタン操作)や音声認識をおこない、選択肢をたどりながら目的の窓口へ進んでいく仕組みです。一方、AIチャットボットは主にWebサイト上で利用され、利用者が入力したテキストに対してAIが回答します。
IVRが電話という単一チャネル上であらかじめ用意された分岐をたどる仕組みであるのに対し、AIチャットボットはWeb上で利用者が自分の言葉で自由に質問できる点が特徴です。この利用チャネルと操作方法の違いが、IVRとAIチャットボットにおける大きな差といえます。
2. 機能面の違い
IVRは、着信振り分けや折り返し予約の受付など、電話フローの管理を中心とした機能を備えています。「電話をどこの着信先へつなぐか」を整理する役割が中心です。一方、AIチャットボットは質問に対する自動回答に加えて、関連ページへの案内、問い合わせ内容の可視化・分析といった機能を持つ点が特徴です。問い合わせそのものを解決し、その内容をデータとして蓄積・活用できる点は、AIチャットボットならではの強みといえます。
3. 運用面の違い
IVRは、導入前にメニュー構成や分岐の設定を作り込む必要があります。導入後は、比較的簡単に内容を変更できるツールも増えていますが、選択肢の数が増えるほど構成の見直しには手間がかかりやすくなります。
一方、生成AI型のAIチャットボットは、WebサイトのURLやPDF資料を読み込ませるだけで初期設定が完了するものが多く、シナリオを一つひとつ作り込む手間がかかりません。導入後も、Web担当者が管理画面から回答内容を修正・更新できるツールが多く、運用の属人化を防ぎやすい点も特徴です。
4. 費用の違い
費用については、IVRもAIチャットボットも、製品やプランによって数千円程度から数百万円規模まで幅があります。IVRは、メニュー・分岐設定やカスタマイズにかかる初期費用が発生する場合が多く、運用後は着信数や通話時間に応じた従量課金が一般的です。一方、AIチャットボットは初期費用が無料の製品も多く、定額制が中心です。AIが回答を生成する際に消費する処理量である「トークン数」に応じた従量課金を採用しているツールもあります。
こうした違いから、問い合わせ件数が多い企業ほど、定額で利用できるAIチャットボットは費用対効果が得やすい傾向にあるといえます。Webサイトやメール経由の問い合わせ対応の件数が多い企業ほど、AIチャットボットの導入メリットが大きいです。
IVRとAIチャットボット、どちらを導入するべきか
IVRとAIチャットボットは、どちらが優れているかではなく、自社の問い合わせが多いチャネルはどこか、顧客層に合っているかどうかで選ぶことが重要です。ここでは、IVRとAIチャットボットが向いているケースと向いていないケースを整理します。
IVRが向いているケース

IVRが適しているのは、電話での問い合わせが多く、着信を適切な部署や担当者へ振り分ける自動化を最優先したい場合です。また、顧客層がWebサイトやスマートフォンの操作に不慣れで、電話以外の問い合わせ手段を選びにくい場合にも、IVRは有効な選択肢となります。
電話という従来からあるチャネルをそのまま活かしながら、対応を効率化できる点が強みです。
IVRが向いていないケース

一方で、IVRが向いていないケースもあります。複雑な情報提供や個別の質問への対応が求められる場合、あらかじめ用意された選択肢だけでは、十分に対応しきれません。
また、メニュー構成を頻繁に変更する必要がある場合や、商品の注文・サービスの予約などWebサイト上での操作が前提となるサービスの場合も、音声だけでは案内が完結しづらくなります。
さらに、業務効率化だけでなくスムーズな情報提供で、売上げアップを狙いたい場合などもIVRには向いていません。
たとえば商品やサービスの案内で画像やビジュアルが大きな役割を果たす場合、IVRでは力を発揮しづらくなります。たとえば、ファッションや家具などの小売業や、デザイン住宅の施工事例を紹介する場合などは、実際の写真が掲載されたWebページへ案内したほうが、商品やサービスの魅力が伝わりやすくなります。
言葉だけの説明では魅力が伝わりきらないうえ、図を使って説明したほうがわかりやすい内容も多いため、こうした場面はIVRでは対応しづらいといえます。
AIチャットボットが向いているケース

AIチャットボットが適しているのは、Webサイトなど電話以外のチャネルで問い合わせを受けたい場合です。FAQ対応や情報案内を自動化し、有人対応の負担を軽減したい場合や、24時間対応の窓口を設置したい場合にも向いています。
営業時間外や夜間でも、利用者が自分のタイミングで疑問を解消できる点が大きなメリットです。
また、回答の過程でWebページへの案内ができるので、写真や図を使った説明をしたほうがわかりやすいケースなども、AIチャットボットのほうが適しています。
顧客のニーズに最適な商品を提案したり、注文・資料請求などのコンバージョンにつながるバナーを常時表示したりすることもできるので、AIチャットボットは業務効率化だけでなく売上げアップにも活用できます。
AIチャットボットが向いていないケース

