パンくずリストとは?意味・由来やメリット、SEO効果を解説
更新日:2025.06.13

パンくずリストとは、「今、自分がサイトのどこにいるか」を示してくれるナビゲーションです。
ユーザーの利便性を高めるだけでなく、検索エンジンにサイト構造を伝える役割があり、SEO面でも効果が期待できます。
今回は、「パンくずリスト」の言葉の意味や由来、設置するメリットや設置方法までホームぺージ運営の初心者向けにわかりやすく解説します。
パンくずリストとは何か知りたい方や、ホームページ作成・更新を担当している方はぜひご覧ください。
ユーザーの利便性を高めるだけでなく、検索エンジンにサイト構造を伝える役割があり、SEO面でも効果が期待できます。
今回は、「パンくずリスト」の言葉の意味や由来、設置するメリットや設置方法までホームぺージ運営の初心者向けにわかりやすく解説します。
パンくずリストとは何か知りたい方や、ホームページ作成・更新を担当している方はぜひご覧ください。
目次
パンくずリストとは
パンくずリスト(breadcrumb list)とは、現在閲覧しているぺージがホームページ内のどこにあるかを示すためのナビゲーションです。ホームページの階層を視覚的に表示します。
パンくずリストの例
パンくずリストは多くのホームページで、各ページの上部に表示されています。
例として当サイト、DSマガジンではぺージタイトルの下にパンくずリストが表示されています。
例として当サイト、DSマガジンではぺージタイトルの下にパンくずリストが表示されています。

また、大手ECサイトのAmazonであれば以下のように表示されています。

このようにパンくずリストがあれば、訪問者は現在閲覧しているページがサイト内のどこに位置しているかを把握しやすくなります。さらに必要に応じて、より上位の階層(親ページやカテゴリーページ)へ簡単に移動できます。
パンくずリストの名前の由来
パンくずリストという名称は、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」に由来しています。
物語の中で主人公のヘンゼルとグレーテルは森で道に迷わないように、パンをちぎって道に落とし、帰り道の目印にします。
この童話になぞらえて、ホームページ内で訪問者がどのページにいるのか迷わず、上位の階層のぺージに戻れる役割を持つことから、パンくずリストと呼ばれるようになりました。
パンくずリストの種類
パンくずリストはその特徴によって3つに分類されます。
【パンくずリストの種類】
- 位置型パンくずリスト
- 属性型パンくずリスト
- パス型パンくずリスト
どれもぺージの所属位置をわかりやすくするのが目的ですが、それぞれ違いがありますので紹介します。
位置型パンくずリスト
位置型パンくずリストはホームページの構成に基づいて、現在見ているページがホームページ内のどのカテゴリー・階層にあるのかを示すパンくずリストです。多くのホームページで使用されており、最も一般的な形式のパンくずリストです。
この「DSマガジン」も位置型パンくずリストを使用しています。

上の画像の例であれば以下のようになります。
DSマガジントップページ:TOP
カテゴリー:Webサイトの運営
カテゴリー:Webサイトの運営
詳細なぺージ名:CMSとは? 意味と種類・ホームページへの導入事例をわかりやすく解説
このように訪問者がどのカテゴリーの、どのぺージを見ているのか一目で分かるようになっています。
位置型パンくずリストはあらかじめ設定されたサイト構成に沿って表示されるため、誰がいつ閲覧しても同じ内容のパンくずリストが表示されます。
属性型パンくずリスト
属性型パンくずリストは表示されているページの、属性や分類に基づいてパンくずリストが表示されます。
少しわかりにくいので、具体例を用いて説明します。

たとえば、皆さんが上の画像のイヤホンをECサイトで探すとして、どのように探すでしょうか。
- ワイヤレスイヤホンが欲しい
- ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンが欲しい
- 性能も良く、予算1万円以内のイヤホンが欲しい
- 特定のメーカーのイヤホンが欲しい
このように、ユーザーのニーズや検索の切り口はさまざまです。
たとえばAの「ワイヤレスイヤホンが欲しい」という人が商品ページを見たとき
「この商品はちょっと違ったので、他のワイヤレスイヤホンを見たい」と思うかもしれません。
「この商品はちょっと違ったので、他のワイヤレスイヤホンを見たい」と思うかもしれません。
そのためAの、ワイヤレスイヤホンで検索して探している人であれば
家電 > イヤホン > ワイヤレスイヤホン > 製品ぺージ
のようにパンくずリストが表示されていれば、すぐにワイヤレスイヤホンの一覧ぺージに戻れます。
このように属性型パンくずリストではユーザーがそのぺージにたどり着くまでにたどった検索経緯、絞りこんだカテゴリーなどでパンくずリストが表示されます。訪問者が目的の商品や情報を探しやすくなるのが、属性型パンくずリストのメリットです。
そのため、ECサイトや不動産サイトなど、ユーザーごとにアクセス経路が異なるWebサイトでよく使われています。
※ただし、属性型パンくずリストが使われやすいECサイト・不動産サイトなどでも、すべての訪問者に同じパンくずリストを表示するケースも増えました。
こちらの理由についてはパンくずリストを設置するメリットの項目の後に解説します。
パス型パンくずリスト
パス型パンくずリストは、訪問者がホームページ内で閲覧したページの履歴をもとに表示されるパンくずリストです。
訪問者によってどのページの順番で見るかは異なるため、パス型パンくずリストの内容は閲覧する人によってさまざまです。
ただし、閲覧履歴はブラウザの標準機能として備わっているうえ、パス型パンくずリストをあえて使用するメリットもほとんどありません。そのため、現在では基本的に使用されません。
パンくずリストを設置するメリット
パンくずリストの設置には、訪問者とホームページを運営する個人・企業の双方にメリットがあります。
【パンくずリストを設置するメリット】
- 訪問者の利便性向上と直帰率の低下
- クローラーが巡回しやすくなり、SEO効果が見込める
- リッチリザルトへの対応
それぞれ解説します。
訪問者の利便性向上と直帰率減少
パンくずリストを設置することで訪問者がホームページを閲覧する際に、ホームページ内のどのカテゴリー・階層のぺージを見ているのか把握しやすくなります。これによりサイト内での現在地が明確になり、目的の情報にたどり着きやすくなります。
また、見ているぺージに目的の情報がなかった場合でも、パンくずリストから上位のカテゴリーぺージに戻ることで、他の関連情報を探しやすくなります。
その結果、訪問者がすぐにサイトを離れてしまうのを防ぎ、直帰率の低下にもつながります。
クローラーが巡回しやすくなり、SEO対策になる
パンくずリストを設置することにより、SEO効果が期待できます。
パンくずリストは自然な形で内部リンクを構築できるため、クローラーが効率的にサイトを巡回できるようになります。その結果、クローラーがサイト構造を正確に認識し、検索エンジンでの評価向上にもつながります。
※クローラー…GoogleやYahoo!などの検索エンジンが、Web上の情報を収集するために巡回しているロボット。
リッチリザルトへの対応
パンくずリストを設置することで、リッチリザルトに対応できます。
リッチリザルトとはGoogleなどの検索エンジンが通常の青いリンクだけでなく、パンくずリスト・画像・レビュー・価格などの視覚的な情報を検索結果に表示する形式のことです。

例として、上の画像の赤枠に表示されている内容が挙げられます。
1枚目の画像では、パンくずリストが表示されています。
2枚目の画像では、主要な各ページのリンクが掲載されています。
パンくずリストを設置することで、ページにアクセスする前から内容が視覚的に伝わりやすくなります。
その結果、検索ユーザーが内容をイメージしやすくなり、ホームぺージにアクセスする可能性が高くなります。
なぜECサイトでもパンくずリストを統一して表示させるのか
近年ではECサイト・不動産サイトなどでも、各ページのパンくずリストの表示を統一して表示するケースが増えています。
ここでは、その理由を簡単に説明します。
※この内容は補足的な情報ですので、読み飛ばして次の「パンくずリスト設置時のポイント」に進んでも問題ありません。また、実際の技術面についてはこの記事では解説しません。
先述した通り、属性型パンくずリストには同じぺージでも、ユーザーの検索経緯、絞り込みによって表示内容が変わるという特徴があります。しかし、これにはデメリットもあります。
パンくずリストを設置するメリットで、「クローラーはサイトの構造を把握できるのでSEO効果がある」と説明しました。
ここで位置型パンくずリストの場合、同じぺージであれば誰が閲覧しても、同じパンくずリストが表示されます。
※例としてこのページであれば誰が閲覧しても以下のように表示されます。
TOP > Webサイトの運営 > ホームページ・インターネットの用語解説
※例としてこのページであれば誰が閲覧しても以下のように表示されます。
TOP > Webサイトの運営 > ホームページ・インターネットの用語解説
> パンくずリストとは?意味・由来やメリット、SEO効果を解説
毎回同じパンくずリストがあるため、クローラーは「インターネットの用語」というカテゴリーの中にこの解説記事があることを認知できます。
一方で、属性型パンくずリストでは同じページでも以下のように表示がバラバラになることがあります。先ほど例に挙げたイヤホンの商品ページであれば
家電 > イヤホン > ワイヤレスイヤホン > 製品ぺージ
家電 > イヤホン > ノイズキャンセリング機能付き > 製品ぺージ
家電 > イヤホン > 1万円以下 > 製品ぺージ
家電 > イヤホン > ○○製 > 製品ぺージ
となってしまいます。
これではクローラーが、「このページはどのカテゴリに属しているのか?」と迷ってしまい、サイト構造を正しく認識できない要因になります。
これではクローラーが、「このページはどのカテゴリに属しているのか?」と迷ってしまい、サイト構造を正しく認識できない要因になります。
クローラーがサイト構造を正しく認識できないと「クローラーはサイトの構造を把握できるのでSEO効果がある」という先ほど説明したメリットが得られない可能性があります。
こうした理由から、最近ではパンくずリストを統一して表示するケースも増えました。
パンくずリスト設置時のポイント
実際にパンくずリストを設置する際に、確認するべきポイントを5つ紹介します。
【パンくずリスト設置時のポイント】
- サイト内の構造をわかりやすく、整合性を保つ
- すべてのぺージに設置する
- 閲覧中のぺージはリンクにしない
- アンカーテキストにSEOキーワードを取り入れる
- 構造化データの実装
サイト内の構造を分かりやすく、整合性も取る