一方で、顧客が電話以外の手段をほとんど使わない場合は、AIチャットボットを設置しても活用されにくいことがあります。また、個人情報の入力や決済など、高度なセキュリティが求められる手続きをすべて自動で完結させたい場合も、AIチャットボットだけでは対応が難しいです。
こうした場合は、有人対応や専用システムと組み合わせた運用が現実的です。
IVRを導入したのに電話が減らないのはなぜか
IVRを導入したにもかかわらず、思ったほど電話の件数が減らないという声は少なくありません。ここでは、電話をかけるユーザー側と、IVRを運用する企業側、それぞれの視点から原因を整理します。
電話をかける側が感じるストレス
IVRの音声案内は、最後まで聞かないと次の操作に進めない場合が多く、聞き逃してしまうと最初の案内に戻ってやり直すしかありません。「1番から5番」のように選択肢が案内されても、自分の質問がどの番号に当てはまるのか判断しにくいことも多く、目的の窓口にたどり着く前に電話を切ってしまう利用者も少なくありません。
Foonz株式会社の調査結果のプレスリリースによると、IVRに不満や抵抗を感じやすい点として「長時間待たされる(担当者にたどり着くまでに時間がかかる)」が50.4%で最多となり、「機械的な案内にストレスを感じる」42.6%、「自分の要望に合う選択肢がなく困惑する」30.3%が続いています。
こうした不満が積み重なると、利用者は目的の選択肢にたどり着く前に諦めて再度かけ直したり、電話以外の問い合わせ手段に切り替えたりします。IVR運用上の課題としても「ユーザーが途中で離脱しやすい」が48.1%で最も多く挙げられており、選択肢にたどり着く前の離脱が、企業側でも大きな課題として認識されていることがわかります。
さらに、サービスの利用には結局Webサイトからの注文や予約操作が必要になるケースも多く、電話だけでは問い合わせが完結しない場面も少なくありません。
導入する企業側が陥りやすい課題
IVRを運用する企業側にも、課題があります。問い合わせの種類が増えるたびにメニューの分岐を追加していくと、構成がどんどん複雑になり、結果として利用者がさらに迷いやすくなってしまいます。また、「とりあえず担当者につなぐ」という選択肢ばかりが選ばれ続け、振り分けの自動化が思うように機能せず、電話対応の件数自体は変わらないというケースも見られます。
同調査では、IVRが原因のユーザー離脱を「とても多い」「やや多い」と回答した企業が合計で8割を超えており、多くの企業がこうした離脱を実感している一方、メニューや案内内容の改善は「必要に応じて都度実施している」という回答が60.1%で最多となっています。
AIチャットボットとIVRは別の窓口
IVRとAIチャットボットは、どちらか一方を選べばよいという対立する選択肢ではなく、対応するチャネルが異なるツールです。電話チャネルにはIVR、WebサイトやアプリといったデジタルチャネルにはAIチャットボットを設置することで、それぞれの強みを活かしながら問い合わせ対応の幅を広げられます。
Webサイト上でAIチャットボットを使って自己解決できる利用者が増えれば、そもそも電話をかける前に疑問が解消されるため、電話件数を減らすことにつながります。つまり「IVRがあるからAIチャットボットは不要」ということではなく、電話をかける手前の段階で解決できる窓口を増やすという発想が重要になります。
実際に弊社が担当した、ある産婦人科病院の事例では、電話対応の負担を軽減する目的でAIチャットボットを試験的に導入し、短期間で対応履歴が700件を超えるまでに利用が進みました。普段問い合わせ対応を担当している職員からも「電話の件数が以前より明らかに減っている」という声が上がり、その実感を踏まえて本格導入が決定されました。
Webサイトに情報を掲載しているだけでは、電話での問い合わせの件数を減らせませんでした。しかし、AIチャットボットを設置したことで、患者が自分のタイミングで疑問を解決できる導線を構築でき、結果として電話対応の負担軽減につながったといえます。
AIチャットボット「DSチャットボット」のご紹介

ここまで、IVRとAIチャットボットの違いや、それぞれの向き不向きについて解説しました。最後に、Webチャネルでの問い合わせ対応を自動化できるAIチャットボット「DSチャットボット」をご紹介します。
URLやPDF資料を読み込ませるだけで回答を自動生成

DSチャットボットは、WebサイトのURLやPDF資料を登録するだけでAIがその内容を学習し、回答を自動生成します。従来のシナリオ型チャットボットのように、想定される質問と回答を一つひとつ作り込む必要がないため、準備の手間をかけずに運用を始められます。
月額5,500円〜、初期費用無料で導入しやすい料金設計

DSチャットボットは初期費用無料、月額5,500円の低価格から利用できます。一般的にAIチャットボットというと高額なイメージを持たれることもありますが、コストを抑えながらスモールスタートで導入を検討しやすい価格です。
RAG(検索拡張生成)により、誤回答を抑えた高精度な回答を実現