パンくずリストは、ホームぺージのどの位置・階層にいるかを表示させるための機能ですので、まずはホームぺージ自体の階層構造が正しいものになっていることが前提です。
極端な例ですが、製品紹介のカテゴリーの中に会社概要のぺージがあっては、見にくいだけでなく検索エンジンからの評価も下がります。まずはホームページ全体の構成に問題がないかを確認しましょう。
また、ホームぺージの階層は多すぎても複雑になり、少なすぎてもカテゴリーごとのページ数が多くなりすぎてしまいます。現状のホームページの規模や、ビジネスの内容に合わせた設定が必要です。
すべてのぺージに設置する
パンくずリストは基本的には全てのぺージに設置しましょう。そうすることで訪問者・クローラーのどちらも、容易にぺージの階層を把握できます。
ただし、トップページやランディングページのように、伝えたい情報が明確で他のページへの導線が不要なケースでは、無理に設置する必要はありません。
特に、ユーザーに特定の行動を促したいページ(例:資料請求や購入ページなど)では、パンくずリストを省略して余計なリンクを減らし、目的達成に集中してもらうという方法もあります。
閲覧中のぺージはリンクを設定しない
現在閲覧中のページは、パンくずリスト内でリンクを設定しないようにしましょう。
訪問者としてはすでに閲覧中のぺージのリンクをクリックしても変化がないため、訪問者にとって無意味な操作となってしまいます。さらに「別のページに移動するのかな?」と誤解を招く可能性もあります。
そのため、パンくずリストでは現在のページのリンクを外し、単なるテキストとして表示するのが一般的です。
アンカーテキストにSEOキーワードを取り入れる

パンくずリストのアンカーテキスト(リンクとして表示される文字列)には、SEOのキーワードを含めるようにしましょう。
パンくずリストは内部リンクの一種であるため、リンクテキストにキーワードを含めることで、リンク先ぺージとの関連性を強化できます。これにより、クローラーもサイト構成を把握しやすくなり、SEO対策としても効果的です。
さらにパンくずリストのテキストは検索結果に表示されるため、キーワードが含まれることでクリック率の改善も見込めます。
構造化データの実装
これまで説明では触れていませんでしたが、リッチリザルトにパンくずリストを表示させるには、構造化データの実装が必要です。
構造化データとは、Googleなどの検索エンジンがぺージ内の情報を正しく把握するために使う、特定の形式で記述されたデータです。
構造化データの実装により、Googleなどの検索エンジンは
「ここがパンくずリストだな」「ここは求人情報が書いてあるな」
といったように、ページ内容をより正確に把握できます。
※構造化データはパンくずリストのほかにもレシピ、商品データ、Q&Aなど30種類以上あります。
リッチリザルトにパンくずリストを表示するには、検索エンジンに「ここにパンくずリストがある」と認知してもらうための構造化データを用意しましょう。検索結果に反映されるだけでなく、クローラーによるサイト構造の理解も深まります。
パンくずリストの設置方法
実際にパンくずリストを設置するための方法を3つご紹介します。これからホームページにパンくずリストを設置する方はぜひ参考にしてみてください。
構造化データでマークアップする
1つ目は、構造化データを使ってパンくずリストをマークアップする方法です。
Googleでは、JSON-LD (JavaScript Object Notation for Linked Data)と呼ばれる構造化データの記述形式を使用したマークアップを推奨しています。
これは、Webページ内にパンくずリストの情報を明示的に記述し、検索エンジンに正しく認識してもらうための方法です。
Google公式での例では以下のように紹介されています。

こちらは後述する2つに比べて自由度が高く、デザインや構成を自由にカスタマイズできるというメリットがあります。
ただし、実装にはJSON-LDの知識だけでなく、HTMLやJavaScriptなどの基本的なWeb技術の理解も必要になります。
そのため、Web制作にあまり慣れていない方にとってはハードルが高い方法です。
WordPressのテンプレート・プラグインを使う
無料CMSのWordPress(ワードプレス)を利用している方であれば、既存のテーマやプラグインを使って、パンくずリストを設置できます。
・テーマ…サイト全体のデザインやレイアウトを決めるテンプレート
・プラグイン…機能を追加するための拡張ツール
これらを活用すれば、JSON-LDなどの専門知識が必要なくても、比較的手軽かつ安価に、場合によっては無料でパンくずリストを設置できます。
ただしデメリットとして、WordPressなどの無料CMSはセキュリティ面での脆弱性が指摘されている点が挙げられます。
さらに、テーマやプラグインによってはサポートがない場合や、WordPress本体のアップデートにより使えなくなる可能性もあるため、導入時には信頼性の高いものを選ぶことが大切です。
有料CMSの機能を使う
WordPress以外のCMSでもパンくずリストの設置は可能です。
特にホームぺージの更新・管理も簡単におこないたい方は、企業が提供する有料CMSの使用をおすすめします。
多くの有料CMSではパンくずリストの機能も標準として備わっており、ホームぺージの更新に合わせて自動で反映されるようになっています。さらにWordPressと比べてサポートが充実しているため、操作が不明な場合でも安心して利用できます。
一方で、構造化データでのマークアップやWordPressの使用と比較すると、費用がかかるというデメリットもあります。ホームぺージの開設状況やビジネスの目的に合わせて導入を検討するべきです。
なお、弊社の企業向けCMS「おりこうブログ」でもパンくずリストの設定を簡単にできます。
興味がある方は以下の資料もご覧ください。
パンくずリストに関する、よくある質問
Q.パンくずリストとは?
A. パンくずリスト(breadcrumb list)とは、現在閲覧しているぺージがホームページ内のどの位置にあるかを示すためのナビゲーションです。ホームページの階層構造を視覚的に表示し、上位ページへの移動をスムーズにします。
Q.パンくずリストの設置のメリットは?
A.パンくずリストを設置することで、訪問者が閲覧しているぺージがどこの階層にあるのかを把握しやすくなり、目的の情報にたどり着きやすくなります。さらにクローラーがサイト内の構造を正確に把握しやすくなり、SEO効果も期待できます。
Q.パンくずリストの設置方法は?
A.パンくずリストを設置することで、訪問者が閲覧しているぺージがどこの階層にあるのかを把握しやすくなり、目的の情報にたどり着きやすくなります。さらにクローラーがサイト内の構造を正確に把握しやすくなり、SEO効果も期待できます。
Q.パンくずリストの設置方法は?
A.パンくずリストの設置方法には、構造化データを手動で追加する方法と、CMSを利用する方法があります。構造化データを使う方法は自由度が高くカスタマイズ性に優れていますが、難易度が高めです。一方、CMSを使えば比較的簡単に設置できるため、初心者にもおすすめです。
パンくずリストの設置で、ユーザー体験とSEOを同時に強化
パンくずリストは、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても、サイトの構造をわかりやすく伝えるための大切なナビゲーションです。
パンくずリストを設置することで、訪問者の利便性向上だけでなく、クローラー回遊率が高まり、SEO効果も期待できます。
ホームページの内容や運用方針に合わせて、ぜひ取り入れてみてください。
この記事を書いた人

藤縄 創大
株式会社ディーエスブランド Webマーケター
ディーエスブランドへ入社後、営業を経験したのちメールマーケティングやセミナー運営に携わる。現在は幅広い分野のライティングを担当。