DSチャットボットは、RAG(検索拡張生成、AIが回答を生成する際に、事前学習させたWebサイトやPDF資料などの内容を参照する仕組み)を採用しています。これにより、AIが事実と異なる内容を答えてしまう誤回答を抑え、自社の情報にもとづいた精度の高い回答を実現しています。
直感的に操作できる管理画面で、誰でも運用できる

DSチャットボットの管理画面は、ITの専門知識がない担当者でも扱いやすいシンプルな設計になっています。日々の回答内容の確認や修正もスムーズにおこなえるため、運用が特定の担当者に偏ってしまう属人化を防ぎやすい点も特徴です。
応答率98%以上の電話サポート体制で、運用面の不安にも対応

導入後の運用に不安がある場合でも、応答率98%以上の電話サポート体制が整っているため、操作に困ったときにすぐ相談できます。初めてAIチャットボットを導入する企業でも、安心して運用を続けられる体制です。担当者の急な退職・異動時でもスムーズに引き続きができます。
問い合わせ履歴の可視化・分析機能で、対応改善や情報設計の見直しに活用できる

利用者とのやり取りの履歴は、管理画面上で可視化・分析できます。また、生成AIによる履歴分析レポートの作成も可能です。どのような質問が多いのか、どの時間帯に問い合わせが集中しているのかといったデータを把握できるため、対応内容の改善や、Webサイトの情報設計を見直すための材料としても活用できます。
多言語対応オプションで80言語以上の問い合わせにも対応

DSチャットボットの多言語オプションでは、80以上の言語の質問に、自動翻訳・自動応答します。日本語の学習データをもとに回答できるため、多言語向けのWebサイトや資料を用意する手間もありません。
IVRとAIチャットボットに関するよくある質問
Q. IVRとAIチャットボットの違いは何ですか?
IVRとAIチャットボットの最大の違いは、対応するチャネルです。IVRは電話を受けた際に音声案内で振り分けをおこなう電話専用のシステムで、AIチャットボットはWebサイトなどのデジタルチャネル上でテキストによる質問に自動回答するシステムです。特定の選択肢のなかから選ぶIVRと、自由に質問できるAIチャットボットでは、利用者の体験も異なります。
Q. IVRを導入しても電話が減らないのはなぜですか?
音声案内が長く、選択肢の内容がわかりにくいため、利用者が途中で離脱したり、結果的に担当者へ直接つながるルートを選択したりするケースが多く見られます。加えて、メニュー構成が複雑化しやすく、改善が後手に回りやすい点も、IVR運用上の課題です。
Q. AIチャットボットは導入や運用が難しいのではないですか?
生成AI型のAIチャットボットであれば、WebサイトのURLやPDF資料を読み込ませるだけで初期設定が完了するものが多く、Q&Aシナリオを一から作り込む必要はありません。管理画面もシンプルに設計されているツールが多いため、IT専任の担当者がいない企業でも運用しやすくなっています。
Q. IVRとAIチャットボットはどちらを導入すべきですか?
IVRとAIチャットボットは、どちらか一方を選べばよいという対立する選択肢ではなく、対応するチャネルが異なるツールです。電話チャネルにはIVR、WebサイトやアプリといったデジタルチャネルにはAIチャットボットを設置することで、それぞれの強みを活かしながら問い合わせ対応の幅を広げられます。
Q. おすすめのAIチャットボットは何ですか?
初めて導入する場合は、操作のしやすさやサポート体制が整っているサービスを選ぶことが重要です。DSチャットボットは、月額5,500円の低価格から導入できます。さらに、応答率98%以上の電話サポートも備えているため、ITに詳しくない担当者でも安心して導入しやすいAIチャットボットです。
まとめ
IVRとAIチャットボットは、いずれも問い合わせ対応の効率化に役立つツールですが、得意とするチャネルや役割は大きく異なります。IVRは電話を受けた際の振り分けや営業時間外の自動対応に強みがあります。一方、AIチャットボットはWebサイト上でテキストによる柔軟な質問対応ができ、24時間体制での自己解決を支援できる点が特徴です。
電話問い合わせがなかなか減らないと感じている場合、その原因はIVRそのものの良し悪しではなく、電話をかける前の段階で疑問を解決できる窓口が不足していることにあるケースも少なくありません。
「AIチャットボットは高そう」「専門知識がないと運用できないのでは」というイメージを持っている方も、生成AI型のAIチャットボットであれば、URLやPDF資料を読み込ませるだけで運用を始められ、低コストかつシンプルな管理画面で扱える製品が増えています。
DSチャットボットは、月額5,500円から導入でき、応答率98%以上の電話サポートや履歴分析機能、多言語対応オプションなどを備えており、IT専任の担当者がいない企業でも無理なく運用できます。無料体験版もありますので、興味がある方は以下よりご覧ください。






